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Japan Force  作者: 坂崎紗葵
第1章スラヴィニア反乱
6/32

PKOMission

「総理、現地大使館から詳しい情報が」


「助かる、頼むよ」



緊急国防会議はマスコミに公表されることなく総理官邸でひそかに行われていた


防衛大臣が一枚のFAXをテーブルへ出した


「死傷者数の詳しい数が上がりました。まず大使館員30人のうち15人が死亡。残りも軽い怪我や重傷です。20人の民間人のうち10人が死亡、10人が怪我です」


総理はすこし考え


「実行犯は?」


そこに陸上自衛隊の緒方陸将が割って入った


「実行犯はスラヴィニア陸軍内の特殊作戦部隊ボスラヴェキニが有力視されています」


総理は聞き覚えのない隊名に質問をした


「SWATとかKGBとかじゃあないのかね?」


これだから平和ボケした総理は困る


緒方陸将は内心思いつつ、返答した


「ボスラヴェキニはCIAによると2001年設立された部隊で中国陸軍特殊部隊の訓練を受けているとのことです。戦闘力は


スラヴィニア陸軍を超えていると見られ、精鋭部隊です」


総理はふむ、と声を出すのみだった



「緒方君、報告を」


防衛大臣にせがまれ、緒方陸将はアタッシェケースから資料を出した


同時にスライド映像にその資料が映し出される



「スラヴィニア共和国は1991以降から軍事費が驚くべきスピードで上昇。原因はレアメタル鉱山発見と見られています。これは我々日本も加担したことに。


2000年に入り、軍部の影響力が大きくなり武器がどんどん購入されていました。


現状で分かっている車両ですが、CIAによればロシア製最新戦車が数十両、中国製戦車が数十輌、他にも旧式の戦車が数百台。


対空システムも優れたものが多く、スラヴィニアは小国ながら要塞国家として君臨できるレベルです」


総理が質問をする


「それで、自衛隊の派遣はどうすればいいのだ?」


緒方陸将は答えた



「今回もまた、米軍からの依頼です。PKOに参加しても意味が感じられないですね。ですが国民の一部からは反撃をすべきという声もあります」


総理はしばらく考え


「イラクでもPKOは物議をかもしたし、僕は派遣などまっぴらだね」


これだから弱腰は嫌なんだ


「50人近くの日本人が負傷しています。ここでPKFを派遣しなければわが国は完全なる戦争無関心国家になってしまいますぞ」


「それのなにがいけないのか?」


総理は平然と返す


「なっ・・・」


「日本はこれからもこれまでも、戦争国家ではないのだよ。すばらしき平和憲法に守られたエデンだよ、緒方君」




コイツじゃダメだ


切り札はないのか・・・




「そぉりぃ、それ、まずいんじゃないですかぁ?」



間の抜けた声が会議の空気を凍らせる



「おや、君は誰だね?」



黒いサングラスに黒のスーツ


気配が今までなかった


「僕?僕は陸上自衛隊中央情報隊の矢部1佐であります」


「ほぉ、スパイ風情が何用か?」



矢部1佐は1束のファイルを机に投げた



そして煙草に火をつけ、喋る


「それは僕がスラヴィニアで偵察した情報です。1日のラグがありますがね」



緒方がこの1佐を呼んだわけではなく、彼自身も驚いていた



ファイルには数枚の写真と書類が入っていた



「・・・!」



写真には黒い戦闘服姿の集団が会議をしている様子を捉えていた


腕章に


「ボスラヴェキニ・・・」


緒方はつぶやく


ボスラヴェキニの紋章であるダガーナイフが入った腕章を彼らはつけていた



「盗聴した内容はそれです」



と書類を指差す





司令官「新たな外国人標的は?」

兵員「標的はアルファチームとブラボーチームが選択をしました」

兵員「標的は駐スラヴィニア日本大使ヨシオ・サイトー。彼は明日、スラヴィニア国際空港から脱します。一部の日本人も一緒に」

