日本の新たな歩み方
国境紛争集結
韓国海軍の行動は全世界へ配信され、日本の海軍力の強さが世界へ知れ渡る。
同盟国間の戦闘で「日韓基本条約」は破棄され、国家間の友好はもちろんのこと断絶した。
在韓米軍は最大同盟国日本への攻撃をした韓国領土から最低限の兵力(海兵隊の一部と航空部隊数機)を残して撤収を開始した。
さらに韓国牽制のため、撤収した兵力を日本海側へ展開した。
国内では戦果に歓喜し、日本の防衛が確立されたことを喜んだ。
-11月5日 午後7時 竹島上空-
「チョン・ミジョン大尉、コレから先は大尉が飛行隊を指揮してください」
『了解』
「日本に爆撃してやってください」
チョン・ミジョン大尉以下10機の編隊は竹島の低空域に入る。
自衛隊のレーダー網をかいくぐるためだ。
「こちらオイルタンカー、給油完了。レーダー情報によれば作戦ルートを通ればイージス艦のレーダーにはかからない」
『了解!』
チョン・ミジョンは在日韓国人だった。
10年前に帰国し軍へ。
エースパイロットとして韓国空軍にいた。
(日本攻撃は俺の夢だ。誰にも譲らん)
愛機のF-15Kは絶好調だった。
(今日はいつになくいい)
『大尉、我々護衛隊が援護しますので存分に攻撃を!』
「ありがとうホ少尉!」
KF-16になど最初から期待はしていない。マルチロールファイターがF-15Jに勝てるか。
俺のF-15KのAMRAAMこそが連中を叩き潰せる。
-午後7時30分 福岡県築城基地第8航空団スクランブルハンガー-
「レーダーに機影を捕捉。スクランブル、スクランブル。敵機数21。スクランブル」
F-2戦闘機2機は迎撃に飛び立つ。
『こちら築城基地の吉村(司令)だ。侵犯機は間違いなく韓国空軍機だ。先ほどAWACSが捉えた』
「迎撃許可は?」
『戦時だ。撃ち落せ』
「了解」
『今基地からF-15Jが離陸準備中だ。頑張ってこい』
航空自衛隊のF-2はレーダーに敵を捉える。
「敵が出たな。F-15KとF-4、KF-16か。AAM-4安全装置解除。発射」
2機のF-2がロックオンした機体にミサイルを放つ。
『敵がミサイルを発射!』
『フレアめいいっぱい使え!』
『やばー』
護衛機であるはずのKF-16がまっさきに迎撃された。
「使えんな!どけ!」
チョン・ミジョンは自慢のAMRAAMを撃った。
「AMRAAMか、余裕!」
空自隊員は見事な旋回技術とフレアを用いて避ける
僚機の隊員は冷や汗をかく
「あぶねえー・・・仕返しだっつって!」
AAMフル装備のF-2は2波攻撃を開始した。
『うわやばーーー』
F-4に命中したAAM4は後続機のF-4を5機を巻き込んだ。
更に誘爆し、F-4部隊は全滅。
「ド素人かお前ら!ええい、行くぞ!」
「まだくるか。F-15まだ?さすがにキツイ」
「そう言うな。3発目!」
3発目のミサイルはKF-16を破壊する。
「F-15Kには当たらねーかー・・・」
「ミサイル弾切れ~。F-15J部隊は?」
『こちらF-15Jの村木。戦線交代だ』
「よーし、敵は残機・・・ええと、10機くらい」
『お疲れさん。あとは任せてくれ』
F-15Jは後退するF-2を追い抜く。
10分後、F-15J3機の一方的な攻撃で戦闘は終わった。
『総計10機迎撃完了。海面に複数のパイロットが見受けられる。救助艇を』
10分以内に待機していたはたかぜ型護衛艦はたかぜが到着、内火艇でパイロットを回収した。
しかしそこに「チョン・ミジョン大尉」と後部座席要員の姿はなかった。
-同日11月5日午後11時 福岡県海岸沿い-
爆発音は街を轟かせた。
11月3日の巡航ミサイル攻撃により福岡県内では避難命令が出ており、街には誰もいなかった。
海岸にはF-15Kが突き刺さっていた。
「く・・・ソ」
チョン・ミジョン大尉は海岸を歩く。
彼の後部座席要員は不時着の衝撃で死んだ。
「日本人!出てこい!」
レーダーに突如現れた機影を確認した陸上自衛隊は市内から斥候隊を向かわせた。
