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第九話 見張り役は多忙である

 あれから、私たち男子陣は拠点を立てた後、流れるように物資や食料を集めた。私も一緒にやろうかといったが、なぜか男子陣には遠慮されて私は拠点で待機していた。

 集まった時にはもう日は暮れており、私が見張りしやすいようにといった理由で拠点にした洞窟内で、私たちは焚火を囲うようにして焼いた魚をほおばっていた。

 おいしいな。

 皮も焼いたことで外がパリッとしており、外はぱりぱり、中はうまみと油。私は焼き魚が鉱物になりつつあった。


「リーダー。あん時はありがとうな」


不意に、隣にいたボトルが私にお礼を言ってきた。


「どうしたのボトル?私、なんかボトルに感謝されるようなことした?」

「おいおい...」


ボトルは苦笑しつつ、私の顔をまじめにまじまじと見つめた後、笑いながら言った。


「俺が女子と言い争っていた時、お前は最適解を導き出した。勢力は分断されたけれど、これしか方法はなかった。だけど、俺にはその答えは出なかった。きっと俺なら、女子陣と一日中口論してただろうからな。だから...ありがとう」

「そっか」

「お前にとってはそれが普通なのか...。ほれ」


するとボトルは私の焼き魚がなくなったのを見ると、すっと私に渡してくれた。案外気配りができる男なんだな。と、内心驚きつつも、焼き魚を受け取った。


「なんか俺に対して失礼なこと考えた?」

「いや?」


内心少し驚いた。もしかして、こいつは私と同様のような能力なのか?と、不意に思ったが、きっとまぐれだろう。と割り切って、見張り場に向かうべく立ち上がった。


「それじゃあ、行ってくるよ。みんなは休んでて」


そう言って、私は外へ出た。






そうして見張りに着いたが、やはり初日に動くバカはいないようで。あたり一帯は物音すら立っておらず、そこにあったのは、私の呼吸音のみだった。

 そんな時だった。強い睡魔が私を襲った。どんなに耐えようとも、それは次第に強くなっていく。一瞬でも気を許したら終わりである。

 だけど私も生き物。限界というのは存在する。そしてまさに、今。私の睡魔は限界を踏み越えかけていた。

 ガサッ。自然では基本聞こえはしない音に、私は意識を完全に取り戻し、警戒態勢に入った。


「いるのはわかってる。さっさと出てきなさい」


すると、五つの影が分散したかと思えば、私めがけて攻撃した。反射的にすべての攻撃をかわし、そのうちの一人にカウンターを浴びせる。


「なかなかだな。さすがはセガさんに目をかけられるわけだ」


 月光が強くなり、影の正体があらわになる。彼らのバッジには『A』と書かれており、Aクラスの生徒だということが分かった。私の予想どうり、いつしかは部下が闇討ちでもしてくると思っていたけれども。

 だけど、狙いはハナから私だということがわかれば戦いやすい。


「少し場所を変えよう」


手をかざし、彼ら五人全員に衝撃波を放つ。もちろん私の攻撃を防げるやつなんているはずもなく、まともに食らって遠くまで吹き飛ばされていた。それに追いつくように、私は衝撃波と同等のスピードで走って彼らに休息の間を与えないよう、間髪入れずに攻撃を入れようとした。しかし、それは失敗に終わる。

 魔法使いらしき女子生徒が、私のパンチをシールドのような何かで防いだ。


「へぇ。魔法を使う能力か。それなら他者よりも引き出しが多くて戦いやすそうだな。ただ...」


着地した彼らを差し置いて、私はその女子生徒に近づいてまたもやパンチを放つ。


「それはもう効かないわよ!!」


そういって、先ほどと同様にシールドを展開した。同じ攻撃に同じ魔法。本来なら先ほどと変わらない結果になるのだが、攻撃をするのはこの私。同じ展開なることはまずない。

 一瞬のみではあるが力を使った私の拳はバリアをすり抜け、彼女の頬に強烈な一撃を与えた。


「どうして、私のバリアが効かないのよ!?」

「どうしてなのかはお前が考えるんだな。私はお前に説明したやれるほど時間がないんでね」


会話をしている隙に、私は一気に距離を詰めて彼女を気絶させた。

 彼女が主戦力だったのだろう。ほか四人の生徒は戦闘態勢に入りながらも、足がすくんでいた。


「くそっ!能力値810にどうしてこんな力があるんだよ!俺たちは全員10000を超えているんだぞ!」

「かんけぇねぇ。能力値がどんなに高かろうが、お前たちが私より弱い。それが事実だよ」

「てんめぇ!!」


殴りかかってきた男に便乗して、四方から弓、斧。双剣。大剣の攻撃が迫る。だが、私にとって、その攻撃はどれも遅すぎた。ゆえに、早く拠点に戻ることを最優先としていた私は流れるような攻撃さばきで四人を撃沈させ、そそくさとその場から立ち去った。

 無傷で帰還。だけど一瞬だけ力を使ったことにより、多少の疲労感が出ていた。

 疲れを回復できない。なぜならば、もう夜が明けたからである。ここからは私もみんなと協力して働かないといけないため、ここ3日間は回復する時間はなさそうである。

 見張り役のせいで、セガとの決闘ででかいハンデを背負うことになりそうだなぁ。と、思いながら、私は拠点に着いた。

応が良ければ続編を作って投稿してみようと思っております。面白ければブックマーク等をしていただけると幸いです


 次回はもっと面白い話にしようと心がけながら、今後も続編を書いていきたいなと思っております。応援よろしくお願いします!!

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