司令官「他の外国人は?」

兵員「PKOに保護されていますね、日本は参加していないので狙えます」

司令官「よし、わかった」



「非常に短い会話文でしたが・・・非常に危険なないようですね、ふっふー」



そこに一人の男性が入ってきた


「君!会議中だぞ!」


財務省の大臣が叫ぶ



そして矢部に耳打ちをして立ち去った



「あーあ、早く動かないから」


総理が問う


「なにがあったんだ!」








「斉藤義男駐スラヴィニア大使と取り巻き、あと大使館を生き残った10人が死亡しました。死因ですけどね、飛行機をミサイルで撃ち落されたらしいですよ」



その場にいた誰もが凍りつく



「し、死んだ・・・!?」





「決めるっきゃないっしょ、総理」








「坂崎2曹、赤坂3曹、横田3曹、集合命令だ」



神部先輩がおれ達の部屋を訪れてそういう


「?集合っすか?」


俺が尋ねると先輩は


「ああ、なんでも一刻も早くということだ」



以前と対テロ行動後、司令官は辞任し、後任として佐竹山1佐が就任している。彼はタカ派として有名だ



「全員よく聞いて欲しい。先日の対テロ行動が鮮明に残っているだろうが、今度はPKOとして派遣が決定された」



会議室の隊員たちがざわめく


「場所はゴランですか?それともスーダン?」



一人の隊員が尋ねると



「違う」



と佐竹山1佐は答えた


「ではどこですか」




「スラヴィニア共和国」



さらにざわめく


「スラヴィニア?聞いたことないぞ」


「アフリカ?」


「いや、ヨーロッパじゃねーの?」






「スラヴィニア共和国は東ヨーロッパ、エストニアの東に位置する鉱山小国であります」




俺が発言者の方向を見ると、それは里中3尉だった



「正解、里中君」


佐竹山1佐が評価する



「我々はあくまでも後方支援だ。アメリカ軍の兵站及び物資路の確保が最優先。しかし現地では外国人狩りが横行しているため、日本大使館警備も行う。


もっていける武装は限られている。アサルトライフルやLMG(分隊支援火器)なら問題はないが、ロケット砲とかはちと交渉がいる。装甲車両も96式装輪装甲車が限度


だろう」


隊員達はおのおの納得し



「了解しました」



と答える





これが序章に過ぎないのは言うまでもない







「ポイント2、タンゴ5に支援砲撃要請。標的は戦車」


『Roger、ポイント2タンゴ5に空中警戒中の|ウォートホッグ《A-10サンダーボルトⅡ》を向かわせる」


「早く頼む」



『HQより|ホームベース《エストニア駐留米空軍基地》へ。地上交戦部隊がウォートホッグを要請。答えれるか?』


『こちら|ホームベース《エストニア駐留米空軍基地》、可能だ。座標は?』


『ポイント2、タンゴ5に戦車が1台』


『了解、数分後に花火をあげる』




『こちらホームべースよりアイシャロー1へ。地上軍が攻撃要請。標的は戦車1台。付近に友軍戦車無し』


『こちら|アイシャロー1《A-10サンダーボルトⅡ》、AGM-65の使用許可を要請する』


『許可する。現地部隊との無線をつなぐ、オーバー』




「こちらリチャード軍曹だ」


『こちらアイシャロー1。敵の数とレーザー照準を頼む』


「随伴歩兵が5名、戦車が1台だ。おそらく中国製。できるか?」


『チョロい』






アメリカ合衆国陸軍第75レンジャー連隊チョーク5 リチャード・ヴェルディーク2等軍曹


アメリカ合衆国テキサス生まれの27歳


若いレンジャー隊員ではない。


イラクやアフガンを生き抜いた男は、東欧にも出撃をした



彼がいるのはスラヴィニアの地方都市「スラッコー」


スラッコーは戦略的重要拠点なのだ


国境の町として盛んであり、エストニアと正式につながるのは唯一ここだけ。



レンジャーはスラッコーへ潜入し、ここの占領を遂行していた