偵察バイクに乗り込んだ陸自隊員2名は海岸へ向かう。
「おい、黒煙だ。不時着か」
バイクの音でうるさいが、個人間のインカムによって会話は成立した。
「ああ、そういや何時間か前かに侵入機1機取り逃がしたって報告が来てた。韓国軍だと思う」
海岸の防波堤にバイクを止め、89式小銃を肩から下ろした。
「誰かいるな」
陸自隊員二人は小走りで浜辺へ降りた。
「動くな!!!」
隊員二人はボロボロのパイロットスーツを着た男に銃を向けた。
「와하하하은! 겨우 온지 쪽바리!」
陸自隊員には何を言っているか理解は出来なかったが、相手が韓国人であることを理解した。
男はK-5拳銃を手にした。
陸自隊員は即座に彼を撃ちぬく。
戦闘爆撃機隊21機迎撃はすぐさま世界ネットで放送され日本の強さはさらにアピールされた。
韓国軍は状況の回復に必死だった。
ひっ迫する財政を軍事力で回復しようとしたのが間違えであった。
韓国陸軍は日本への送兵方法を考えたものの、すべてが日本の防空網や制海権で破壊されるのは目に見えていた。
米軍部隊は残留部隊を完全に撤収した。
アジア圏における基地放棄ということではあったが、米軍は日本海沖へと向かう。
一方日本は拿捕した独島級強襲揚陸艦を接収し、ドックで改築を開始した。
世宗大王級駆逐艦は損害がひどかったために韓国海軍に武装解除の上で引き渡した。
韓国のウォン売は凄まじく、世界からの輸送が停止した。
サムジン電気等日本に出店していた店舗は本国の送金凍結により瓦解、日本国内で韓国製品が完全にシャットアウトされた。
戦争の激化が予想されたため、日本人の帰国が始まったが大韓航空が日本人の運送を拒否したことに始まる日本人収容計画が韓国政府によって開始され「人質」となった。
韓国政府はあとに引けなくなった。
そして一斉一台にして最悪な作戦を計画した。
11月7日、韓国政府は一部の日本人の返還を開始すると発表し、大韓航空機B747ジャンボジェットによる一斉送還を提示した。
11月8日、一時休戦の約束のもと大韓航空機2機が飛び立った。
機内に積まれていたのは日本人ではなく完全装備の韓国陸軍特殊戦司令部所属特殊作戦旅団「ブラックベレー」2機総計200人だった。
彼らは空挺部隊であり、日本国内に安全に接近して空挺作戦を仕掛ける気で居た。
B747は日本の領空へ入ったあと、予想外の事態に見舞われた。
『こちらは日本国航空自衛隊。只今より空港までエスコートします』
自衛隊の制空戦闘機F-15J改3機がB747を取り囲む。
「これじゃ攻撃ができない!」
「こうなれば強制攻撃だ。日本本土のどの地点に降下する?本来は東京近郊だったが」
「あー、降下できそうなのは・・・京都。京都だ」
「よし」
-午前11時20分 日本 京都上空-
「降下だっ!」
B747のドアが開け払われた。
高高度降下作戦、成功率は低いのだが韓国軍にしては自称ではない強さを誇るブラックベレー隊は損害率をリアルに計算し、200人中50名の死亡を見込んでいる。
しかしそれは自衛隊機のエスコートを計算に入れてはいなかった。
ドアが開かれ、隊員たちがひとりひとり飛び降りる。
空自隊員は肝を潰した。
『ストーム1から本隊!大韓民国機から空挺部隊が降りている!』
『なんだと?』
『兵隊が飛び降りてる!降下作戦している!』
『直ちに威嚇射撃を加えろ』
『Roger!』
F-15J改はJM61バルカン砲を大韓航空機の前方へ射撃した。
曳光弾での射撃は見えているはずだ。
『止まらない!』
『機体への攻撃は注意しろ』
『了解、しかし京都市内へ兵士が降りている。陸自の展開を要請する』
『わかった。B747のエンジン部への銃撃を許可する』
『了解』
F-15J改は4発あるエンジンのうち右側の一番外側を撃った。
2機ともだ。
「日本軍の攻撃です!」
「降下を早めるんだ!」
大韓航空機の動き方はまさに軍の動き方だった。
『民間人地区を抜けた!撃墜許可をください!』
『・・・迎撃許可!』
