エピローグ
自殺『未遂』から一週間。
僕は未だ、ベッドの上である。
平坂―否、今は綾香とは、次の日に初対面した。
病室に入ってきた綾香は、起き上がっている僕を見るなり、ツカツカとベッドの横に来て、平手打ちをした。
「バカッ!」
そして、僕に抱き付いて、泣き出した。
怒ったり、泣いたりと騒がしい人である、平坂は。
・・・などとこの時ばかりは思う余裕もなく、純粋に彼女に心配かけたことを心から悪く思った。
「・すまない」
「死なれたら困るのよ!好きなんだから!バカ!」
驚きよりも先に抱きしめたい衝動に駆られた。
あの時はチャイムに邪魔された。しかし、今は邪魔するものはない。
僕は、平坂を抱きしめた。ギュッと、生きていることが分かるように抱きしめた。
「すまんかった、綾香」
「生きてて、良かった。・・・尊君」
「すまなかった」
その日、なかなか僕は両手を自由に使えなかった。
姉は平手打ち二発の後、なかなか口を利いてくれなかった。ただ、ここ一日、二日は何とか昔のように利いてくれる。
何もかもが丸く収まった、という訳ではない。
ただ、僕は、これからを頑張って生きていこうと思う。
漱石も言っているであろう。
大切なのは、「それから」である。
「どこ行くの?」
「・・・屋上であるが。付いてくるのであろうか?」
「飛び降りられたら困るもの」
僕は苦笑するしかなかった。そっと、彼女を見る。
その似合っていない眼鏡も、ゆるい雰囲気も、今では愛おしい。
ただ、それだけの事である。
この話は、実話をもとにしたハーフフィクションです。
この話を書いたのは高校一年か二年の時でした。それをこの4月の引っ越しの際に見つけて、このように投稿する運びとなりました。
幼いな、と思う部分もありますがしかし、よくこんな作品が書けたなと思う所もあります。
皆さんはこの作品を読んで何を考えられましたか?意見、感想その他ありましたら、感想欄に書き込んでください。お待ちしています。
もう少し小説は書こうと思っています。
では、また皆さんのお目に書かれることを祈って・・・
さようなら。




