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青の旅 / 花よ、花、花

『青の旅』


1

まどかな詩と詩の微睡みに


散りばめれた数々の符牒(ふちょう)や色彩環が


この躰、血潮にふらりほわりと舞い降りて


次第に繚乱となりながらも


統合されていき


かの総合の輪舞が


全てを包み込み


ひとつなる生命体が創りだされた


それは、青


青は、あまねく万物や星辰


豊饒な聖霊が共にあり


青は、全てと一体であり


同時に、独創であった




2

青は青として


ただ純潔の青として在る


混ざることも、濁ることもない


在るのは、青



3

青は旅に出た


さらなる純潔を目指して



黒、赤、橙、黄、緑、紫、白などに



憧れを抱いた


憧れは数々の融合を産んだ



4

青は


もはや青であると


誰からも気付かれなくなってしまった



青は虚しくなった。


しかしながら、青は


澄んだ青を時より放つようになった



5

青は



黒、赤、橙、黄、緑、紫、白



などから


ようやく理解され


また、感謝されるようになった。



青が


青に戻れることが


出来るようになったからである。


6

青が青を呼んだ


赤色のなかで


青が青を呼んだ


緑色のなかで


青が青を呼んだ


黄色のなかで


青が青を呼んだ


青色のなかで


青が団欒している


青が横たわっている


青の石斛(せっこく)


青の小白鳥



7

青は


青の純潔の青となった


青は、あらゆる即興や変身を繰り返し


やがて


青は


天上の生を召喚することを憶えた


青は、あらゆる色彩になり


青は、あらゆる詩になり


青は、あらゆるやさしい自然となり


青は、青の愛となった


『花よ、花、花』


花はこの宇宙が終わるときも

咲いているような

気がした


爛々(らんらん)とそれから

爛々と


花のなかには

この宇宙よりも多くの

おとぎの世界があるような

気がした


そこには瑠璃や琥珀のお城があり

幼子が自由に遊戯をし

的皪(てきれき)の太陽や聖なる生き物

水晶の泉がお話しをして

愛と夢の歌が歌われていたり

寛雅(かんが)な舞いを舞ったり


花はいつも神様に

愛でられているような気がした


陽や雨

風や空や白い雲、天道虫


かわいい花

かわいい花よ

かわいい花

かわいい花よ

清らかで、清らかな

平和に満ちた花よ

時には

「摘まないで下さい」

と、言って

泣いてもいいのだよ


花は人間に

似ているような

気がした


色とりどり

季節があって

何ひとつ

同じ顔の花はなくて

何ひとつ

母なる土に繋がってない花はなくて


花は心のなかで

ときどき

おじぎをしたり、手をふって

光っているような

気がした


煌々とそれから

煌々と


花、花よ



花よ、花、花 

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