リチャードの目の前で角ばった白い冬季迷彩の戦車は吹き飛ぶ


チョーク5の指揮を執る彼はスラッコーでも中心部へと突き進んでいた


「2等軍曹、今のでスラッコーの防衛隊最後の戦車です」


「了解だ上等兵」




スラッコーはレンジャー部隊が完全に制圧し、NATOの平和維持部隊が一気に国境を越えてきた



-2010年8月9日-


「軍曹、任務だ」


「はい」



アメリカ陸軍第75レンジャー連隊本部テント


「スラヴィニア軍の敗残兵がスラッコーより南へ2kmのところに集結している。CIAのUAV、リーパー42(MQ-9リーパー)の偵察によれば数は10~20。


APCが2台いるとの情報だ。制空権がその村は確保できていないから航空支援は不能だ。現にリーパー42は墜落している。君らのチョーク5で偵察、可能なら奇襲して欲しい」







「政府の発表によりますと、スラヴィニア内乱に巻き込まれなくなった邦人は60人以上、中には大使も含まれていると見られています。


これを受け、政府はPKO派遣を昨夜遅くに決定。陸上自衛隊1000人と航空自衛隊500人、海上自衛隊700人を現地へ派遣することを表明しました。


それでは紺屋尚内閣総理大臣の会見をご覧ください」



画面は一転し、国会にある会見場が映される



総理は重々しく口を開いた



「まず、今回亡くなられた方に哀悼の意を表明します。今回、国民への調査もなしにPKO派遣を決めたのには大きな理由があります。


ひとつに邦人の安全確保。すでに60人近い方が命を落とされています。


ふたつに日米安保に従った米軍への支援。これは戦闘的強力ではありません。物資輸送路の警備と輸送を担います」



記者からの質問があった


「違憲行為では!」


総理は返した


「イラク派遣のように特例法案を後に通しますが、一刻を争うため派遣を先にいたしました」




テレビがぷつんと切れる



「教官、私・・・」



大広間には物資を集めた隊員たちが集まっていた


これだけいても100人だ


「どうした?」


仲沢は顔色を悪くさせ


「怖いんです・・・嫌な予感しかしなくて」


俺は答える



「心配するな、俺が護ってやるさ」





トラックに全員乗り込み、小牧基地を目指す




1時間程度でトラックは到着し、小牧空港に駐機していたC-130輸送機に全員がつめられる




「ふぅ、緊張するな」


「はい」


俺と仲沢は隣同士に座る


フライトは10時間近くかかった



着陸したのはエストニア国際空港で、現場にはさまざまな国の国旗を装飾した輸送機が点在していた



「わぁ・・・すごい」



仲沢の口からそんな言葉が漏れる



おれ達はエストニアからスラヴィニアへ入るため、自衛隊の輸送トラックへと乗り込む。これはC-130に積まれて来た物だ



数時間で国境を越え、スラッコーという町に着いた



死臭がする



荷台の幌を開け、外に下りるとそこには数多くの死体が重なっていた



「ひっ!」


仲沢がおびえる



「ひでぇな、こりゃスラヴィニア陸軍の兵士だ」


赤坂がつぶやいた





自衛隊はスラッコーの町の片隅にテントを置き、1000人の隊員たちが入った




-8月11日 AM7時5分自衛隊到着から30分後-



『・・・ガ・・・お・・・と・・・ガー』



無線が途絶えた


「・・・ミルトン・・・ミルトン3等軍曹、どこだ」



ミルトンは応答しない


「くそ・・・キース、キース1等兵・・・?」



誰も反応してくれない



「クソッ・・・あし・・・足が」


材木が俺の脚に横たわり、酷く痛む



「誰か生きて・・・ないのか?」



「ぐ・・そう、ぐん・・・そう」



声が返ってきた


「誰だ・・・?」


「自分です、ロレンゾ上等兵であります」


「無事か」


「何とか・・・」



フランクリオン・ロレンゾ(19)


