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サヨナラ、ヴィーナス。  作者: meluco.
5/12

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「あ~みっ」



「わあっ!順ちゃん!」



大学の帰りにいつものようにコンビニに立ち寄り

飲み物のコーナーで迷っていると同じサークルの関口順子(通称:順ちゃん)に捕まった。




「何?何にすんの?」



「ひみつ~」



そう言って私はミルクティーに手を伸ばす



すると順ちゃんは自慢の大きな目をもっと大きくし

私の顔を覗き込んだ。



「あれ!?亜美って、甘いもの苦手じゃなかったっけ?」



そう、苦手だった。



「ちょっとだけ苦手じゃなくなったんだよねえ。」



「何かあったの?」



「ひみつ。」



「出た!口癖。」





レジに通り会計を済ませ

ずっと私の後ろにくっついていた順ちゃんを

私はようやく振り返ってきちんと見た。





「それで、どうしたの?」



紙パックにストローを突きさし

軽く唇で触れる



「ビックニュースよ。」



順ちゃんは大学でもかなり友達が多いほうで、サークルもいくつか掛け持ちをしている

そのコミュニケーション能力で張り巡らされたネットワークはさすがだと私でも思う。



「誰かさんの元彼氏さんが、元彼女さんの大学の門で待ち伏せ!

さらに言うと、その元彼女さんはそのことをたった今知るという悲惨な結末!」



「待って」



「話はあとで聞く。」



「恋人じゃないよ。」



「は?」






そう言いながら私はいつもの道をいつもの足取りで家へと歩き出した。




「ちょっと~!亜美~~?」




段々と声が遠くなっていく































私に残された時間はあと少しだった。






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