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人工声帯 マイクマン 第六百とんで二分の五話「SAIGO★の死闘」

作者: とむやん

・・第六百とんで二分の五話「SAIGO★の死闘」・・




「くらぇ!カァラオケンッマイクッブレェードォッ!!」


マイクマンは絶叫しつつ、大部屋なのに二つしか置いてなかった上にやけに接触の悪いマイクを取り出した!


「くぉっ、他人の唾の臭いって結構キツイぜ!」


「ふっ、どうだか。隣のカノジョのだったら喜んで丸かじりのくせに!」


その言葉に、マイクマンの昔からの親友だったのが段々恋敵になっていき、色々あって気がついたら世界征服を企む羽目になってしまった恐らく今シリーズ最大の被害者であろう ポリープ男爵 (本名:林田卓)は敏感に反応した!


「ちくしょう!俺がこんな名前じゃなければ!」


林田卓は、第百八.ニ話の番組後半で行われた企画「悪のボスの名前大募集!」を心底憎んでいた!


「バカヤロウ!子どもの夢だったんだ!お前は子どもの夢を救う為に、自らの名を捨てたんじゃないか!同意の上で」


マイクマンはポッケからセブンイレブン(マイクマンは通常「ブンブン」と略している)レシートの束を取り出し、さらにその中から通称「例のカミ」と呼ばれる証明書を引き当てた。


「見てみな!この、お前の拇印…を……な、なんだこれは!!?」


「ふっ。この時を待っていたのさ」


「例のカミ」はすでに、マイクマンがまだ人としての情が熱かった頃、勢いで書いて渡し、そのまま勢いで投げ捨てられてしまった「誘拐犯みたいな切り抜き文字で書いたラブレター」とすり返られていたのだ!


「バッ、バカな!これはとっくに俺自身が川に捨てられたはいいけどもし、もし無事に見つかって拾われた時の二次災害(すでに相手に言いふらされていて二次どころではなかったが)を抑えるために自分で回収、その日の内にチャッカマンで俺の若く青くしょっぱい目から出る汗と共に灰へと還したはずなのに!」


薄ら寒い沈黙が辺りを支配する。何が薄ら寒いって、それはもう何で今薄ら寒い雰囲気なのか流れからまるで察知出来ない辺り、かなり薄ら寒い。沈黙は続く。誰もこの空気を裂くことは出来ない。二人はシャイだった。


「それは、ワタシの責任だーー!!」


突如、やっと本来の流れに戻してくれそうな声が甲高く響いた。状況を説明するのを忘れていたが、ここはとりあえず戦隊物の最終回によくある風景、ぶっちゃけた話敵の宇宙要塞の内部、外見からはとても想像のつかない広さの空間だ。周囲の星々のハリボテがより一層チープ感を引き立てる!

二人はほっとため息をつき一呼吸置いて、叫んだ。


「だ、誰だ!!?」



====ジャジャジャジャジャジャジャッジャン!=====

~CM~

・マイクマンソーセージ(フィギュア付)

・360箇所フル可動マイクマンの金属足

・光る!鳴る!切れる!赤く染まる!カラオケンマイクブレード

・ポリープだんしゃくのかんじれんしゅうちょう

====ジャジャジャジャージャッジャジャン!=====



「ワタシは、不審火原因チャッカマン!助けに来たぞ、マイクマン!」


「てめぇか、燃やしたフリしてカミ回収してやがったのはーーーー!!!!」


マイクマンの最終必殺技(先週、師匠の回想シーンを延々25分放送した後やっと会得した、アレだ!回想が淡い恋心から愛までの変遷を結構趣味で生々しくやっちゃったから、いつになく苦情電話が多かったぞ!)、「メガ・ホーン600ギガワット」がチャッカマンに炸裂した!!


「な、なぜわかったんだ…」


「ダメだな、おしゃべりさんは」



=====中略キリトリセン=====



美しい地球…母なる海…父なる大地… 太陽へ、そう、崩壊へと向かう宇宙要塞…のコックピットで、傷つき、互いをかばいあうように寄りそう二つの影と、たった一つの真っ赤な残骸が転がっていた(この辺、漫画版デビルマンの壮絶なラストシーンを思い浮かべてもらえると今この情景を筆舌し難い筆者として楽でいいなぁ)。


「終わった…何もかも、終わったんだな…」


「あぁ。これで世界は安泰さ」


「俺もう、これはずしていいのか?…いいんだよね?」


「そうだな。もう、それは必要ないだろうな…」


マイクマンは、ポリープ男爵に手を添えられ、喉に接着されていた人工声帯をゆっくりとはずした…



「…ど、どうかな…♪…? (BGM「届け!精一杯のハート」)」



「うん、いいよ、素敵なソプラノだ…」




マイクマンの音痴が、今、治った。




END.(フェードアウト、スタッフロール、爆笑NG集~ポロリもあるよ!)


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