表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Japan Force  作者: 坂崎紗葵
第1章スラヴィニア反乱
4/32

すべては終わり

※この回から恋愛成分濃い目です


すべて順調だった


「なんで自衛隊が銃ぶっ放すんだ、クソッ!」



喜美谷は後部座席で悪態をついた



小島はすでに腹を据えているようだ



四方村はまだ逃げる気でいる



無理だ、UH-1が追跡してる







「いいか仲沢、よく狙え・・・しっかりと」



俺は仲沢に耳打ちをした



「はいっ・・・」



ヘリの床に寝そべり、89式小銃を構える



「撃て」




ダンッ!ダンッ!



ハイエースに弾は当たらない



「仲沢、落ち着くんだ」



彼女は答えた



「む、無理です・・・わたしには」




俺は彼女の横に座り、腕を押さえる


「動かすなよ」




彼女は腕を引き締め、銃を握りなおす



「深呼吸、深呼吸」



彼女はゆっくり呼吸をした



「当たって・・・」




ダンッ!ダンッ!ダンッ!













「がっ!?」



運転席の四方村が苦痛の声を上げ、ハンドルを手放した



急激にハンドルが動き、ハイエースは横転をする



「よ、四方村ッ!大丈夫か!?」


喜美谷は衝撃で額を切った。そこを押さえながら聞くが、反応はない



「四方村ッ!ヨモムラァッ!」





「終わったな」


小島勲は重々しく告げる



「何がだ!」




「全てがだよ。我々は終わった。赤軍はもはや過去の遺物・・・私は帰るべきではなかったのだ」



喜美谷は怒りのあまり腰に下げていたシグザウエルP226を小島に突きつけた



「俺は終わらない!生き抜いて全てをぶっ壊してやる!」



小島は片手でシグザウエルP226の銃身を握って奪い取った



「なっ、撃つなら撃てよ!60年代の亡霊が!」






小島は迷わず自らのこめかみを撃ちぬいた





「へっ・・・へへ・・・へ!俺は生き抜いてやるんだ!このクソッタレな世界を!ぶっ壊してやるんだよ!」




喜美谷がハイエースから這い出したときに見たのは





陸上自衛隊の編上靴だった




「動くな」




車内で小島と喜美谷が死闘をしているうちにUH-1は悠々と着陸していたのだ




坂崎修一は89式5.56mm小銃を構え、四つん這いになっている男の背中に狙いをつけた



「動けば撃つ」




喜美谷はどうすることも出来なかった













-2日後-


「事件はどうなったか知ってるか?」


「いえ」


「警察の件は共同訓練中の事故扱いだそうだ。機動隊の件も含めてな。訓練に用意した燃料に引火し、機動隊員、警察官、SATが巻き込まれたってさ。


爆風でヘリが墜落とまあ無茶苦茶の裏づけだそうだ」


「そんなんで報道がうんといいましたね」


「片っ端から圧力かけたらしいぞ。自衛隊は動いてないことになってるしなあ」


「ええ・・・」


「大丈夫だよ、仲沢。お前の腕は俺がよく分かってる」


「えっ・・・ありがとう・・・ございます」







「昨日移送されてきた小島勲死刑囚は移動途中に心筋梗塞で死亡し・・・」



「先日の愛知県警合同訓練で殉職された警察官は述べ50人で、負傷者数は15人・・・また、爆発によってヘリが墜落し・・・・」






「キリキリ歩け」


「クソッ!」



-キューバ グアンタナモ基地-


「囚人番号75289番、キミタニ。ようこそ、われらが収容所へ」






-7月15日 夜 女性自衛官寮-



「ねえ、凛」


「なにー?ナナ」






「あんた坂崎2曹に惚れてるでしょ」



私は飲んでいた炭酸のオレンジジュースを吹きだした



「ごふっ、ごはっ・・・ナナ、いきなり何を・・・」


ナナこと七宮は普通に言った



「だって目で追っかけてるじゃん」


「うっ」



図星だった



射撃の手伝いをしてもらったときからだろうか



彼、教官が近くにいると胸がドキドキする



どくんどくんなんて私なんでこんなおと出すのみたいな



「まあカッコイイっちゃかっこいいけど、気づかないよ?ちゃんといってあげないと」



「えっ・・・でも・・・」



「ああ見えてアノ人恋愛経験ないよ、そんなに。にっぶいしさー」


「な、なんで分かるの?」


「感よ、感。女の」






「へっくしゅ・・・」


「おい、修一、風邪か?」


「ああ・・・分からん」





「でもどうすればいいの・・・?」


私はナナに恋愛相談をしていた




「そうねー、ああ・・・7月のお盆休み(第10師団はお盆に長期演習日程を組んでいるため、お盆休みが前倒しされている)の休暇旅行あるじゃん?」


「うん、2泊3日岐阜県郡上八幡・・・」



