たがいしつ
きれいな部屋と真逆で脳みそはすごくごちゃごちゃになってるらしい。ブレーンフォグに至りあまり理解に辿り着けない。
吸血鬼だったら喜んでやまない午前1時、睡眠時間をちゃんと確保する私が稀にも起きているから、そのせいもなくはない。
除菌率ぐらいは1時間前に概念上の昨日になった今日の午後のばかげたやつで当たり前で、眠気などは「無くない」にすぎなくなくない。
意識が私を捨ててふんわりと浮かび、廃水みたいに流れてく。べつに渇いてもない喉を潤す。窓を開けて、ひょっとしたら落ちてしまうまで上半身を出し下げる。一回叫ばせてもらいたいが即民事の案件になっちゃう。
少しの間しーちゃんの部屋の方面に目を取られて、間もなく現実へと戻ってくる。
脳みそとの合わせでごちゃごちゃな髪の毛を手で雑に片付けて、裁縫道具を取り出す。今こそが心身の落ち着きに陥るところ。
霞に入って影を隠すわ。どっか開いたような頭を縫い過去を取り戻すんだ。しけしけしょぼな私を。
そのままでよかったからこそそのままで良かった。
前進も撤退も不要、やばいバランスだってバランスだってことに錯覚すること。
タペストリーに落ちる。2時間だけなくなっていたらいいな。
小さなノックの音が聞こえて頭も意識も浮上する。暗い暗い窓外が前と同じに見えるから同じ時刻ってことに定義できる。
幽霊じゃなければしーちゃんしかありえない。しーちゃんだって数字型パズル部の幽霊枠に入ってるけど。
ゆっくりドアを開いて、外を見る勇気がないからドアと向き合う。見れるわけがない。
「…起きてる?明かり付けたまま寝ちゃったかと思って」
BGMを消した天の川ASMRに心臓が丨かれ丿乀二筋に分かれる。
吸血鬼も心臓をやられたら死ぬって話だけど、よくも生きとるわ。
「もぉかがこの時間に起きてるの、珍しくない?」
役無しのドアの向こうでしーちゃんはなんてのどかなのかな。こっちはとにかく「激」の「げ」なので来ないほうがいい。
声が出ない。無分けばかりだ。情けない。心臓でも分けていたらいい。
「もぉか、…あたしなんか今日の出来事が覚えられなくて」
ドアに持たせてでも悔しみを秘めたくて、できるはずがない。行き先を失った指を粉砕する。
「もぉかは、覚えてる?」
明白に怖がるぶれを私も持っている。
過去が破れたら未来が投影できない。私を殺そうとするかけらが散々散けた水の中で、未知の道を探さなければいけない。
現在までの関係が壊れるのが怖い。私は。
「…ううん、全然。うん、まったく…」
重い罪を被った顔が重力で地面を引っ張る。どれだけ重ねるつもりなの。
してもただ息がしたい人がいたんだ。
互い疾
違い失
箍遺失