愛のユーモア / 愛の放物線
『愛のユーモア』
太陽が一滴の雨粒のなかに
まるごと入り込む方が
ピエロの化粧を塗るよりもたやすい
貧乏人が無一文で遠路遥々この家に訪れるほうが
金持ちがこの家を買うよりも尊い
冷めた人がふたたび情熱や温かさを取り戻すことは
地球人全員が地球学校を卒業するよりも益である
帽子を食べるか嗅ぐかをすることは
男女の恋のいとなみに似ている
金属バットを振り回すよりも
マシュマロに爆弾を詰めた方が危ない
大人が立派になって
人々から敬礼されるよりも
子供が、ただ遊んでいる方が
世界が平和になる
上手い話しをする人よりも
心からの愛情や愛で
黙っている人のほうが賢い
高いお酒をたらふく飲んでいるよりも
空気をおいしく飲んでいるほうが
お金持ちである
議論をするよりも
手を繋いだほうが早い
文明のせいで急いて
自殺をするよりも
文明から遠ざかり
怠惰になって乱れて
生きている方が徳である
音楽を鳴らすよりも
自身のたったひとつだけの声を鳴らすほうが
宇宙が合唱する
心配して子供にお金を与えるよりも
熱心にその子供のためにただ祈ったほうが
子供は彩り豊かになる
上手い歌手よりも
声もカスカスの下手なおばあちゃんのほうが
世界を変える力を持つ
戦って名声を獲るよりも
戦わず頼りなく
はかない憧れの夢で溺れているほうが
家族や自分はしあわせになる
仕事のせいで
家庭や夫婦仲を悪くすることは
世界で最も大事な光を消滅させる
『愛の放物線』
これは
世界全体をまどかに包み込み
太陽よりも先に産まれ
これより深いこれとなり
名付けるまえに在るものが
また、多くの名前を授けていき
色彩やその福音やダイアグラムは
そのものであり
同時にこれは光の素粒子を産み
婉麗に絶えることなく
全ての親として玉座に座り
次元や虚空を往き来しては閃いて
これはあり
これはもうその亀裂にあって
これは綱さえ渡り
これはこれはあらゆる相性や障壁を超えて
これは奥の奥
これは相互的で、総合
これは源
これは中心
これは神
これは永遠
これは枯れない泉
これは日蝕のメリーゴーランド
これは赦しであり
全てを解き放ち
一人一人ひとつひとつの
内外に合わせて優雅に飛翔し
「違い」や「同じ」を尊び
全てを可能とし
清く、世界を根底から加護し
支え、成り立たせ
育み、慈しみ
導き、統べている
これが
最後の希望
これが
暗闇や地獄を照らす
決して、消えない炎
ほら、こちらに
鳳凰が光の花々を
爛々と率いていらっしゃる