3話 トイレ
3話です。
すみません。更新遅れました。
できる限り間が空かずに更新できるよう頑張ります。
なぜこんなにも人というのは突然予想だにしなかった事が起きると頭が真っ白になるのだろう。いや、脳が勝手に真っ白にしているのかもしれない。
うん。そうだ。これは完全そうだな
現在の時間は昼休み。
俺は一人、険しい顔でトイレの個室の中を過ごしていた。
「んーー」
うなりながら真っ白な中の頭をフル回転させ、さっきの出来事を思い出す。
「ふふっ」
人じゃ出ないだろと突っ込みたくなるほどとても言い表せない声で笑う俺。他人から見たらもう完全やばい奴だ。
だって、しょうがないだろ? 普通じゃありえないことが起きてんだから
明らかに今の状況は普通ではない。いや、まあパリピな奴らなら起きるのかもしれないがこの俺になぜあんなことが起きるんだ。
俺は普通に登校したり授業を受けたり。何も波音を立てずにこの学校生活を自分なりに謳歌してきたはずだ。
なのに·····なのに·····
「なぜだぁぁぁぁぁ!!! なぜ俺が松島とぉぉぉぉ?!!!」
今入っている個室の周りの壁を越えトイレ中に俺の声が行き交う。反響した音は俺の耳にも当然入り耳の中がキーンとする。
幸いトイレの中に人はいないらしく恥ずかしい思いはしなくて済んだ。
一旦、今の状況を整理しよう。
まず、この学校の2年4組ではとてつもない噂が立っているようだ。
その噂が自分じゃないほかのだれかの噂なら気に留めることのなかったが、今噂されているのは紛れもない俺なのだ。
最初は何かの間違いだと思い、クラスメイトの言葉を聞き驚いた後も冗談ということにしていたが、周りからのいつもと違う眼差しで憶測から確信へと変わった。
これは絶対に俺と松島が付き合っていると噂されている。
もう、おかしすぎる。聞いただけで笑ってしまう。どこでこんな勘違いが生まれたのだろう。
クラスメイトはバカなのか?!
なぜこんな根も葉もない噂を信じるのだろう。根拠がない噂は完全に嘘という名の風評被害だ。(松島に対してな)
ていうかそもそも根も葉もあってもこんなこと信じないだろ。 俺と松島が付き合っている? こんなへいのぼんぼんな俺と成績優秀、スポーツ万能それに男子からはモテモテな松島が?
ふっ
「バカにすんなぁぁぁぁぁ!!!」
二度目の強烈なおれの雄叫び。
トイレの外では「トイレに発狂するUMAが出た」と騒がしいだろう。
しかし今の俺にはそんなことどうでもいい。
なぜこんな俺があんな噂をされなきゃいけないのか? なんであんな噂のせいで俺の平和な生活が邪魔されなきゃいけないのか?
心の中のこれらの不満により、当初あった疑問、不安、焦り全てが怒りへと変わっていた。
「·····しっかりと間違いを訂正してやる」
俺は重たい声でそう言いトイレの個室から飛び出した。
─────────
とまあ、怒りに身を任せトイレから飛び出し教室へもと戻った訳だが·····そう簡単にクラス中に広がった間違いを訂正できるほど現実というものはそう甘くない。
ここでもまた現実というものを見せられた。
勢いでできるんじゃね?と思ったが今はそんな事を思った5分前の俺を蹴飛ばしたい。
なぜかって?
「おい、ちょっと面貸せや」
うん。こういうことだからだ。
読んで下さりありがとうございます!
評価やブクマよろしくお願いします!