カンザス州生まれのイタリア系アメリカ人



「私も何とか・・・」


「アリシェルト伍長か!・・・お前は無事か」


アリシェルト・ウィッテ伍長、ボストン出身の女性レンジャー隊員


一拍置いて



「いや、そのおなかに大木が・・・痛みはないんですけど動けなくて。ロレンゾは?」


「俺は背中に木が・・・これだから針葉樹は嫌いだ」




事態があったのは8月10日PM11時20分


米陸軍第75レンジャー連隊チョーク5は2km離れた村をがけの上から偵察していた



「8月だと東欧も暑い・・・」


双眼鏡を覗きながらリチャード・ヴェルディーク2等軍曹はつぶやく



「夜なんですけどね」


とミルトン3等軍曹



「見えたぞ」



双眼鏡に映ったのは5,6人のスラヴィニア陸軍兵だった



「チョーク5からHQ、応答願う」


『こちらHQ』


「敵5人を視認した。まだいると思われる」


『対処は?』


「危険と判断する」


『了解、レーザースポットシステムSOFLAMを起動させて目標になりそうなものをロックオンしてくれ』


「了解」



リチャードは背負った袋から大型の機械、|SOFLAM《SOF Laser Marker》を取り出す



「状況を開始する」



SOFLAM越しには│APC《装甲兵員輸送車》が1台見えた



「よし、こいつをクラスター爆弾で吹っ飛ばそう」



ロックオンしたときだった



「│RPG!《対戦車ロケット弾》」


シューッと推進剤が燃える音がし、崖にぶち当たった



崖は崩れ、おれ達は土へと消えた




「クソッ、あれからどれだけたった?」


アリシェルト伍長が答えた


「5時間弱でしょうね・・・イツツ・・・」



「助け来るといいんですけど」



ヴェルディーク伍長のつぶやきが、ただ空を震わすだけだ






「先ほど米陸軍がこの先の村を制圧し、さらに向かっている。我々はそれに随伴して兵站を補給する」



指揮官の大和田1等陸尉が指示を出す



「全員89式小銃のセイフティをかけ、乗車せよ」



パチン、パチンと音を立ててセイフティをかける



高機動車が前衛を勤め、後衛に軽装甲機動車が入る。



俺達第2小隊は兵站輸送のトラックへ護衛として乗り込んだ



村に入ったところで銃声が響く



「おいっ、なんだ!?」



トラックの荷台に積まれた無線機がガーガーと音を出す



『スラヴィニア軍の攻撃、繰り返す攻撃。全員、応射はするな。繰り返す。応射するな』



タン、タタンと弾が突き抜ける



ピシュッと音を立て、どこかの小隊の1等陸士の腕に当たった



「イテェッ!うた、うたっ撃たれた!」


血がどくどくと流れる



「たすけ・・・死ぬっ、死んじまうッ!」



俺が動こうとしたとき、仲沢が医療パックを取り出した



「教官、手伝ってください」




俺は止血するため、動脈を抑える


そこへ仲沢は止血剤を貼る



腕には突き抜けた後があるから問題はない



「これで平気だけど、今日で帰国だね」



仲沢が告げると1等陸士はありがとう・・・ありがとうと言った



トラックは流石に進めなくなったのか、停車した



『射線上に出るな、繰り返す出るな・・・全員降車しトラックを護れ』



射撃許可は!



