本番5日前
「…何か嫌な予感はしてたんだよなー…」
「奇遇ですね、私もです」
「「ははは……」」
花神楽高校の空き教室。
乾いた笑いを上げる内原黒人と深夜霧の前には、たくさんの衣装を背に仁王立ちする後藤花子の姿があった。
「てかどうしてエントリーしたことになってんだよ」
「校長がしたんですね分かります」
「さあお前ら…じっくり選びたまえ!」
「うわあすげえいきいきしてる」
ふたりは死んだ目をしたまま仕方なく衣装を手に取ってみた。半分は露出が高く、半分は透けていた。これは本当に服か。
「…何でこんなアブノーマルそうなのしかないんですか」
「私の趣味に決まってんだろ。服飾部特製だからなー感謝して着ろよー」
「何で協力しちまったんだよ服飾部……」
まったく乗り気でない二人に対し花子はついに自ら動いた。
「内原はこれだな、ピンクのミニスカナース」
「えっこれ小さくないですか」
「サイズぴったりだったらうっかり似合っちゃうかもしれないだろ!!」
「いやそれはねぇだろ!!!」
「とりあえず着てこい話はそれからだ。それとも脱がせてほしいのか」
「いや着ます」
「おい花子その発言は色々と危ない」
「次、深夜な」
「スルーか」
花子はああでもないこうでもないと色々選んでいる。というか花子の案を深夜がことごとく拒否しているのだ。それで選び直すあたり内原との扱いの違いが見てとれる。
「これいいだろ!ビキニ!」
「ぜっったい嫌だ!」
「仕方ねぇなパレオつけてやるよ」
「そういう問題じゃない!!」
「じゃあさっきのベビードールにするか?」
「大して変わんねぇじゃねぇか!頼むから普通の服にしてくれよ!!」
「…しょうがねぇなぁ。じゃあこんなんどうだ?」
花子が引っ張り出してきたのは、アイドルが着るようなフリフリのドレスだった。肩はむき出しだし、深夜が着ると恐らく膝丈はゆうに超えるだろう。しかし今まで出されたものの中では一番まともに見えた。
「…これじゃねぇとダメか?」
「これ以上は譲歩できねぇ」
「………分かったよ」
「よーし!あ、さすがに髭は剃ってこいよ見れたもんじゃねぇ」
「あのー…着てきたんですけど…もう脱いでいいですか」
「バカ言うな当日は全校生徒に見られるんだぞ今のうちに着なれとけ」
「えええー…」




