16話 理由その1
16話です。
短いですが、夜にも投稿しますので。
もうほぼ今松島が話している話の中の男は俺確定なのだが一応聞いてみる。
「あの·····一応聞くんだけど、その男の人ってやっぱ·····俺?」
やばい。なんかすごい自意識高い系の発言になってしまった。恥ずかしい。
俺が聞くと、松島は俺から目を逸らし少し恥ずかしそうにコクリと頷いた。
その姿を見ると、俺もさっきの恥ずかしさに割増してくる。
しかし、俺はまだその俺を好きになった理由を信じきれていなかった。なぜなら、手伝ったという事が松島が好きになる条件ならば、もう俺以前に好きになった人は少なからずいると思うからである。現に美少女の松島を手伝う輩は手に収まりきらないほどいる。
このことから、俺が手伝ったから惚れたというのは少し無理があり、好きになる理由についても安易で不十分すぎる。
「手伝われただけで俺を好きになったんだよな?」
あぁぁぁぁ!!! めっちゃ恥ずかしいんですけど! 何が「俺を好きになったんだよな(イケボ風)」だよ?! こんなセリフ元々俺の辞書にねーよ!
自分の言っている事に羞恥心が爆発し、顔から湯気が出ている俺。今にでも、「蒸し笠柳」が誕生しそうだ。
「い、いや、す、少し違います」
さっき自分から言っていた、俺を好きになった理由に対し意義を唱える松島。
「違うのか?」
「は、はい!」
「じゃあ、どこが少し違うんだ?」
「か、か、笠柳くんは」
まだつっかからずには読めないのね俺の名字。
「下心なしで手伝ってくれたんです!」
松島はキラキラとした嬉しそうな表情で言った。
「下心?」
「は、はい! 学校の人とかも手伝ってくれたりするんですけど·····」
松島は笑顔から途端に眉をひそめ険しい顔になり、声も曇る。
「手伝った後、『この後、カフェ行かない?』とか言ってくるんです·····」
松島は、何故なのかよく分からないが男子Aの声真似をして俺に説明をする。
色々、可愛いというのも厄介なようだ。松島のこれまでの発言からして自分がモテているという実感はしてないらしいが男子から好かれるというのは分かっているらしい。
「で、でも! か、笠柳くんは、とにかく私を助けることだけを考えて行動してくれました! あの時、しっかりお礼を言えませんでしたがとても嬉しかったんです! だ、だから、す、す、好きになったんです!」
「お、おう」
松島のこれでもかという覇気に後ずさる。
確かに下心など無かったが別にそんな大層なことはしていない。けれども今の松島の熱弁から俺を好きになったというのは嘘ではないと十分に分かった。
しかし、それならなぜ·····
「じゃあ、なんで告白とかはしてこなかったんだ?」
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