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Japan Force  作者: 坂崎紗葵
第2章国境紛争
16/32

南沙諸島沈静化と韓国の影

大韓民国青瓦台の影

そして恋の行方

「危篤状態だ。心拍数は?」


「心拍数低下、心停止!」


「チャージ」



除細動器で医官が電気を体に当てる.


体が飛び上がる。


だが、心拍数は戻らない。


「再チャージ」


そしてまた電気が体を走る。



-DDH-16ひゅうが艦内医務室-


坂崎修一はSH-60Kで緊急搬送された。


「心拍数戻りました。安定しています」




中国海軍の派遣部隊は撤収し、中国はだんまりを決めかねた。


国連は中国に経済制裁を加え、一部の国家資産を凍結した。



中国のバブルはこれにより崩壊し、国家軸は大きく乱れた。




-1週間後 日本 愛知県守山駐屯地-


「面会謝絶が解かれたぞ。行ってくるといい」


坂崎教官が入院する前から転勤してきた上官、松平2等陸曹が私にそういった。


「えっ・・・」


「面会はOKされたとの情報が入った。仲沢一士、外泊許可を出すから行ってこい」



-1日後 10月15日 静岡県自衛隊富士病院-


「えっと陸上自衛隊第10師団の坂崎修一2等陸曹の病室は・・・」


ナースステーションで私が看護師に聞くと


「ええと、204号室の個室になりますが、意識はまだお戻りになっていませんよ」


「はぁ、あってもいいんですよね?」


「ええ、どうぞ」




「教官・・・?」


病室には誰もいなかった。


ベッドに教官が横たわっているだけだ。



「教官・・・」


ベッドの横のイスに腰掛ける。



「・・・」


いい匂いがする。


男の人の匂いだ。



私は震えながら教官の布団に手をおいた。



ゆっくりと上下している。


「なんで起きないんですか・・・」



私は教官の手を握った。


「いつも撫でてくれたのに・・・撫でてくださいよ」


私は頬を伝う涙に気を止めなかった。



「なんで・・・なんで」



教官はじっと寝息を立てていた。


「・・・今日は・・・ッ」


私は袖で涙を拭い


「今日は・・・夜までいますから」




「・・・ん」


寝てしまっていた。


目を開けるとそこには赤坂3等陸曹がいた。


「あれ、赤坂3等陸曹・・・?」


「あ、起こしたかっていうか見てやらないでくれるか」



坂崎教官は服を着替えている途中だった。


「あ、はいっ」


少しすると赤坂3等陸曹は「よろしく」といって帰っていた。



「・・・何時だろ」


時計をちらっと見ると午後7時だった。


「寒・・・」



私は上着を少し深目に着込んだが、それでも寒い。


「・・・♪」


私は教官の布団に入った。


「・・・暖かい・・・」




「・・・あれ?」


目覚めると朝だった。


「お嬢さん、ねるのもいいけどそこは患者さんのよ」


と看護師さんが笑っていた。


「あっ・・・えっ・・・」


「とにかく、バイタルも安定しているし近い内に目覚めるわよ」



私が部屋を出て売店に行こうとしたときに


「あれ?彼女さん?」


「えと、理奈さん?」


教官の妹さんが居た


「バカ兄貴のお見舞い?お疲れ様」


「いえいえ」


「撃たれるなんてね。なんか信じらんない感じ」


「ですよね」


「あっ、売店行くならビターコーヒー買ってきてあげな?兄貴の好物。私は花置いたら帰るわ」



私が買って戻ると確かに理奈さんは花だけおいて帰ろうとしていた。


私が入った瞬間、後ろから誰かが入ってきた



その時、理奈さんの表情が大きく変わった。


「・・・テメ、何しにきた」


私が後ろを向くと20代後半の女性が立っていた。



「何って、見舞いだけど」


「なんでてめぇが来てんだ?あ?」


「ふー、山猿みたいなのは相変わらずねえ理奈」


「下の名前で呼ぶな糞ビッチ」



なんでこんなに犬猿モード?


