くもりなき
半径2回でやっと直径、約を約した計算の課程のほどめんどくさい傘が、隣でありながら隣じゃないこの距離を象徴するようで天気のように重たい。
雲より重い黙々の下はバグりまくって雨も降らない。このまま発達すると嵐になるのかな。憂えながらも解決方案がないからおどおどするだけだ。
いっそ雨の音が全てを呑み込んでくれたら、理由にでも出来たのに。それから私まで呑まれたかった。
時間は腐敗して原型が見当たらない。経ってば経つほど重たい天気は二乗で重なり傘は重ならない。
落ちる雨粒、反転させる窓というエンティティが生徒たちの声をおよそ2.5m上の灰色の空まで上げる。今は、私だけが呑み込まれた気もする。こっけいな。
なんの音も通らないここが、宇宙だったら逃げ言葉でも吐けたのに。
夏の島、私は一人南極で倒れている。6月の異常気象は偽装吸血鬼にこれ以上なく冷淡くさい。
そんなに強く押さなかったのにロッカーの閉じる音が大きく聞こえる。敏感な神経が水気で再コーティングされたテラゾーの床とローファーの摩擦音でひねくれる。
傘とかばんを置いてさっさと教室から逃げる。
今日の花畑は過度な水量に腐れたまま。
洗面台を捕まえて、空えずきの果て深い咳だけ吐ける。また雨が降るのかよく見えないが鏡向こうの人はすごい元気であるはずだ。
あんなにもたくさんな水を背けて水道水で手を洗う。
塩気の混ざった水は海から来た?
黒雲たっぷりの空に彼女がちらつく。
血でもないものを見て高まってやっちゃいそうになるなんて、偽吸血鬼らしいと言う所なのか。なんて愚かなんだ。
真ん中が抉られた状態で不自然に付いたぼろを私は縫えない。聞かせタペストリーは綺麗でなければならないわけだ。
吸血前の挨拶さえもしてなかったことに気づいたらもう言い抜ける道もない。ひやりとするぐらいの非やりだったって。
今日で3日目、渇いた喉は雨で潤せない、渇望は増していく。
水をぶどう酒に変えられるなら彼女の血にでも変えられるけれど、私はノーとしか言われない、たった一人の人間だった。
いっそ吸血鬼だったら、空気読まず一昨日も昨日も今日も押し付けた?
疎ましい考えを反芻する、吐かない。きっとこんな考えより私って倍以上汚い。
なのにどうして、それを知ってるのにどうして彼女を、押し付けようとしないの。どうして。
吸血鬼を被って止めた地球をむりやりに押し、動き始めると今度は反対側から押して止めようとしている。
只今早速だって、彼女に吸血を求めるとすっごく悲しい顔で断念してくれると思う。その顔は今のと比べてどうだろう。
たしか前を遮ってた世界は退けられた。しかし私はどこに立っているのだろう。
誰も詰まり詰まった私を理解出来ない。そして私自分すら。
解せない。
トイレの前、彼女のお待ちを夢見る私って、おとぎ話の中の魔女に憧れるみたい。
偽善も、最後の良心もなれなかったしがない惑いを噛んで、最後夢にでも酔いたい。
ほんのちょっとだけ。
曇りな気(↕︎)
曇り泣き