決意
ドキドキ
僕は、心臓が今までにないくらい激しく動いている。
昨日悩みに悩んで絶対聞くときめたこと。
あなたは、僕の母の生まれ変わりですか?
こんな変なことをいきなり聞いたらいけないかもしれないが、聞かずにはいられない。生まれ変わりのはずなんて絶対にないのに決めてしまった。
こんなよくわからないことを一歩も進まないまま自問自答していたら・・・
「どうしたの?」
っ!?!!
後ろから女の子が顔を覗いてきた。心臓に悪い。
「いえっ、何もないですと言ったら嘘ですけど何にもないです・・・」
消え入りそうな声で小さくこたえた。
「うふふ。可愛いねぇ。さあ、今日も仕事頑張ろー」
女の子は元気にいった。
男の子は下を向いて思い詰めた感じで一点を見つめて、
「くそぅ。言えない自分が情けない・・・」
自虐をしていた。
その日のお昼。
女の子は、カウンターの内側で
「なんか変だな。あんなに暗いなんて何かワタシしちゃったかな?」
男の子が暗いことについて自問自答していた。お客さんの流れが止まったら考え、また止まったら考え。女の子も今日は少し元気がなかった。
その日の夜。
「よし。絶対明日聞く。聞かなかったらココを出て行く」
「よし。明日尋ねてみよう。聞かなかったら後悔する」
それぞれが自分の部屋で静かに決意したのであった。
クックルー。
「おはようございます!今日も元気がんばりまーす」
女の子は、晴れ晴れとした顔でお店の扉をくぐった。
「おはようございます。よろしくお願いします!」
男の子は、何か吹っ切れたような顔でお店の扉をくぐった。
その数十分前。
裏口で、女の子と男の子は出会った。いつも見ている顔だけれど、今日だけは違って見えた。
2人は見つめ合ってどうしようかと相手の気配を探っている。
男の子は、一歩を踏み出して深呼吸をする。
「あ、あの。一ついいですか?えっと・・変なこと聞くかもしれないけれどあなたは僕の母の生まれ変わりですか?」
女の子は少し驚いて
「ふへっ?生まれ変わり?・・・・・・うん。そうかもしれない。きみのお母様、もういないの?」
「ええ。そうです。」
「そうなんだ・・。実はね、ワタシのお母さんもいないの」
いきなりの告白で男の子は戸惑った。どう返事をしていいのかわからず、じっと見つめ返してしまった。気まずさを隠す様に視線を外し、口を堅く結んでしまった。
女の子は言った。
「ねぇ。聞いてくれる?ワタシのお母さんのこと・・・」
そう言うと静かに語り始めた。
「お母さんは、勇敢で優しくてワタシの一番大切な人だったの・・・・・・・」




