世界で一番愛してる
初挑戦のボーイズラブ!
ギャグテイストなので、誰でも見れます!
温かい目でどうぞよろしく!
「君を世界で一番愛してる!結婚してくれ!」
男の人が膝を付いて、結婚指輪を取り出す。
「はい…!」
ポロポロと涙を流し、指輪を受け取る女性。
「アイリ!」
「ジョーン!」
感動のシーンの中、抱き合う2人。
そして、エンドロールが流れる。
✿
「…で?」
カフェの椅子に座り、足を組むのは、将来は立派なヒモになりそうなダウナー系美青年。
「で?とは失礼な!!」
ダンッとカフェの机を叩き、立ち上がるのは、プロポーズシーンを身ぶり手ぶりで伝えていた、見目麗しいが口を開けば残念系美青年だ。
「感動しただろう!?」
「恐怖の方が勝ってます」
これぞ即答。
さて、何故このようになっているかの事の顛末を教えよう。
_数時間前
(授業ダッル…)
両耳にピアスを開け、ポケットに手を突っ込み、猫背で歩く姿はまさに不良だ。
ここらでは有名なサボり魔、名を朱里麟。
女みたいな名前だと言われるのが地雷だ。
「今日はサボるかー」
無論、今日もである。
この男、昨日も同じ事を言ってサボっていたため、出席数ギリッギリである。
ここで難点なのが、頭と顔だけは無駄に良いため、ちゃんと卒業できそうなところだ。
行きつけのゲーセンに行くため、本来学校に行く道とは違う道に入る。
裏路地と呼ぶに相応しいくらいの陰険さだ。
(相っ変わらずここは変わんねぇな…)
ポケットに手を突っ込み、てくてくと歩いていくと、本当にたまたま、真新しい看板が目に入った。
(【喫茶店太郎…?】
こんなところに店なんかあったか…?
てゆーか、名前ダサッ…なんで太郎にしたんだよ…)
なんて考えて近寄ったのが悪かった。
「〜〜♪」
ことの元凶でもある、あの残念系美青年がこの喫茶店のオススメが手書きで記されたスタンド看板をよいしょよいしょと運んできたのだ。
この時のオレはそれに気付かず、呑気に『コイツ…オレより顔がいいんじゃねぇの?』など考えていた。
艷やかな長い黒髪を1つに結んだ残念系美青年が、こちらを向く。
「やぁやぁ。お客さんかね?」
看板を置いて、こちらに話しかけてきた。
だが、オレはそんな言葉、耳に入ってすらいない。
(コイツの目の色…他の奴らと同じ黒なのに…綺麗だな…)
食い入るようにその瞳を見ると、そこには、真面目な顔をしてそれを見ている短い青髪の美青年が映る。
「「綺麗だ…」」
オレはバッと顔を背ける。
なんだか、気恥ずかしくなったのだ。
「「………」」
まるで、運命の人にでも出会ったという感覚が湧き出てくる。
しばし無言だったが、口を開いたのは残念系美青年。
「キミ、少しお話しないかい?」
オレも暇だったので、頷いてしまったのだ…。
_現在
「この感動が分からないなんて………」
頭を片手で押さえて、ため息を吐く。なんというか…様になっている。
ムカつくが。様になっているところがムカつくが。
(コイツ…顔だけはいいからな)
この心の声を周りが聞いていたら、お前が言うか!とツッコむだろう。
「はぁ…」
しかも、出されたコーヒーは普通に美味い。
ちゃんと喫茶店のコーヒーだ。
ゲキマズなら笑ってやったのに。
ジロリと相手の容姿を見る。
長い艷やかな黒髪に黒曜石みたいに綺麗な黒い瞳、陶器のような白い肌。極めつけは、真っ赤な林檎みたいな唇。黙っていれば、儚そうにも見える。
が、口を開けばコレだ。
「お前さぁ…よく、『顔と性格が違いすぎて無理』とか言われない?」
その言葉にポカンと口を開けている。
マヌケだ。
「よ…」
「『よ』…?」
ガッとオレの両手を包み込むように握られる。
「よく分かったね!正解だ!
花丸をあげよう!」
くるくると空中ではなまるを書く姿は無邪気だ。
(どんな問題なんだよ…)
思わずくすっと笑いが漏れる。
「キミ…」
「?」
スッと視線を上げると、目の前にあの綺麗な顔があった。
本日2度目である手を握られる。
「案外と素敵な笑顔を見せるじゃないか!」
「は…!?」
その手を振りほどき、ガタリと席から立つ。
「照れることないさ!
その短く雄々しい蒼い髪、強い意志を感じる金の瞳!
そして極めつけはその甘い笑顔!
相手がボクでなかったら、メロメロだっただろうね!」
心の底から思っているのだろう。
その瞳は、澄んだ湖のように綺麗だ。
対するオレは俯き、無様に慌てふためいていた。
(これまで幾度もイケメンだなんだと言われてきたのに…!
なんでこんなに嬉しいんだよ!!)
ただ顔を褒められただけなのに、心が満ちる。
空っぽな心が、コイツの心からの称賛で埋まっていく。
「ふむ?どうかしたのかい?」
アイツはそれすらも気付かず、オレの顔を覗き込んてきた。
「なんでもねぇ!!!」
_神様、これが運命ならオレは抗えないかもしれません
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