俺が叫ぶと無線は


『許可はないが、生命の危険を感じた場合は各個の判断で威嚇射撃せよ』



トラックを降りると銃撃戦というすさまじさを体感した



「全員降りろ!遮蔽物に身を隠すんだ!」


隊員たちがあわてて飛び降りる



夏の針葉樹林の山


あちこちに緑色の夏季迷彩に身を包んだ敵が見える



「全員撃て!当ててもいい!」



俺の指示で全員が撃ち始めた




俺が目をつけたのは山肌に折り敷いているスラヴィニア兵だった



奴はAKをこちらへ撃っている



スラヴィニア兵はグリーンのヘルメットと緑の防弾アーマーをつけていた


俺は無難に胴を撃つ


一射撃で奴は倒れた



隣で│M249《分隊支援火器》が火を吹く



空薬莢が散乱する



一連の動作に俺は戦場へ来てしまったという念を抱いた



隣では仲沢が89式小銃をパンパンと撃つ



「第2小隊、前へ!」


楢木隊長の声にあわせ、隊員数人が歩き始めた。俺も従って仲沢の方を叩いて進ませる



「吉山曹長!そっちは右の建物!私は中央!坂崎は左の土手へ回りこめ!」



俺は向かって左側の山道へと走った


死角だ。敵は気づいていない



俺には池田一士と仲沢がついてきていた



「怪我ないか、二人とも」


「ないっす!」


「ないです」



「よし」



しばらく歩くとがけが崩れているのに気がついた



「?」



あまりにも不自然だった。こう、崩れたてというか



敵までは100mといったところか



「坂崎2曹、あれ!」


池田一士の声に反応した俺は振り向いた



彼が指差す先には事切れていると見られるアメリカ兵の姿があった





「死んでるな・・・」


首筋に人差し指と中指を当てて脈を計ったがない。体温も失われている




「きょ、教官!生きてる人いますッ!」


右から仲沢があわてた様子で走ってきた


「どこだ」




俺が走っていくと一人のアメリカ兵が大木に足を挟まれて脂汗をかいて倒れていた


|「Help me. I pinched the leg immobile. Please.」《助けてくれ。足を挟まれて動けない・・・頼む》


男のアメリカ兵は英語で告げる



「足が挟まれて動けないか・・・池田、手を貸せ」



俺と池田で針葉樹を持ち上げ、仲沢はアメリカ兵を引っ張り出した



|「Huh!・・・Survived, thank you」《ふぅ!・・・助かった、ありがとう》


│「YourWellcome」《どういたしまして》


俺はそう告げた



アメリカ兵は辺りを見回し



|「Where's my colleagues? Not seen?」《俺の仲間はどこだ?見てないか?》



|「Sorry,Ican'SpeakEnglish」《すまない、俺は英語が得意ではない》


俺はあまり英語が出来ない


そう答えざるをえなかった



|「Oh...Shit...Please」《そんな・・・くそ、頼む》



その時、左足を誰かに掴まれた



見ると誰かの手があった



木に隠れていたんだ


しゃがむとそこにはアメリカ兵がまだ居た。奥に二人見える



「おい、お前の仲間だ!」


俺がジェスチャーで伝えると彼はその草陰を見て


|「Lorenzo!!Arisheruto!!」《ロレンゾ!アリシェルト!》




数分で男女のアメリカ兵を引きずり出すことに成功した




戦闘はいつの間にか終わり、自衛隊はその村の警備を命ぜられていた




|「Hun・・・?YouareJapanese?」《ふぅ?、お前日本人か?》


隊長格らしきアメリカ兵が俺に問うので


「Yes」


と反応する



すると男は女の隊員と話して



「それはよかった。私日本留学経験があるんです」


女が流暢な日本語を話した




「我々はアメリカ陸軍第75レンジャー連隊チョーク5です。私はアリシェルト・ウィッテ伍長で、彼がフランクリオン・ロレンゾ上等兵、彼がリチャード・ヴェルディーク2等軍曹です」


俺は答える


「ウィッテ伍長、君に通訳を任せても?」


すると彼女は



「はい、大丈夫です」


「じゃあ、俺は陸上自衛隊第10師団の坂崎2等陸曹だ。そっちのガキは池田一士、そこのは仲沢一士」



すこしの間をおいて彼女は向こうのヴェルディーク軍曹に相談した



「我々は感謝しています。もしよろしければ、救護テントまで連れて行ってくれませんか?」








この出会いは俺の人生に深いものを残すこととなった












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