7月23日(金)から7月25日(日)を予定している。



「そん時に私が時間つくってあげる。だから頑張りなさいよ?」


「えっでも・・・」


「でももくそもなーい!」


と机をばしんと叩くナナ



「ナナ、そこまでにしといたら?」



と寝転がっていた加藤陸士長



「加藤陸士長こそ空自の1等空尉とどうなったんですかぁ?」


「ぶっ!?あっ、あんたなんでそれを!」




ナナは地獄耳だった・・・







「そういえば修一」


「?どうした、赤坂」


「お前、仲沢のこと気にかけすぎじゃないか?」


「・・・あ?」



俺は意味が分からなかった


「気にかけすぎって、かけすぎちゃだめなのか」


「いや、妙な誤解とかさせてるんじゃねえかなって」


「?」


「マジでお前は鈍いクソ野郎だな」








-7月22日(木)夜9時 陸上自衛隊守山駐屯地女性自衛官寮-


「こんなもんかなあ」


私は旅行の支度を終えた






「ピンクのランジェリーってアンタ勝負下着?やるわね」


「ひゃああああ!」



私の後ろにはナナが居た



「流石に私そこまで手配できないわよ」


「そ、そんなこと思ってませんッ!そ、そんなエッチな事!」


「アンタいつの子よ。私なんか中2で卒業だけど?加藤士長は?」



加藤士長が驚いた


「うぇっ・・・わ・・・私はまだ」


「えっ、まじっすか?」



加藤士長がたじろぐ


「いやっ・・・私・・・その・・・」


モジモジしてしまう士長はなんかかわいかった


「まあいいけど・・・凛はまだ・・・よね?」


「う・・・うん」


キスもしたことないです




私は恥ずかしさを紛らわすため、外の自動販売機に向かった






「喉が渇くな・・・」


7月も中旬だ




暑くて俺は目が覚めた



「修一、俺のも頼むわ」


と赤坂


「人使うんじゃねえ、バーカ」


俺は寮の外の自販機に向かった





外に出ると女子寮からも人影が見えた



月明かりにあったのは仲沢だった



「よぅ、仲沢」



俺が声をかけると向こうは



「あっ・・・えと・・・こんばんは」


と返した





「お前も飲み物か?」


と聞くと


「はい・・・」


と答える



「よし、何を買うんだ?おごるよ」


すると向こうは


「いっ、いえ!お金・・・ありますし」


「気にするな、好意に甘えてくれたっていいだろ」


と、俺は仲沢の頭にぽんと手を置いた



「は・・・はい」



「それで、何飲みたいんだ」


彼女は自販機を眺め、お茶のボトルを指差した



「これでいいのか」


と俺が言うと彼女は



「はい」



と、答えた



俺は500円玉を取り出して投入口にいれ、お茶と紅茶を出した



つり銭を受け取り、スウェットのポケットへ仕舞う。






「おいしいな」


「おいしいです」



夜空のした、坂崎教官に貰ったお茶を一口、二口と私は飲んでいた


「明日は旅行だぞ。しっかり寝て置けよ」



そう彼は言い残し、後にした






「な、なんで席が一緒に!?」


私の隣、バスの席だが坂崎教官だった



「私のパワーよ」



とナナがへらへらしながら入ってきた








「お、お前・・・とな・・・・り・・・まあ、いいや」


教官はすこし動揺していたが、私も動揺している



1時間程度走ったあたり、私はうとうとしてきた



「ん・・・」



がくんと頭が下がる



「仲沢、寝るなら寝ておけ」



横から声が聞こえる・・・だれ・・・だっけ


私は思わず右横へ倒れてしまう



「お、おい仲沢!?大丈夫か?」



聞かれた



「はい・・・大丈夫・・・です」




私はそのまま寝てしまったようだ






「んぅ・・・」



頭が固くもなくやわらかいものが包んでいる



目の前には顎があった


よくみるとそれは紛れもない坂崎教官だった


「いっ!?教官ッ!?」


思い切り立ち上がったがために頭頂部が教官の顎にクリティカルヒットした


「あだっ!?」


「いたぁっ!?」




「お前突然倒れてきて・・・しかも顎に頭頂部ぶつけるって、殺す気か!」


「しゅみましぇええん・・・・」


「・・・ところで、頭は大丈夫か?」


「えと・・・はい」




サービスエリアで私はそんな会話をした







「なんでお前と行動が同じなんだ?」


「さぁ・・・?」



ナナの手回しは異常で、町の散策も同じだった




ただ何をすることも出来ず、その日は終わってしまった




ホテルの部屋は同じではないのだが、ナナは明日に期待しろという




何が待っているんだろう




私はすこし期待しつつ夢の中へいざなわれた














評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