表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園都市アステラルテ  作者: 順砂
プロローグ
1/88

プロローグ

世界観は剣と魔法のある世界で、ありがちな、ちょっと強い主人公(少女)が学園に入学して…という学園ファンタジーです。露骨な最強物にならないよう注意していますが、このような傾向が嫌いな方はご注意下さい。

 私には悩みがある――


 ――私は何になりたい…?

――私は何をしたい…の?


 私が――したあの王様が言っていた。


『君はまだ何者でもない』

と。


 私は漠然とした願望もなく、漫然と日々をこなしていっただけ。


 ある人は、出世したい、と言っていた。

 またある人は、騎士になりたい、と言っていた。

 家を継ぎたいという人もいた。

 試験に合格して官僚になりたいという人も、

 立派な皇帝になって国と国民を栄えさせたいという人もいた。

 とにかく戦いたいという人もいたし、

 自由に旅をして、色々と見て回りたいという人もいた。

 結婚して安定した生活を送りたいという人もいた。

 そして、ただ、殺したい…という人もいた。


 でも私は出世したいとはとくに思わない。

 騎士には気が付いたらなってしまっていた。

 家は義兄が継ぐだろうし…

 何か他の職…?何があるのかな?

 得意なことは戦う事で、でもそんなに好きじゃない。

 旅をするのは良いと思う…でもその先には何が?

 結婚…想像がつかない。まだ。先、だと思う。

 殺すこと…殺したいわけじゃない。


 ある人は、このままでいいんですよ、と言った。

 ある人は、好きなことをすればいい、と言った。

 ある人は、得意なことをすればいい、と言った。

 またある人は、好きにすればいい、と言った。


 このまま、で良いのかな?

 多分、このままでも…ううんこのままのほうが他の人から見れば良いのかもしれない。贅沢な悩みなのかもしれない。

 でも違う気がする。なんか違う気がするの。

 好きなことはしいて言えば美味しい物を食べること…でも、食べるのが好きだから料理人になりたいというわけじゃない。

 得意なのは戦うこと、殺すこと…ううん、私これしかできないよ。でも、戦う自分、殺す自分、そんなに好きじゃない。肉を裂き、骨を断ち、絶叫を耳元で聞き、鮮血を浴び…戦場は変な安堵感がある、戦場行くと帰ってきたと思う。でも、好きじゃない…と思う。

あそこには行きたくない、あそこに行くと私は、私でなくなる。私はあれが心地いいとも思う私になる。それは嫌。

 そう私は戦う以外の私になりたい。私以外の私になるのは怖い、殺すことを厭わない私が嫌い。私は私が恐い。だからもう――


 ――でも私は戦わない自分になれるのかな?

  戦わないで何をする?

  何を?


 そのためにはどうすれば…?


「……学校、行ってみますか?それも遠くへ――そして多くの人と出会いなさい」


 最後に先生がそう言ってくれた。

 だから私は行くことにしたんだ。

 学校へ、先生が生まれた街に。


……学園都市「アステラルテ」へ。



2010/10/12 加筆修正版に差し替え。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