表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Japan Force  作者: 坂崎紗葵
第1章スラヴィニア反乱
7/32

スラヴィニア共和国軍ラヴェニズク・クラフチェネンコ

※徐々に至らないところ直したいとおもいます


「本当に助かりました」


アリシェルト・ウィッテ伍長は再三そう告げた


「気にしないでくれ、同盟国だしな」


するとリチャード・ヴェルディーク軍曹が近づいて俺に手を差し出した


俺も手を差し出して握手する


「Seeyou,Again」



-スラヴィニア共和国陸軍第21歩兵機械化連隊指揮所ポイントズールー-


「クラフチェネンコ少佐、第7歩兵分隊がポルソーの村を離れました。偵察部隊によると敵の数はM1A2戦車が3台、ブラッドレー騎兵装甲車が4台だそうです。またポルソー


には日本の自衛隊の装甲車部隊がいるとの情報も」


ラヴェニズク・クラフチェネンコ陸軍少佐、29歳


ヴルモフ陸軍士官学校を首席で卒業したエース。


近年、ロシア国境間で起きた小規模戦闘にすべてかかわっているインテリかつ、現場の叩き上げ


部下からの信頼も厚く、さらに彼の部隊の生存率は75%と非常に高い。



「ステリネフ少尉」


「はっ」


「第7歩兵部隊はすぐ帰還させろ。それと第9戦車中隊はどうなっている?」



ステリネフ少尉は地図を取り出し



「第9戦車中隊はポルソーより南に3KMの地点にあるラヴィエスカという都市にいます。空軍さんと防空軍の地対空ミサイルで制空権が確保できています。敵の部隊は


そこで迎え撃ちますが、いかがしましょうか」



クラフチェネンコはすこし考え



「第11対戦車攻撃班と第4機動歩兵連隊の狙撃部隊を動員してくれ。ボスラヴェキニは?」


ステリネフは地図を指差し


「ボスラヴェキニの第2小隊は現在ラヴィエスカにいます」


「狙撃部隊か?」


「はい」


「なら第4機動歩兵連隊がは無しだ。連中に狙撃させろ」


「了解しました。しかし第11対戦車攻撃班は移動手段がUAZです。間に合いませんよ」


「問題ない。コネでMi-35スーパーハインドを借りてある。そこにつめるだろう、対戦車ミサイル」




-1時間後 ラヴィエスカ、ミーシャ自動車工場屋上-


「こちら第11対戦車攻撃班。9M133コルネット対戦車ミサイル設置完了」


3人の対戦車班の隊員はレーザー照射で追尾する9M133コルネット対戦車ミサイルを屋上へ取り付ける。


これならM1A2戦車を狙い撃つ事が可能だ。


「ロジャー、これでいいよな?」


そこにはスラヴィニア共和国陸軍の制服を着ていないものが居た。


ロジャー・ヒッカース、元アメリカ陸軍の対戦車部隊。


現在は│PMC《民間軍事企業》に在籍。彼の入社した企業は「ブライネル・セキュリティカル」と呼ばれるPMCで、業界でも大手である。



軍事オフィサーとして現在彼は対戦車戦闘について教えている



「ああ、問題ない。第1攻撃終了後にコルネットを解体して下層階へ移動しRPG-7を撃て」




『トリニティー1からトリニティー2、ラヴィエスカが見えてきた』


『了解』



2台の戦車が舗装道を突き走る



『空軍さんはなにやってんだ?』


『まったくだね』



-同日20分前 エストニア米空軍基地-


「フォーブス1、フォーブス2、フォーブス3、ライオネル小隊離陸準備完了」


滑走路に米空軍制空戦闘機F-22ラプターコールサインフォーブスが3機、発進体制をとっていた



『こちら管制、離陸を許可する』



3機のF-22ラプターは一気に空へと躍り出る



『こちらトースタージョーキング(AWACS)、ただいまから貴機編隊(ライオネル小隊)の管制を任せられる。よろしく』


E-3セントリー早期警戒管制機はバルト海上空を飛行していた


バルト海にはスラヴィニア海軍のSAM搭載フリゲートが哨戒活動をしているため、E-3セントリーは高空かつエストニアよりで飛行をしている



PKOの海軍部隊はバルト海へ向かっているものの、まだ到着には至っていない。



『よろしくトースタージョーキング』


『よろしくぅ』


『よろしくお願いします』



ラプター3機にはジョン・ラトヴィッツ中佐(フォーブス1)、クリストル・スタックハウス大尉(フォーブス2)、アマーリア・ケンショー中尉(フォーブス3)


