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デタラメだもの(1)

デタラメ力で、このデタラメな世を渡る。デタラメだもの。

作者: ときわひでたか

 今のこの時代、とても強く思うわけです。

「デタラメ力」が必要だな、と。


 相田みつをさんが云う「人間だもの」。

 そうですよね、ぼくも何度もその言葉に救われたり、苦難や苦境に襲われても、「人間だもの」のひとことに、弱さを認めることができたり、自分の情けなさとうまく付き合うことができたり、そうすることで、重荷から解放され、スルリユルリ、かわせてきた人生の諸問題も多くございます。


 がしかし、今の世の中、どうでしょう?

 などと、まずは人並みに浮世を憂いてみる。

 弱さを認めたり、自分の情けなさとうまく付き合っていくことで、日々迫り襲いくる諸問題モロモロを、ダマシダマシ、過ごしていくことなど、できましょうか?

 無理。ムリ。むり。


 なので、こう思うわけです。

「デタラメだもの」精神が必要なんじゃないかって。


 現実的な問題でいうところの、不景気やら、低賃金やら、就職難やら、なんやらかんやら。

 もっと現実的な話でいうところの、○○率が0.1パーセント改善されたので、景気が上向いています。は?なにそれ?それが0.1パーセント改善されたら、本日の夕食の小鉢、つまりはオマンマの数が一品増えるとでもいうのでしょうか?その違和感、みなさん、感じてませんか?


 まぁ、ぼくたちわたしたちも、そんな0.1パーセントの数字に期待に身をあずけきるほど、夢追い人じゃございません。なめてもらっちゃ困ります。なので、はなから0.1パーセント改善なんてフレーズには、すがる気なんざ、ございません。


 また、こんなフレーズも。

「今夏の企業のボーナスが○万円アップ!」はぁ?ボーナスなんか、そもそもないんですけど。ないもの、アップもクソもないんですけど。そのフレーズ、誰に向けて誰が得するフレーズなんでしょう?受け手がいない情報発信、あらまぁ、電波、紙面のムダ使いじゃございませんか。


 結局、企業が潤うように国が施策を講じたり、補助金を出したり、なんやらかんやら、そんなことして企業が潤ったとしても、末端の従業員にその潤いが行き届くかなんて、誰も見届けちゃくれません。


 企業の方針で、ボーナス出さん、決められた日にゃ、われわれド庶民のお財布事情は、なんら変わることなく、キュウキュウキュウキュウと、お札も小銭も入っとらんのに、まぁ息苦しそう。


 税は上がる。まったく、ひどいぜぃ!年金の不安は増す。ほんと、閉口します。将来の保証なんて、ない。まったく、お父ちゃんは情けないよ、娘っこよ。こんな下らないダジャレしか、ほんま、よう言えません。


 だから、提唱したいわけです「デタラメだもの」精神。


 もういっそ、生きてて降りかかる難問・難題、みな、デタラメに捉えて、デタラメに処理して、デタラメに生きていこうじゃありませんか?


 これまで若者は、反抗という名の武器で、抗い、自己を主張し、時に押し通し、時に押しつぶされてきた。

 が、しかし、今の世の中、反抗しても、どうにもなりません。相手が巨大過ぎます。親に歯向かって、我が道を貫き通してみたところで、社会という名の、世間という名の、お国という名の、超巨大な障壁が、ぶっ潰しにやってきます。


 ならば、華麗にかわそうじゃないですか。かわしながら生きていこうじゃありませんか。

 そんな、かわしながら生きる術、それを支える力、それこそが「デタラメ力」であり、それに根付く精神を「デタラメだもの」精神と呼んでしまっても、何ら問題はないのではないでしょうか。


 デタラメだもの。

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