表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宛先不明の  作者: 浅黄 悠
3/7

ことのはのこえ1

人は言葉をあやつる

「おはよう」「ありがとう」

いろいろな言葉を巧みにあやつって、どうにか生きている

「大嫌いだ」「そんなことわからないよ」

きわめて不完全であやふやな情報伝達ツール

まるで

細い銀糸で糸電話しているかのよう

その銀糸を織って文章をつくろうなんて

いったい誰が始めたの?

布を裁って合わせて整えて

そうして人はやっと一つの話をすることを

身につけられる


そして

どこの誰が始めたのか

糸を巧みに複雑に織り上げたら

あ、物語ができた


______


いつだったろうか

目覚めたら右腕に糸が数本つながっていた

きらきらした銀の筋

細いネックレスを絡ませたみたいに

流れ星の跡のように

これが私のこころ

私の思考


「おはよう」

と糸の先で、生まれたばかりの私に微笑んだ、名前も知らない人物がいた。

私は何と言うこともなくそのまま

「おはよう」

と返してみた。もちろんその声が届くはずはない、

声どころか姿だってきっと完全にはわかっていないはず

だけどその時は

確かにダイレクトに見つめ合えていた、そんな気がする。

その人の視線はまっすぐ私を貫いていたから


私は微笑もせずに、ただぼんやりとその人を見ていた。

これからこの人と、いつかどちらかが消え去るまで生きていくんだろうなと思った。


それからというもの

来る日も来る日も

白紙の前にディスプレイの前に座って無言で糸を編み出していく、その人の

(あの時以来ほとんどなにも浮かばない)表情の代わりに語る瞳を

ただじっと見ていた。

時に優しさに怒りに染まり

時に悲しみ慈しみをたたえ

でもいつも僅かな狂気に取り憑かれたような、そんな瞳だった。


______


織部、すなわち物語の創作者は

多かれ少なかれ欲望を持っている

物語を知った多くの人に幸せになってほしいとか

またはそういう人達から賞賛とか名声がほしいとか

そういうものとはまた少し違う

子供がお菓子をほしがるような

原始的で無邪気なもので


自分の持っている感情や思考を誰かに伝えたくて

いやもしかしたら単に

自分の探し求めるなんらかの欲や願望を満たしたいがためかもしれない

「自分が紡ぎ出す新しい世界」という

甘美で清らかに迸る水に憧れ

乾いた瞳で手を伸ばす

どうしてもどうしても

叶えたい___


そのためなら

零した血で紡ぐことも厭わない

滴らせた血で糸が染まっても構わないから、


そんな人だっている…かもしれないというだけの話


______


果たして描き出されてゆく街、

私を形づくる人達の影が紙の上でひらひらと舞う。


まるで紙吹雪みたいで、

その景色を見せられないのが残念。


でも私がその中にいるとどうしてもうまく話が続かない、

まるで機械仕掛けの人形の街に普通の人間が一人いるみたい。

私のせいで話が軋んで動かなくなるのはいつものこと。

多分物凄く厄介な役者なのだろう私は。

でも、何も知らない分からないその人は髪をかき上げて

ただ、「上手く行かないな」とぼそり呟いただけだった。

私は黙っていた。


とある物語の主人公それが私。

そしてこの人は

私を描いているホントの人間


で、あるはずなのに。


なぜ上手く溶け込めない。

なぜだ。

きっと今、私はこの人と同じ顔をして悩んでいるのかな。

私が考えても何も変わらない事であるけれど…


軋み、詰まって、また止まる。

話を織る機械がまるで動かないのだきっと。

その人の目は今日もどこか、暗い。



こんにちは。

この”ことのはのこえ”は1ヶ月ぐらい放置して続かなくなったのを、もういいや、ほい、

…と投稿したものです。

何が言いたいかというと低クオリティだけど許してねってことです。それだけだよ。


1ってつけてあるのは一応続ける気がまだあるからです。なくなったらとります。

それではでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