が搭乗していた。全員プロのパイロットだ。



『作戦行動を早めに行って欲しい。すでに現地にはコールサイントリニティー、M1A2小隊が入っている。現地の空中哨戒機は5機。F-22初のドッグファイトってわけだ。

飛行速度とデータから照らし合わせるとボギー(敵機)はMig-29ファルクラムだ。十分注意して欲しい。それから対空戦闘準備がなされているため、SAMにも警戒を怠らないでおくれ』



『コピー(了解)』




-現在時刻PM2:30-


『トリニティー1、空軍さんが登場するぞ』


『了解トリニティー2』




ラトヴィッツはIFF(敵味方識別信号)を送信した


『IFF反応なし、ボギーだ』


『コピー』


『コピー』



さて、どうするかな



ラトヴィッツは7年前の2003年にイラク空軍のミラージュF-1やMigを多数撃墜したエースだ



『全員FCS(火器管制)作動、敵航空機に注意』



レーダーには5つの機影がしっかり表示されていた






『カダーニャ2からカダーニャ5までの全機、敵航空部隊が空域へ入ったぞ』



Mig-29ファルクラムの小隊はカダーニャというコールサインだった



『雇い主のガゼル(対戦車ヘリ)を守らにゃならん。気を引き締めろ。機体は古いが近代改修されたコイツならフランカーにも遅れはとらん筈だ』



カダーニャ小隊、実は彼らも「PMC」の社員である


ロシア空軍出身者などで構成されており、腕もピカイチである





スラヴィニアは早期からPMCを戦争へ導入しており、人材不足を補っていた




『AIM-9発射準備完了』


ラトヴィッツはディスプレイに表示される文字を見た


『全員敵をロックオンできるようにしておけ』





ついに目視で確認できた



両軍の戦闘機は一斉に誘導ミサイルを発射する



『フレアフレアフレア!』



『フレア撒けっ!』




赤い発光体にミサイルは踊る



『もらいいいい!』



スタックハウスの機はM61A2機関砲が発射しやすいよう、ステルス性重視で装備されている開閉装置が取っ払ってあった。



ヴォオオオオ!と機関砲が唸る



Mig-29ファルクラム(記録ではこれはカダーニャ3)が被弾した



『カダーニャ3被弾!機器系統停止!機内に黒煙がッ!クソ!なにも・・・みえ!』


『カダーニャ3、落ち着け!』


『墜落す-』


爆音が空を震わす





『こちらフォーブス2、ファルクラム撃墜。あと4機』


サイドワインダーミサイルがフォーブス3より放たれた


『カダーニャ4!ロックオンされた!回避行動に入る!』


Mig-29ファルクラムはその旧式機ではありえない挙動を見せる。



ラトヴィッツは目を疑った



『なっ・・・!敵は近代改修をしたファルクラムだ、気をつけろ』





ビーッ!ビーッ!



ミサイルにロックオンされたのを知らすアラームがF-22フォーブス2機内に響く


『ロックオン!?』




フォーブス2は被弾した



『フォーブス2!応答しろ!』


ラトヴィッツの答え駆けむなしく、スタックハウスのF-22は針葉樹林へと突っ込んでいった




『ターゲットダウン。残り2機!』






フォーブス3、アマーリア・ケンショーは故郷の恋人を思い出す



彼女は自らの意思でこの戦地へと赴いた




『ラトヴィッツ中佐!後退しましょう!』



ラトヴィッツは言う



『俺を置いてゆけ。貴様は援軍を連れて来い!』


『し、しかしっ!』


『構うな!行け!行け!』





ラトヴィッツは手元のM61A2バルカン砲のスイッチを握った



ドドドド!とけたたましい砲声がMig-29ファルクラム カダーニャ2を打ち抜いた



『アメ公やりやがる』



カダーニャ小隊隊長マルコス・オルグレイブは死を覚悟した



『カダーニャ4、カダーニャ5!全員編隊を組み、一気に襲い掛かるぞ!』


『ダー!』




敵は編隊を組んできたか



ラトヴィッツの手袋の中は汗でまみれる



F-22の全兵装を持って叩き潰す




ラトヴィッツは複数目標を同時にロックし、残ったサイドワインダーなどを打ち込んだ




『カダーニャ4被弾スるっ!ぐぁああああ!』


『カダーニャ5ひだーガガガッガガ』




空域に残るはF-22とMig-29




"衝突”




