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10.ド天然令嬢、大プロジェクトを立ち上げる

 その放課後、わたくしたちは早速、セイカ様を元の世界に送り届けるためのプロジェクト会議を開きました。


「サルーシャ様とアンナには、突然大変なことをお願いしてしまってごめんなさい。

 頼んでしまってからこんなこと聞くのは失礼だと思うけれど、セイカ様は無事にお母様に会えるかしら?」


「ええ、1週間ほどお時間をいただけましたら。聖女様が召喚されたと聞いた時、興味本位でその術式を調べておいたのです。それが役に立つとは」


「私も大丈夫だ。聖女がアリーに仇なす者ならば、すぐさま異世界に送ってやろうと準備していたから問題ない」


「まあ! ではもう、でき上がっているのですか?」


「いや、作ってあるのは、送り先を特定せずに異世界に転送するだけのものだ。アリーの敵がどこに飛ばされようが知ったことではないと思っていたからね。だから、これから届け先の座標を組み込む術式を加える必要がある」


「私も、召喚術を解析しただけなので、それを応用して術式を構築する必要があります」


「十分素晴らしいです! さすがサルーシャ様、アンナ!

 では、何か必要なものはありますか? 時間はどのくらいかかるとお考えですか?」


「時空に干渉する魔法陣をより正確に起動させるために、クロノ鉱石が必要だが。しかし、私が1日で採って来られるから問題ない」


「クロノ鉱石? それならうちの領地でたまに採掘されますよ。需要が少ないので、倉庫に眠っていると思います。あまり量はありませんが⋯⋯」


「それは僥倖ですね。手のひらに収まる程度の塊があれば足りるのではないでしょうか。いかがです? サルーシャ様」


「そうだな。感謝する、リリアン嬢」


「リリアン様! びっくりです! こんなにとんとん拍子で進むなんて、セイカ様は、きっと神に祝福されてますわね!」


「お嬢様、私からもひとつ。今回は少しのズレも起こしたくないので、すべての資料に目を通したいと思っております。ですので、可能ならば、王家が持っている古文書をお借りしたいのですが」


「あ、それなら、我が公爵家も一応王族の端くれですので、閲覧許可を持ってますわ。どのような書物か教えてくだされば、借りてきますわよ?」


「まあ、アデリン様まで! わたくしが勢いで引き受けてしまったことですのに、お力をお貸しくださってありがとうございます!」


「いえいえ、私もアリア様のお役に立ちたいですもの。セイカ様も、こんなところに突然連れて来られたこと、気の毒に思いましたし」


「私もです。私にできることがあるのでしたら、いくらでも力になります」


「皆さま⋯⋯! 本当にありがとうございます」



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