第一章【個人迷宮】 もしかしなくても最弱?
俺は今、板に表示された、ステータス一覧を前に、とてつもなく興奮している。
「これが俺のステータス、、。」
ステータスが高いかどうかはわからないが、これは見ていて楽しい。
俺は由芭や建助にラインか何かで色々と聞こうとしていたが、そんなことは忘れていた。
「上から見ていくか、、」
歩みの証、多分レベルアップの回数で貰えるんだろう。
「個人迷宮、、、スキル習得率上昇は中々強いのでは?」
これもしかして、俺TUEEEEできる?
「そんでそんで、アイテムドロップ率低下、、ていか、、特大、、とくだい?トクダイ?え?」
なんだそれ?たぶんデバフだろう。
いや待てよ、よくよく考えたらダンジョン系ゲームの醍醐味を奪われたも同然じゃねぇか!
俺がゴブリンを倒した時に何も落ちなかったのはこれが原因だったったってことか。
テンション下がるなぁ。
「次に、、オリジナルスキル習得可能?」
強そうだ、、スキルは持っていて損はないからな。たぶん。
「別の迷宮、、ってことはあそこ以外にも迷宮があるのか!」
そこでアイテムドロップ狙えば良いってことですね?
「適用、、てき、、テキヨー?」
全てのダンジョン共通ってことだよな?
死に物狂いで戦ってもなにも落ちないなんて、ゴミゲーすぎる、、。
「ってことは、、《オリジナルスキル》が超強い的なことか!」
「さぁて俺が貰ったのは?」
「なになに?ぞうじるしアタックかー、強そうだなー、アハハ。、、じゃねーよ!」
台パン反対派のこの俺でも思わず台パンしてまった。ソファのクッションにくぼみが出来ている。
最悪だ、、運営の調整ミスがすぎる。
運営がいるのかは知らないけど。
「みんなはどんなもんなんだ?」
ふと思い出し、建助にラインで聞いてみることにした。
返答はこうだ。
『俺の【ファーストスキル】のこと?それだったら
「貫通刺突」ってやつ。』
なんかかっこいい、、
『効果は使った時に貫通力が上がるってなもん』
『チュートリアルで、ほぼ何でも貫けるって教わったからまぁまぁ良い方だと思う』
何でも、、
「教えてくれてありがとうっと」
感謝を伝えるメッセージを送り、画面を閉じる。
「もう、見るのやめよう」
これ以上ステータスを見てたらお涙頂戴されてしまう。
板が消えた。どうやら念じることで出し消しできるっぽい。
「はぁ、、」
あぁ、悔しい。
最初からこんなに差があるのかよ。
なんだよ「ぞうじるしアタック」って、、
みんなは【ファーストスキル】なんてものを貰ってるんだぞ?
知らないことしかないくせ、弱いときたらどうすれば良いんだ?
同じ土俵にすら上がれてない。
俺と同じ状況にいる人がいるのかも怪しい。
こんなの夢だった方が良かった!
ーー。
いや、この摩訶不思議な夢はまだ始まったばかりじゃないか。
俺だって、レベルが上がればまだ強くなれるかもしれない。
ここで諦めたら試合が終了してしまう。
あの未知を楽しみたいんだ、俺は。
ゲーマーとしても、1人の人間としても。
「強くなろう」
まだ夢が覚めるには早いよな?
「グギュルギュル」
腹の虫が鳴った。
「朝からハードワークだったしな」
少し早めの昼食としよう。
「今日は炊き込ご飯でもしてみるか」
一人暮らしに飽きが来ないように、お弁当以外はなるべく自炊しようと心掛けている。
「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」
「ふぅ、、」
腹が満たされ、少し心に余裕ができた。
よし、考えようか。
「どうやったら強くなれるのか」
〈称号【アンザイオブユアハート】を獲得しました。〉