2つの機体は空中で大爆発を起こした







「随分派手にやるもんだな」


ロジャー・ヒッカースはつぶやく



『フォーブス1ロスト。同時に敵哨戒機もロストした。フォーブス3、応答せよ。こちらトースタージョーキング。隊長は残念だった。


基地へ帰投せよ。』



『コピー・・・』






『トリニティー1、前進』



M1A2戦車、トリニティー1戦車長グスタファ・マーコウ陸軍中佐はキューポラから頭を覗かせて言う



「補修キットが間に合ってよかった」



M1A2戦車後部にはアクティブ防衛システム用の小型追尾ランチャーが取り付けてあった



「ヤード兵長、行くぞ」



キューポラを閉め、中へと引っ込んだ



ロジャー・ヒッカースは双眼鏡に写る迫り来る戦車の装備に驚いた


「アクティブ防衛システムだ?あんなもんあったらコルネット無駄だな。コワルスキー、来い」


第11対戦車攻撃班のコワルスキーはこのPMCの男にくっついていた。



ロジャー・ヒッカースは組し易いコイツを上層部との駆け引きによく使っている



「いいか、敵戦車はミサイル迎撃システムを搭載してる。地雷でもない限り壊せん。ボスラヴェキニの狙撃兵を二人要請しろ」


「はっ」




すぐに都市迷彩を着たボスラヴェキニ第3狙撃小隊第2班の隊員二人が駆けつけた。



スポッター(観測手)と狙撃兵だ



「よっし。いいか、1台目の戦車の砲塔後部についてるケースがわかるよな?」


「ダー」


「あれに伸びてる赤いケーブルは見えるか?」


「見えます」


「あれを撃ちぬけ」


「ダー」




てきぱきと二人は狙撃用意を始める



狙撃手、アンドレイ・ポコヴィッツ中尉が握る銃はダネルNTWと呼ばれる対物ライフルだ。


弾薬は14.5mm×114弾と呼ばれる大型弾薬を使用する。



スコープはドイツ製の光学スコープで、精度は高い



「距離はざっと計算して・・・500m、いけるか?」


ロジャー・ヒッカースが言うとアンドレイは


「打ち抜いて見せますよ」


と答える



「距離500、風向きは・・・西。風速はざっと10・・・」


アンドレイはスポッターの情報を元に、NTWのカールツァイス製スコープをいじる


「準備OK。いつでも」


ロジャー・ヒッカースは撃てと一言


「ダー」



引き金を絞るだけだった


ダァガァン!と大きな銃声と共に14.5mm弾は風の抵抗をあまり受けることなく、M1A2戦車のアクティブ防衛システムのコードを撃ちぬいた




「アクティブ防衛装置故障!」


「は?なんだって?ヤード兵長」


ヤード・スコッツェニー兵長はディスプレイを指差した


「見てください。オフラインになってます」



「コルネット、レーザー照射開始」


対戦車班の隊員はコルネット対戦車ミサイルの発射装置に取り付いた


「アゴーイ!(撃て)」


ミサイルは射出された



「ミサイル警報!」


M1A2戦車にはレーザー照準されたときになる警報装置がついている


「ミサイルに対して正面からぶつかるように動かせ!」


トリニティー1はミサイルによる損壊を減らすため、増加装甲されている前面をミサイルに対して向けた



「第2射発射」


ロジャー・ヒッカースの合図により、別の高層ビルに配置されていたコルネット部隊が撃った



「2発目来ますッ!」


「ナニッ!?」


グスタファ・マーコウ中佐は対処に困ってしまった


結果として、世界最強のM1A2MBTは2発のミサイルを受けて行動不能となってしまった




-コウロー山スラヴィニア空軍基地-


スラヴィニアは鉱山と同時に普通の山も数多くある。


そのひとつがこの「コウロー山」だ


全体が空軍基地の要塞となっており、山中は戦闘機の格納スペース及び弾薬庫、バンカーにパイロットが住む施設が併設されている。


空軍の防衛部隊も常駐する、スラヴィニアでも攻め落とせない陣地となっている



「ラヴェニズク・クラフチェンコから連絡です、少将」


「うん、見せて」


一人の軍人が、革張りのいすに座って報告書を読む


「ふーん、Su-25KMスコルピオーンの派遣要請?あのガキ身分わきまえてるのか」


ドミトリー・スパヴェノビッチ空軍少将


旧ソ連時代からスラヴィニア空軍に在籍し、冷戦時代には自身も戦闘機に乗っていた。


軍でハト派の一人の彼は戦闘機の出撃にすこし渋った


「・・・まぁ、いいか。出撃準備させろ」







戦闘は激しさを増してゆく


























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