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サヨナラ、ヴィーナス。  作者: meluco.
1/12

Prologue.










人は普通を嫌い、普通を望む。




美しい景色に涙し、同じ日常に溜め息をつく。








誰が誰と付き合ったとか、あの事件の犯人が捕まっただとか

僕にとっては「アクビ」程度の問題で直接的には無関係な出来事で






そう、今まさに僕の目の前で起こっていることが現実で―――







「別れたいの。」





聞こえない。





「だからあなたの家にある私の荷物取りに来ちゃった。」




聞こえない。




「・・・ねえ、部屋に入れて?」




聞きたくない―――













今思えば僕とキミが付き合うようになったのは運命とかそんなものじゃなく

なんとなくの成り行きだった。








キミは高校の頃の2個上の先輩で

僕の加入していた軽音楽部の先輩でもあった。







「ギター、うまいね。」





天使みたいな顔と声で僕に優しく声をかけてくれたのがキミだった。

今まで恋なんてものをしたことのなかった僕だったから、もちろん一目で恋に落ちた。





キミは学校一の美人で、秀才で、だけどどこかいつも寂しそうで

綺麗な瞳の奥には僕の姿なんか映っていないようで







とにかく謎に満ちたそんなひとだった。








好きな音楽が一緒ということもあり何度かお茶をするようになって

本当は僕のことなんてキミは相手にしていないってことを分かっていたけれど

「なんとなく」でずるずる今日まで来てしまった。








誰かがくっつけたわけでも、どちらかが「好き」と言ったわけでもなく、

本当に「なんとなく」今まで一緒にいた。











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