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Japan Force  作者: 坂崎紗葵
第2章国境紛争
19/32

星降る夜

新宿武力抗争事件より4日後


-日本 防衛省中央情報隊-


「矢部1佐、衛星入りました」


「よしよし・・・おーあー・・・来てるな」



中央情報隊はアメリカ政府経由での衛星利用を行い情報を収集していた。


衛星が写しているのは竹島沖


「規模は・・・あー、世宗大王級駆逐艦だな旗艦は・・・おうおう”竹島”級もか。こいつらの目的地は?」


局員が応対する


「無線の傍受内容によれば竹島です。国内では緊急な軍事演習としていますが、完全武装のイージス艦です」


「あー、自衛隊出動への反応か。だから言ったんだ、やめろってさー」


局員は矢部の反応に返答する


「ええ。デフコンかけますか?」


「デフコン3ってとこ-」


衛星はライブ映像で、矢部1佐は世宗大王級駆逐艦の放った光を見た。



「おおおい!?ミサイル撃ったぞ!」


「J/FPS-5(レーダーサイト)でもミサイルを捕捉!種類は天竜型巡航ミサイル。飛距離1500km。攻撃予定地は・・・島根県!」


「海自のイージスに対空防衛を要請しろ。島根の陸自の高射部隊にもだ!」


「島根には高射部隊が存在しません!海自も現在展開できていません!」


矢部1佐は焦った


「ええいこれだから平和ボケ国家なんだ!・・・ん?この表示は・・・」


彼は布陣図に目を移した


「こいつはアメリカ海軍のシャイローか」


「あ、はい!BMD任務についています」


「情報を送れ。迎撃に当たらせろ」




-竹島沖100km 世宗大王級駆逐艦-


「巡航ミサイル、予定通り島根県へ向かいます」


「これは我々の行動力だ。敵にダメージを与えるんだ」


-日本海 島根県沖400km アメリカ海軍タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「シャイロー」-


