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サヨナラ、ヴィーナス。  作者: meluco.
3/12

夏のケモノ







「――――というのが、ほんの二週間前の話で。」




バイトの休憩中、僕は美容室に行ったばかりのサラサラの髪の毛を触りながら

同じ大学に通う「ワタベ」に愚痴を言い放っていた。




「あのな、ユーヤ。俺はさ、そりゃお前の彼女...ごほん。付き合ってたような

そうじゃないようなよく分からん女のことは何にも知らねえよ?

だけどさ、これだけは分かるわ。」




ワタベはさっきまでいじっていたスマホを机に置いて

僕のほうを見た。







「お前、遊ばれてたな。」



「やっぱり?」





そりゃ僕だって気付かなかったわけじゃない。


付き合ってもいないのにいつも一緒にいる僕らを冷やかす奴らもいた。






「お前そろそろ気付けよ。亜美先輩がお前なんか相手にするわけないだろ。」



「知ってるよ。」






どうして僕はあの時「そんなことはない。」と、言えなかったのだろう。

自分に自信がなかった、だけ、ではない。





「そろそろ戻るぞ。」



「おう。」









































その日の夜、キミからの電話があった。





「会いたい」




たったその四文字の言葉は、いつも聞いていた響きとはどこか違くて

もう夏はそこまで来ているのに、僕は布団にくるまった。



と、同時に


部屋の窓ガラスを全部割りたい気分だった。


















ああ、そうだ。



だから、気付かないふりをしていたんだ。










キミは、操られる僕を見て楽しんでいた。











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