第09話(悪魔講義―この世のからくり―)
剛田はその足で東京霊脈堂へ向かった。おやじさんに会うためだ。
「建物の地下って言ってたけど、どこにも扉らしきものが……」
気づけば蛍のような光が剛田の周りを漂っていた。
「ああっ、これについてこいってやつね。はいはい」
仄明るい光はある場所で止まった。やはりドアノブなどはないただの壁だった。
剛田はその壁に触れてみた。ガシャガシャっと音がしてゆっくりと動いた。
中はラボで、そこにはおやじさんがいた。
「あのー剛田です、
岩城からここに来て破魔道具のレクチャー受けろと言われまして……」
おやじさんは振り返って剛田をじっと見るなりつぶやいた。
「破魔道具はそこら辺に転がってるだろ手に取ってみてもいいぞ、
聞きたいことがあるならなんでも言え」
「あ、はい……ハンマーに、機関銃に、腕にはめれそうな何かに、
独楽とメリケンサック……これだけ?
あの、もっとロボメカっぽい奴とか、ロケットランチャーとか
イメージしてたんすけど火力足りないときはどうするんですか?」
「お前の言う独楽とメリケンサックを使うんだよ」
「へーこんなおもちゃが……」
「逃げたくなかったら、そのおもちゃに頼るんだな。
使い方はヨハンを担当する者に聞け、だいたい見ればわかるだろ?
ハンマーは叩くもの、ガトリングは引き金、
こいつはガコンとしてドカンだよ。
お前のレベルで説明するとそうなる、
四時間ぐらい動作原理とスペックの説明してやろうか?」
「いや、いいっす。飯作んないといけないんで」
「ならもう帰れ」
「ありがとうございましたです」
「おいっ」
「なんでしょうか?」
「お前、名前は?」
「剛田です。下の名前は翔です」
「そうか、またこいよ」
剛田が出ていったのを確かめ、おやじさんはピンッと張ったフィルムを通して岩城に話しかけた。
「譲、あの頭ピーマンが烈に伍すると?」
「僕はそう思ってます」
「だか、まだあいつの霊力は粗削りだぞ、
辛うじて破魔道具にリンクできるぐらいだ着任には程遠い」
「おやじさん。彼は本番で強くなるタイプです。
是非、着任の推薦をお願いします」
「譲、一ついいか? その気持ちはどこから来る」
岩城は少し黙った。自分の功名心を疑ったが違った。
「戦いの中で、翔を見てみたいです。それでは不純ですか?」
そう言われたおやじさんは初めて火野と一緒に戦ったことを思い出した。火野が使っていた破魔道具には彼の残留思念が残っている。おやじさんがこのラボにいるのは少しでも彼の存在に触れていたいからだった。ハンマーに触れながら岩城にこたえた。
「対地中戦ならヨハンが戦術の要になる。
翔を自由にさせないなら推しとこう。お前も含め無茶するなよ」
「ありがとうございます」