「日本国内よりミサイル情報。巡航ミサイルですね」


「韓国か」


「そのようです」


「ああ、クソッ。西側同士で・・・VLSを第1から第4セルまで使ってSM-2で迎撃しろ」




前方のVLSセルから4発の艦対空ミサイルSM-2が発射された。



ミサイル4発は発射された巡航ミサイルを迎撃した。


「日本へ連絡。迎撃成功」



-日本 東京都霞が関総理官邸-


「韓国海軍が先ほど島根へミサイルを撃ちました。アメリカ海軍が迎撃したものの我々への攻撃に変わりありません」


防衛大臣の報告に総理は


「上等じゃあないか。アメリカはなにか言ってきたか?」


「アメリカ側からは韓国海軍への警戒を怠るなと。それと同胞への攻撃ということで現在韓国へ抗議中です」


「受け入れんだろう、あの土民は」


と総理。


「とりあえず海上自衛隊を日本海沖へ集結させています」


「マスコミは」


「いえ、しかし時間の問題かと・・・」




-同日(11/3)午後4時愛知県名古屋市守山区守山駐屯地-


「あうー・・・疲れた」


仲沢凛は日々の疲れを癒すため、基地の浴場で汗を流していた。


「りーんっ!」


「ひゃああ!?」


ナナが後ろからわたしに抱きついた。無論裸で。


「ちょ、どこさわっ」


ナナはわたしの両胸をもんできた。


「サイズB!」


「うるさいっ!」


「教官とはどこまでやったのさー?」


わたしは顔が真っ赤になった。


「あれ・・・もしかして・・・まだ?付き合って3週間近いよ?」


「・・・ほ、ほっぺにチュー・・・」


するとナナはわたしから離れて隣りに座った。


「はー・・・奥手ねえ、ふたりとも」


「ふ、普通じゃない?」


わたしの言葉にナナは驚き


「じゃなーい!」


と、あるゲームのセリフを言いながら切れた。


「あーもう、キスっつーかもうエッチしちゃえよ!初めてじゃないでしょー?」


「・・・・」


「・・・まさか処じ-」


「わぁあああああ!しーっ!しいいいっ!」


私は慌てるあまりナナの口を手で覆った


「わかっ、わかったわよ!にしても遅すぎるわよ・・・」


「そんなことないし・‥・だってまだ18・・・」


「遅いって。早いバカは14で終わったりするし」


私はそんなこと考えるだけで体が熱くなるのを感じた。


「・・・頑張る」





「坂崎2曹、抜け駆けですか!」


「うるさいバカ」


俺は池田の執拗なまでの口撃に悩まされていた


「なんで同期から持ってくんですかー!」


「可愛いからだ、だから黙ってろ」


「ちぇー!」



俺と仲沢の中は誰かがばらしたのか、とんでもない勢いで駐屯地内に広がりこの間は楢木隊長にまで祝福されてしまった。


「誰だよ、全く」





-島根県竹島沖 韓国海軍日本侵略部隊「일출 무단 나라 침몰」(日の本の国沈没)艦隊-


「第1波攻撃は序章に過ぎん。第2セルから第20セルまでの天竜を使用しろ」


「忠誠!」




光の筋は大量に天高く舞い上がった。




-日本 防衛省韓国対策課-


「世宗大王級駆逐艦が再度攻撃を開始!イージス艦は対応に当たれ!」



-島根県沿岸 DDG-175イージス艦みょうこう-


「目標情報が転送されました。イージスシステム、7割のミサイルを補足しました!おそらく目的地は九州!」


「残りは!」


「システム不備により追尾不能です!」


CICは焦りはしていたが対応は正確だった。


「こちら海上自衛隊みょうこう、陸自の第2高射群につないでくれ」


『こちら第2高射群』


「ミサイル3割を補足できていない。地対空ミサイルでの迎撃を要請する」


『了解』




「イージスモード完全展開、ミサイルの数は19発!目的地は福岡特定!」


「7割迎撃可能です。命令を」


「迎撃!」


「了解!攻撃準備・・・発射!」




みょうこうは艦前方のVLSユニットからSM-2ミサイルを発射した。



「・・・命中・・・19発中15発迎撃!4発本艦上空を通過します!」


4発のミサイルはみょうこうの上空を通過した。



-福岡県 航空自衛隊芦屋基地-


「PAC-3の防衛システムが目標捕捉」


「全自動モードで迎撃しろ」


「了解!発射します」



PAC-3ミサイルは発射機から放たれる。


トレーラーが揺れる。




「・・・3発迎撃!1発外しました!!!!」

「対空砲は-!」


「ああ・・・なんてことだ!!!!」




天竜型巡航ミサイルは福岡市内へ着弾し、爆発した。






「私は日本国民へ報告をしなければなりません。本日午後4時頃、大韓民国海軍は1発のミサイルを我が国へ撃ちました。ミサイルはアメリカ海軍の協力により排除しましたが、


本日午後10時頃、韓国海軍は19発のミサイルを我が国へ撃ちました。解除自衛隊および陸上自衛隊の努力むなしく1発のミサイルが福岡県福岡市に命中、国民が40名死亡するという事態へ陥りました。


戦後60年、我が国はこれまで周辺国家に脅かされながらも平和的国家を築いてきました。今回の攻撃は我々の平和主義を変えさせるものであります。


韓国側からは正式な「宣戦布告」を国連経由で受けております。しかし現在の法令では自衛隊に攻撃を仕掛けることはできません。すべてを受けるしかないのです。


現在憲法改正案を作成中であり、明日の午後2時に国民による憲法改正の賛否を問う選挙を各地の施設で行います。」



首相の緊急会見は日本国内に激震をもたらした。


戦争は違憲行為であり大日本帝國思想を再びもたらすものだと糾弾する左翼とプロ市民。


軍備拡充と韓国侵攻を唱える右翼。


翌日の国民審議選挙は無事開催された。




「・・・今結果が公表されました。総国民数1億2千万人中、賛成票5000万、反対票4900万・・・日本国はこれにより憲法第9条交戦権を一時的に内容を変更することが決まりました。」



日本の憲法改正により、韓国海軍掃討作戦を行使することが可能になった。



当日のうちに陸上自衛隊は武装を整え始めた。


航空自衛隊は敵航空機迎撃用に戦闘機の運用率を拡大させた。


海上自衛隊はイージス艦と潜水艦の日本海への展開を開始。



憲法改正案は敵本土への攻撃を除いて敵を攻撃することが可能となった。


愛知県名古屋市守山駐屯地にも非常招集が入った。



「全員戦闘準備態勢とし、武装をいつでも使えるように」


業務体系が変更され、夜間交代待機制度が取られた。




-11月4日午後3時 島根県竹島沖-


「・・・捉えました」


海上自衛隊第1潜水隊群第5潜水隊所属そうりゅう型潜水艦うんりゅうは前日から法案可決に先駆けて呉からここまで着ていた。


「韓国海軍の忠武公李舜臣級駆逐艦です。イージスシステムは水中まで捉えることは不可能です。アメリカ海軍の潜水艦についで優秀なこのそうりゅう型なら韓国海軍のソーナーには映りません」


