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魔弾の魔女の弟子エフィーは旅をする  作者: ブレイブ
一章、少女エフィーは旅に出る。
5/8

二話、旅をする理由

エルマンダの家


「…」


エルマンダが外を眺めている。


「どうしたの?師匠?」


洗濯カゴを手に持ったエフィーはそんな師にどうしたの?と声をかけた。


「買い忘れた物があってね、エフィー、ニンジンを買って来てくれるかい?」


「はーい、行って来るね」


エフィーは師の頼みを快く引き受けるとカゴを机の上に置いて家から出て行った。エルマンダは銃を構えつつその後ろ姿を見送り何事もなかったのを見て安心する。


「私も歳を取った、年寄りの勘なんてあてにならないものさね」


そう言いつつ銃をホルスターに戻そうとするエルマンダだが。何かの気配を再び感じ振り返る。そこにはいつの間にか魔女が立っており。振り返るのと同時に腹に杖を突きつけられた。


「うふふ、老いたわね、クソババア」


この女性の名はゼフィリア。十四年前にようやく終結した第二次魔法大戦の際に何度もエルマンダと戦った相手である。


「何の用だい、戦争はもう終わってるんだ、私達の間に戦う理由なんてもうないだろう」


連合側とデェファニア帝国とその同盟国側での戦争はもう終わっている。だからこそエルマンダとしてはもう目の前の女と戦う理由はない。


「あんた達は勝ったからそう言えるのよ、私達敗者側にとってはまだ戦争は終わっていない」


ゼフィリアはそう言うと何か魔法を発動させた。その瞬間エルマンダは体に魔法が走るのを感じる。


「今掛けたのは三年樹の呪い、三年で死ぬ呪いよ、ずっとあんたを倒したいと思ってたんだ、うふふ、これで私は三年後に何もしなくてもあんたに勝てる!」


「ちぃ!」


エルマンダは即座に銃を撃つがゼフィリアは余裕で防ぐ。


「やはり老いたわね、エルマンダ!」


ゼフィリアは衝撃波でエルマンダを吹き飛ばし吹き飛ばされたエルマンダは壁に激突した。


(チッ…まずいね…)


自分の老いは思った以上に進行している。これでは目の前の女には間違いなく勝てない。そう思うエルマンダが焦っていると一人の少女が帰って来た。


「師匠!!!!!!、…やったのはアンタかぁ!!!!!!」


帰って来て師が壁に力なくもたれかかっているのを見たエフィーは部屋の中にいる女が師に攻撃をして痛めつけたのだと理解し即座に銃を放つ。


「くぅ!?」


エフィーが放った魔法弾は強力でゼフィリアのシールドを破壊した。シールドを破壊されて仰け反っているゼフィリアに近付いたエフィーは回し蹴りを命中させ。ゼフィリアは吹き飛び地面を滑る。


「くぅ…その顔…エルマンダの弟子のエルの娘か…ようやく厄介な女が死んだって喜んでたのに…」


ゼフィリアは怒る事で魔法の出力が上がっており強くなっているエフィーには勝てないと思い転移で逃げる準備を始める。


「ママと戦った事があるの?」


「あるわ、何度も何度もね?、結局私の手で殺せなかったのが残念だわ」


「…」


エフィーは両親を殺さなくて残念だと言う目の前の女に銃口を向ける。


「うふふ、残念だけど転移の準備が済んだわ、また会いましょう?」


ゼフィリアはエフィーが弾を放つ前に転移して消えた。


「…、師匠!」


エフィーは敵が消えたのを見て銃を下ろすとエルマンダに近付く。


「やられたよ、エフィー、三年樹の呪いを掛けられた」


「それって師匠が言ってた、最近帝国が開発したって言う…」


「そう新型の呪いだ」


三年樹の呪いは帝国が開発した新魔法だ。扱いを間違えると自分が呪われてしまうと言う魔法だが。ゼフィリアはしっかりとコントロールしてエルマンダを呪って見せたようである。


「解く方法は…?」


「新型の呪いだ、流石に私でも分からない、ただ解く方法が見つかるかもしれない場所はある」


「それって?」


エフィーは呪いを解く方法があるかもしれない場所はどこなのか聞く。


「世界樹だ、あそこにある世界樹の葉は生命力に溢れていると言う、それを煎じて飲めば呪いが解ける可能性はある」


「なるほど…」


エフィーはならば世界樹に行こうと思う。師の命を救うためにも。


「世界樹は太平洋の真ん中に存在するが、強力な結界が張られていて現状入る方法がない」


「…古代の書物に入る方法が記されていたりしないかな?」


「可能性はある、ね」


「よし!、なら私旅に出るよ!、そして世界樹に入る方法を調べる!」


「分かった、旅に出る事を許可しよう」


エフィーはエルマンダとしてももう旅に出しても良いと思える実力を手にしている。後はきっかけだったがそれは今日来たのだ。


「ただエフィー、今日今すぐ旅立つのはやめるんだよ?、まだ私は三年も生きれる時間はあるのだから焦る必要はない」


「…うん」


焦る気持ちがあったエフィーはこう言う時だからこそ落ち着かなければいけないのだと師の言葉を聞いて思う。


「しっかりと旅の準備をするんだ、良いね?」


「分かった」


エフィーはエルマンダの言葉に頷くと壊れた家の修復を始める。




シホーハッタの街


翌日エフィーは旅をするために必要なものを買い集めていた。幸いこの街での人助けのおかげでかなりゴールドは持っているため旅の準備はそんなに難しいものではない。


「やっほー、エフィー、…なんかあった?」


そこにラナがやって来る。そしてすぐに親友の顔を見て何かあったのでは?と思い聞いて来た。


「師匠が呪われてね、それを解くための方法を探す旅をすることになったの」


「エルマンダ様が!?」


ラナはエルマンダが呪われたと聞き驚く。


「師匠は私を今まで育ててくれた人、絶対に助けなきゃ」


「そうね」


天寿を生き抜くのなら問題ないが死んで終わるのは良くない事だ。だからこそエルマンダの命を絶対に救いたい。エフィーはそう思いながら旅の準備を進めていく。

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