時空を超えて 名前の法則1.5
甘いです。ひたすらいちゃいちゃです。子供生まれてます。
当麻、当然です。この誕生日はとうまくんのもの。譲れません。それはあとからのお楽しみ。
短いですが、分離してみました。
十月十日。アミィとシャーロックの一人息子、jr.シャーロック・当麻が生まれた。
命名に至って夫婦の間で喧喧囂囂となった。その騒動が外からも聞こえてくる。マイクロフトとワトソンは顔を見合わせながら病室の扉を開けた。
「いいじゃないの。アニメのキャラの名前なんだから」
「いーや。ほかの男の名前を付けるなんて考えられない」
「どっちにしろ誰かの名前を付けることと同じじゃないの」
喜ばしい日の夫婦げんかに驚くべき訪問者である。
「どうしたんだい。ホームズ」
「聞いてくれたまえ。ワトソン。我妻は息子の名前に私の名前を付けた上にアニメのキャラクターの名前をつけるというんだ。それも一番好きだったというキャラクターだ」
「一番好きな、ね」
なるほど、とワトソンはうなずく。
「ジェラシーだね」
「ワトソン!」
夫妻で声を上げる。
「一番好きでなければどんな名前でもシャーロックは問題なかったはずだ。アミィ、全部言わないでつければよかったのに」
「だってそのキャラクターと同じ誕生日なんだもの。運命だわ」
「運命なんてあるものか。私は認めないからな」
「シャーロック!」
シャーロックはワトソンたちを置いて外へ出ていった。
アミィの瞳からぽとぽと涙がこぼれる。ワトソンが涙を拭いてやる。
「かわいそうに。出産でただでさえ精神的に不安定なのに。ホームズは何考えてるんだ」
「そこのジュニアを抱いていいかい?」
マイクロフトが言って抱き上げる。慣れた手つきにアミィはあっけにとられる。
「シャーロックを抱いた覚えがある。かなり昔の記憶だがね」
「愛しているシャーロックの名前を入れたのに・・・」
「すぐ戻ってくるさ。特にアミィが泣いたと聞けばね。なぁ。ホームズ」
「シャーロック?」
罰の悪そうな顔をしてシャーロックが入ってくる。
「すまない。泣かせてしまって。私の頭を冷やしていたんだ。君の世界の名残まで消してしまおうとしていたのだな」
こらえきれない涙がアミィの瞳からあふれる。
「ああ。アミィ。泣かないでくれ。泣かれたらどうすればいいかわからない」
「簡単さ。この名前を認めてやればいいんだよ」
ワトソンが言う。
「複雑だが、アミィが泣くのを見ていられない。この名前で役所に出そう」
「いいのよ。私のわがままだからシャーロックの好きな名前を入れたらいいの」
「いや、君の世界を捨てるわけにはいかない。私が捨てさせたのだから」
「シャーロック!!」
わっと夫の胸で泣き出す妻である。背中をポンポンたたいてやる。
「大丈夫だ。私が君を守って見せる。君の思い出もなにもかも」
「シャーロック。愛しているわ」
しゃくりあげながらアミィは言う。
「私もだ。マイクロフト。息子をいつまでも抱かないでくれ。私の息子だ」
マイクロフトがいつまでも抱っこしている息子をシャーロックが抱く。
「シャーロックまだ、首が座ってないから」
頼りない抱き方にアミィが涙を拭きながら言う。
「こうだ。ホームズ」
再婚続きのワトソンが抱く。慣れた手つきにシャーロックが意外そうな目で見る。
「私は先に子供を持ってるんだ。先輩だぞ」
「君を先輩扱いしたくないな」
「負けず嫌い」
笑いながらアミィが言う。
「ああ。負けず嫌いだ。アミィが一番好きな人間は私であるという自負があるからな。それなのに、嬉しそうにアニメのキャラなど・・・と。これは言ってはいけないな」
「いいわよ。一生言われ続けても。愛してるわ。シャーロック」
アミィが手を伸ばす。その手をシャーロックは取る。
「いつも君から手を伸ばしてもらっているな。たまには私から手を伸ばさないと」
「いいわよ。それがシャーロックだもの」
いちゃいちゃしてる新婚並みの夫婦にマイクロフトは飽きてワトソンの袖をとって出てく。
「ほっておけ。夫婦喧嘩は犬もたべないというからな」
「どこのことわざだ?」
「アミィの祖国、日本の言葉だ」
「なるほど」
親子水入らずでいちゃいちゃしている部屋を放って二人は病院を出ていったのであった。結局名前はアミィの名付けた「jr.シャーロック・当麻」となったのであった。名づけはいろいろ問題が起きるものである。そしてやっぱり奥方の涙には弱い夫君であった。
短いので前回まとめたのですが、番外編は番外編扱いがよいかと思い、編集してます。
2も3も出します。なんかあったような。それも探してみます。ボヘミアの醜聞だったか何かの事件で悲しい事件があってせめて小説の中でもと書いたものがあったのを思い出しました。どこ行ったんだろう。探します。