艦長は本隊と連絡を取った。


「こちらうんりゅう。韓国海軍の忠武公李舜臣級駆逐艦を確認」


『こちら本部、了解。おやしおが現在海域へ進入中。ハープーンが射程に入り次第攻撃を開始せよ』


無線が切れた時、ソーナー員は新たな波紋に気づく。


「敵潜水艦です。・・・張保皐級です。数2隻」


「ちいっ。補足されているか?」


「いえ、ですが敵捜索中のようです」


艦長は無線を再び取り


「こちらうんりゅう、攻撃不能。敵潜水艦に捜索されている」


『こちらおやしお。その潜水艦は貴艦で攻撃されたし。我々は忠武公李舜臣級を攻撃する』


「撃ち漏らした場合は」


『考えるな』



「敵潜水艦2隻を攻撃する。深度200そのまま、ノット変更なし。メインタンク注水」


「アイサー」


「ソーナー、捉えました。敵艦距離2000、深度70、7ノットで航行中」


「減速、深度変更せず。攻撃開始。魚雷戦準備。1番2番4番5番発射管89式魚雷装填」


「1番2番4番5番発射管89式魚雷装填」


「データー解析よし、入力」


「1番2番4番5番装填よし、準備よし」


「1番4番注水」


「1番4番注水よし」


艦長は戦後史初めて敵海軍への攻撃をすることとなった。


「1番4番発射」


「1番4番発射」


魚雷2本は潜水艦から放たれた。


「2番5番注水。3番6番に装填。何秒で着弾する?」


「約30秒です。敵艦気づいていません。」


30秒は長く短かった


「命中、圧壊音確認。1隻のこってます。敵艦デコイ発射」


「2番5番発射」



新たな魚雷もまた、韓国海軍の潜水艦を沈めた。



「命中」


「敵忠武公李舜臣級接近」



おやしお型潜水艦はソーナーで補足した駆逐艦に攻撃を開始した。



「ハープーン発射!」


ハープーン対艦ミサイルはものすごい勢いで海面を突破、駆逐艦を撃破した。




自衛隊は2隻の潜水艦と1隻の駆逐艦を沈没させた。


引き継いで任務を受けた電子戦機が空域を電波妨害装置で撹乱させ、イージス艦みょうこう旗下4隻の護衛艦を海域へ誘った。



-DDG-175みょうこう-


「ソーナーに反応。敵艦もこちらを補足している可能性がありますが、世宗大王級です」


「よし。ハープーンミサイル準備」


「ハープーン準備!」


「撃て!」




ハープーン対艦ミサイルは艦に詰めるだけの数が発射された。


4隻の船から無数のハープーンミサイルが発射され、世宗大王級駆逐艦旗下の艦隊は損害を受けた。



-韓国海軍日本侵略部隊「일출 무단 나라 침몰」(日の本の国沈没)艦隊-


「第7セクター冠水!ああっ!武器庫水没!」


「総員退艦!」


「メインエンジン停止!艦底に深刻なダメージ!」


「武器庫に火が回る!消せ!」


「SPYレーダー反応せず!」



世宗大王級駆逐艦旗下の艦艇は世宗大王級駆逐艦以外が航行不能に陥るダメージをうけ、強襲揚陸艦独島も甲板が破裂した。


世宗大王級駆逐艦もSPY1レーダーにハープーンが着弾し、CICが壊滅的被害を受けた。




世宗大王級駆逐艦以下、海上に浮かぶことができた船5隻はみょうこう旗下の部隊に降服した。



-11月5日 午前2時 愛知県守山駐屯地夜間待機中の第2小隊-

「寒いですね・・・教官」


「ん、これ使うか?」


二人は舞台から勝手に離れ、基地の角で座っていた。


坂崎は自分の着ていたコートを差し出す。


「それじゃ教官風邪引きますよ」


「そう・・・だな。じゃあこうするか」


坂崎はコートを仲沢の方に掛け、もう片方を自分の肩にかけて寄り添った。


「・・・なんかドキドキします」


「俺もだ」



しばらく時間が経つと


「・・・すー・・・」


と、寝息が聞こえてきた。


坂崎が隣を見ると仲沢は心地よさそうに眠っていた。


「・・・かわいいな」




-11月5日午前3時韓国 大邸基地-


「君たちは日帝を叩き潰すために送られるのだ!」


『忠誠!』



韓国空軍は日本本土攻撃のため、捨て身攻撃隊を組織した。


F-15Eスラムイーグル、F-4E戦闘爆撃機あわせて10機と、護衛機のKF-16が10機。そして日本までたどり着くための給油機がないため改造型C-130を投入した。


21機の攻撃部隊は3時02分に大邸基地を飛び立った。








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