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学園都市アステラルテ  作者: 順砂
間章『寮にいてはいけない日』
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 『寮にいてはいけない日』⑤

パクリ疑惑がありました。

詳しくは活動報告にあります。

 その後、セラフィナがもてなす準備があるとのことで、昼食時に直接セラフィナの屋敷に集合することを確認して一旦解散となった。ただディランだけは家の手伝いがあるということで午後は不参加である。

 なので、集合まで一時間ちょっとの時間が空いてしまう。


(このあと空き時間、どうするのかな?)


 ハルシェイアがアルナの顔を見つめると、ハルシェイアの意図が分かったのか、分かってないのか、すぐにアルナは言う。


「んにゃ、時間空いたし、私の買い物、ちょいと付き合ってにゃ」

「あ、はい、もちろん」


 アルナの提案にハルシェイアはにこやかに肯いた。


「あの、何を買うん、ですか?」

「ちょっとした雑貨にゃあ」

「雑貨?」

「にゃあ」

(雑貨…って、色々あるけど…どんなのがいいんだろう?)


 ハルシェイアは疑問に思ったけど、アルナがもう探している様子だったので、おいかけることを優先して聞かなかった。そのあと、アルナと一緒になんとなくキョロキョロをお店を見ながら数分。アルナが一軒のお店に反応した。


「あそこがいいかにゃあ?」


とアルナが指さしたのは白い壁の可愛らしい雑貨屋だった。


「あ、はい」


 きれいな木目の扉を開けると棚のあるカウンターと両側の壁に商品棚、店の真ん中にも銅製のテーブルがあって小物がディスプレイされている

「いらっしゃいませ」


 カウンターの奥に二十歳ほどの女性がにこやかに挨拶した。アルナは目で微笑みかけてそれに応え、ハルシェイアもそれに倣った。


「あ、あの…」

「にゃに?」

「何を…買う、んですか?」

「ちょっとしたものにゃあ--ん~?ハル、ちょいと、きてにゃ」

「は、い…?」


 アルナに手招きされて、一緒に少し奥に進むとそこは装飾品のコーナー。ただ装飾品といっても、セラフィナがしているような宝石や貴金属をふんだんに使ったようなものではなく、組紐や木、色や模様がある石などを加工したもので、値段もお手頃であった。だが、


「あ…かわ、いい…」


とハルシェイアが思わずこぼすほど、趣味がよくちゃんとした細工がされていた。ネックレスに、髪留め、組紐の腕飾りに、根付け。木目に、碧色に、朱色に、青。様々な色がそこには置かれていてハルシェイアは目を輝かす。

 素敵な一角だとハルシェイアは思う。でも、頭の中でそれらを付けるのはハルシェイア自身ではなかった。

 いつも一緒のメイアに似合うかな、とか、ジンスやベティはどうかな、とか思ってしまうのだ。


(だって、私には、似合わない、し…)


 ハルシェイアは結局、そう思うのだ。だから、こういうのを見るのは好きでも、買う、という発想はないのだ。

 でも、そんなハルシェイアにアルナは、


「ハル、なら色々と似合いそうだにゃ」

「……え?そんな…こと」

「あるよ、絶対、似合うって。だって、ハルはこんなにも可愛いんだから」

「私、が……?」

(可愛い…?)


 ハルシェイアはその言葉にピンとこなかったけれど、普段ふざけたことをアルナが真顔で褒めたので冗談を言ったようには聞こえなかった。


(で、でも…私、こんな、汚い白髪で…、筋肉も女の子、らしくないし…暗い、し…)


 思っていて気分が落ち込む。だから、きっとお世辞を言ってくれているのだろうとハルシェイアは考える。

 それを見たアルナは本気で困ったような顔をしたあと、気分を変えるように言った。


「んんん?じゃ、まぁハルが可愛いことはおいとくにゃ。んじゃあ、ちにゃみにだけだど、ハルはこんにゃかだと何が好きかにゃ?」

「え…、わ、私…です、か?」

「うん」

「え、えっと……」


 慌てながらも最初見た時から気になったものを目に留める。 捻ったような加工がされた光沢ある朱色の石に黒に近い紺色の紐が通された首飾り。シンプルだけどそれが好きだった。


「へぇ~」


 アルナはハルシェイアの視線に気がついて、その首飾りを覗き込んで観察する。


「こういうのが…好き、にゃのか~。うんうん、参考になったよ、ありがと」

「え、っと…ど、どういたしまし、て?」

「いやいや、こちらこそ――じゃ、あっちもみようかにゃ」

「はい」


 その後はインテリア小物やちょっとした台所用具を四半時ほどみた後、店を出た。少し歩いてからハルシェイアは気がつく。


「あ、あの…アルナ先輩、何か買う用があったんじゃ…?」

 ハルシェイアはアルナが何か買ったのか気になった。店の中でハルシェイア単独で居た時間もあったのでその時に買ったのかと思ったが、


「ん~…?あー、大丈夫にゃあ、うん」


と何故かアルナは誤魔化すように笑った。


「えっ…と?」

「とにかく、もう大丈夫にゃから、ね」

「は、い、…?」


 疑問符を浮かべるハルシェイアは置いて、気にした様子もなく鼻歌を歌いながらアルナは行ってしまう。怪訝に思いながらもハルシェイアはそれを追っているうちに忘れてしまった。

明日から旅行なので、修正などは帰ってきて行います

よろしくお願いします。

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