召喚
んんっ、んあぁ、
深い眠りから覚めたような感覚。
いったいどれくらい寝ていたのだろうか。
まだハッキリしない意識のなか、そんな事を考える。
ゆっくり目を開けると、そこには今まで見たことの無いような景色があった。
まさに西洋の城の中。
本物の城は見たことが無いが、そうとしか思えないような立派で広いエントランスに、今俺は居る。
そしてその最奥、一段高くなったところ。そこに、これまた王様としか言いようのない、大きな宝石の付いた王冠と、とてつもなく豪華な服に身を包んだ男がいた。
その周りには、何やら険しい顔をした人たちが沢山いて、忙しそうに何かを書いたり、話したりしている。
何故か自分が少し場違いな人間に思えてきて、目線を下げる。
するとそこには自分のクラスメートたちがいた。
見慣れた顔に少し安心する。
そんな感じでぼーっと辺りを眺めてるうちに、朦朧とした意識がだんだんと覚醒していく。
………はっ!俺今、どうなってる⁈
急に我に返った。
あれ?今俺ヤバくね?
だって、この城何?俺知らないよ?来たこともないし。
それに、あの王様みたいな人何なの?コスプレ?変態?
っていうか、俺今まで学校にいたよね?
変な世界に迷い込んだみたいな?
意味がわからないんだけど?
どうすればいいの?