表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2話 チートに勝つ方法「物理で殴る」

少年が歩を進めるたびに

地が割れ、空が割れる


ただ歩く…それだけのありふれた行為が圧倒的暴力


人の形をした「暴力」は男にゆっくりと迫った


「ここまで俺に近付かれて立ってるなんて、アンタ強いんだね」


「アンタって、お前…俺は先輩だぞ 敬語使え、敬語」


「ククク…随分と余裕そうじゃねぇか!あぁ!?」


少年は男に向かって巨大な剣を地に叩き付ける

剣を振るう風圧だけで天空の雲ごと切り裂いた

周辺の地面も粉々に砕けちり少年の前方見渡す限り

大半の地が穿たれ穴と化した


男が立っている周辺の部分を除いて


「…は?」


少年は唖然とした

今までどんな敵もこの一撃で葬り去ってきた

文字通り一撃必殺


どんな生物も

どんな物質も

どんな伝説も

概念でさえも


全てこの一太刀の前では風の前の塵に同じだった


実感した

強者であるからこそ分かる

相対した敵の強さに



「いやー凄いな…あの風圧がありゃ扇風機いらずだわ」


「嘘だ!嘘だ!嘘だ!こんなことあるわけが!」


少年は手を高く空に向かって掲げる

掌に黒い雷が収束し空を飲み込むほどの大きな塊と化した


例えるなら黒い太陽


「これで終わりだ!」


少年が手を降り下ろすと

黒い太陽は男に向かって衝突した


大きな爆発音

それは核をも越える圧倒的破壊力だった


少年の周囲

あるいはこの空間の全てが消えてしまったのか

容易にそこまで想像させる破壊力だった


もちろん男の姿もどこにもない


少年は宙に浮かびながら

闇の底をみつめる


規模的には穴と言うよりは闇と表現する方が良いかも知れない

それほど巨大な穴だった



もちろん常人が見つめたところで底が見えるわけもないのだがチートの恩恵を受けている少年は違った


だが見えてしまうとは時に残酷なものだ

見たくない物(真実)まで見えてしまうのだから


少年は震えるしかなかった

そして迫ってくる理不尽(チート)を超えた理不尽(チート)


「跳んできたはいいが足場がないな…場所を変えるぞ」


跳んだ勢いを止めずに男は少年を殴った

どんな鋭利な武器をも防ぎ、どんな強大なモンスターの攻撃をも無力化し、神の魔法すら受け止め伝説すらも屈服させたこの鎧を纏う少年にとって


ただ殴られることなどハエが止まる以下の衝撃…のはずだった


その絶対的防御はもはや法則だった

だが男の拳は理不尽にもその法則すらぶち壊した


今まで受けた如何なる衝撃よりも強大だった


少年の体はまるでロケットのような推進力を持ち

遥彼方まで飛んでいった


「多分死なないよな…大分加減はしたし」


男は少年を追うように跳んでいった












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