「凛ちゃん、こいつ追い出して。コイツだけは許せない」


「え?」


「兄貴の高校時代の彼女。兄貴を精神病にまで追い込んだの」


知らなかった。


「兄貴は1ヶ月自暴自棄だったの。こいつのせいよ」


「あら、ひどい言いようね。ま、そうなんだけどさ」


「消えろクソ女」




私はどうしようか迷ったが



「部屋から出てください。教官は絶対安静です」


「ふーん・・・シュウ?シュウ?」


「その名前で呼ぶな!」



理奈さんがついにプッツンした


「いいかげんにしろクソ女!出て行け!」





「うるさいのはあんたたちよ!出ていきなさい!」


看護婦長が乱入し、理奈さんとその女性を追い出した。




「はー・・・」


誰だったんだろ



私は教官の手を握々した


「・・・ん?」


握り返された気がする。


「教官?教官っ!?」




手がどんどんこわばるのが見えてきた。


「今、お医者さんを-」



ぎゅっ



「は・・・え・・・?」


私が後ろを向こうとしたときに教官が抱きしめてきた。



「えっ!?教官ッ!?」



「う・・・うっ・・・」


泣いていた。


私の服が濡れるのが感じられた。


「教官・・・」


「仲沢・・・ッ・・・しばらくこうさせてくれない・・・か」


私は体を許し・・・というとなんか破廉恥だけど、意味は間違ってないだろうしそのようにした。



10分抱き合ってたのかもしれない。


1時間かも


「・・・ありがとう」


「・・・いえ」


なんだろう、ドキドキが止まらないし、微妙な雰囲気


いま・・・かな?



「あの・・・教官・・・」


「ん?」


「・・・お帰りなさい」


教官は笑い


「ありがとう」


と答える。


「・・・教官、私・・・」


「?」


「私教官の事が・・・す・・・す・・・」


言えない・・・恥ずかしい



「好きだ」



私の言葉は教官に奪われた。



「え・・・」


「あ、あれだ・・・俺もお前のことが・・・好きだし・・・な?」


両思い・・・だった?


「・・・俺は・・・付き合いたい」



私は精一杯の声で返した。




「大好きです、付き合ってください」






-事後収拾-


日本政府は中国政府に死亡した陸自隊員の賠償を要求し、フィリピンとロシアもこれに準じた。


中国政府はその国家力こそ失わなかったものの徐々に経済力に影を落とすようになった。


尖閣諸島問題も強硬に出れなくなり、日本の正式な領土として認められることに合意した。





-10月25日 大韓民国青瓦台 大統領府官邸-


「大統領、独島への移民計画が完了しました」


「よし。ジ次官の功績を労ってやれ」


「は。日帝の動きは気になりますが・・・」


「気にせずともやつらは我々の犬だ」




-10月27日 日本国竹島-


1隻の輸送船が着岸した。


民間人を載せた移民船だ。


韓国人たちは新設されたコーポに入居を開始した。






-10月27日PM2:00 日本国東京都防衛省地下戦略会議室-


「はいこれ見てくれ。南キムチの船が竹島に接岸」


陸上自衛隊中央情報隊の矢部1佐がプロジェクターで投影された映像を指揮棒で指さす。


「南キムチは竹島に民間人を居住させ、盾にする計画らしい。そこで、夜に輸送し終わったもぬけの殻の輸送船を沈める。これでまあ連中はビビる。どうだろ?」


「明確な侵略行為ではないですよ」


「はい熊澤くんいい質問。これみて」



次に投影されたのは艦隊だった。


「南キムチ海軍の輸送船団。国内に忍ばせてるうちの隊員は積んでるのは大砲とレーダーだって言ってる。情報と大きさから合わせるとKH179 155mm榴弾砲だな。


レーダーはフェイズドアレイレーダーらしい。これらは現在、韓国の軍港に停泊してる。まだ積むものがあるらしい。艦隊規模は忠武公李舜臣チュンムゴン・イ・スンシン級駆逐艦


1隻に蔚山ウルサン級フリゲート2隻。そこに輸送船だ。こいつらは竹島ルートに行くことが無線傍受でわかってる。つまり軍隊があそこに駐留するわけだ。」


「それはまずい。国内的にも」


「だろ?中くん。そこでおいらはこれを阻止すべく、竹島の湾口施設及び客船の発破解体の企画をした」


「実行隊は?」


「イラクでPMCまがってる第2小隊でいいだろ」



中央情報隊は第1から第4までの小隊を保有し、第2小隊は中でも荒療治向けだった。


第2小隊は現在、イラン・イラク・アフガンの状況調査中で、ついでに日本人PMCに偽装してNGOを護衛していた。



「うん、それでいいよ」


ここの場を仕切る中曽根陸将は作戦許可を出した。


「じゃあキムチ食べ放題作戦、KT始動ってことで」




日本はアンダーグラウンド部分での展開を開始した。


これは防衛省独自の作戦で、当然弱体化している民主党の意見をガン無視だった。










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