司令部の命令によりF-15J改はコックピットを射撃した。
2機のB747は被弾した衝撃で黒煙を吹いた。
しかし降下兵の降下を止めれず、150人が空へ飛んだ。
-午前11時35分 京都府京都市-
「御池通に軍隊がおりてるのが見える!」
緊急出動した所轄の警察官たちは降りてくる軍人に驚いた。
彼らの展開は早く、パラシュートをたたむと警察官への攻撃を開始した。
「京都より警ら中のPCへ継ぐ。現在韓国軍のゲリコマが京都市役所を中心に出現。PM拳銃使用許可を出すため、民間人への誤射を避けてこれを制圧せよ」
空挺部隊降下の知らせを受けた京都府桂駐屯地の部隊は直ちに武装を展開し(後方支援隊のため、64式小銃がメイン)市内へ向かった。
『セクター1に兵隊を確認!』
陸自の到着を待たず、韓国軍ブラックベレー部隊の侵攻は早かった。
市役所を制圧後、ベレー部隊は10名ずつの集団を組んで碁盤目状の京都市内を区画ごとに制圧し始めた。
市内の警察官たちは一方的自動小銃火力により鎮圧されてしまった。
陸上自衛隊は午後12時21分に市内へ入った。
「第1班から第2班まではここから4KM圏内を制圧!第3班から第7班は市役所を奪還せよ!」
70名の隊員はこちらも10名スクラムを組み、区画の奪還に乗り出した。
「敵発見、射撃開始!」
第1班の陸自隊員はトラックを盾にして射撃を開始した。
-桂駐屯地司令部-
「第1班、韓国軍と交戦開始」
『こちら1班山本!敵の火力攻撃が凄まじい!』
「第2班交戦開始」
『2班の祖父江です!敵の軽機関銃攻撃が・・・うわああ!』
「第2班班長祖父江真司2等陸曹バイタル停止。KIA、KIA!」
本部の70名分の体調が表示されているコンピュータの一つから明かりが消えた。
「さ、3班班員全員のバイタルが停止!なにがあった!」
『こちら第4班枕木!第3班の展開方面で対戦車火器が使用された!』
「第5班三島澤行1等陸尉バイタル停止!」
「第4班2名バイタル停止!」
「何が起こってるんだ!」
第1班は何とかして生き残っていた。
第1班の冴島昭二1等陸曹は64式小銃に弾を装填し、敵を撃った。
「援護は!援護はまだか!」
陸上自衛隊はエスコート機のF-15J改を呼び戻し、機銃掃射を要請した。
「こちら第1班山本!航空支援要請!」
『こちらストーム1!了解!スモークを炊いてくれ!』
陸自隊員は発煙弾で敵の位置を示した。
『了解!』
F-15J改は一気に降下し、JM61を発射した。
「区画制圧確認!」
『F-2支援攻撃機の空域への到着を確認』
F-2は対地攻撃キットを装備していた。
「建築物の破壊を制限されてるとはいえ、炸薬量の少ない模擬弾とはね」
「殺傷力は十分だ」
F-2により空爆が開始されると韓国軍は下水へ潜った。
制圧にはこれより2ヶ月かかることとなった。
日本への空挺降下により韓国国内は勝利に沸いた。
日本の古都への成功というだけあってだ。
もちろん民間機を使用した偽装降下作戦は世界で批判されたのも事実だった。
軍備力を南へ集積した韓国軍は潜水艦による大規模侵攻作戦を計画した。
しかし予想外の事態が起こった。
-11月15日 南北国境地帯における武力抗争勃発-
北朝鮮軍は薄くなっていた防衛戦を突破し、韓国への進軍を開始した。
世界でもこれは予測できていなかった事態だった。
韓国側は日本へ差し向けた部隊を着たとの小競り合いに集中させることになった。
したがって韓国は日本との戦闘に余力がなくなり、休戦協定を要請した。
日本はこの提案を蹴り、終戦合意を求めた。
陸自隊員が20名以上殉職し、官民合わせ100人の犠牲が出た戦闘は以外にも早く終結した。
日本は戦闘集結を皮切りに第9条交戦権をもたないという条目を復帰させた。
同時に武器輸出三原則を改定し、同盟国への輸出を許可した。
台湾はすぐに連絡を取り、F-2を発注した。
日本の歩み方が変わる。
無茶に締めすぎたこと後悔します。
次回からはエロ要素が入り込んできますかもですので、注意してください。