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俺だけが省かれた。  作者: うぉっほぉ!
序•無知とは怖いもので
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第一章【個人迷宮】  世界迷宮サイト

「え?タクちゃんなんも知らないの?」

「さっきからなんの話?」

 朝のホームルーム前、小学生からの幼馴染、更木サラキ 由芭ユハが話し掛けにきた。


 優しい性格に、整った容姿を持ち合わせる由芭は、学年中の人気者である。同じ高校に入ったのだが、クラスは違っていた。


 しかし、小学校からの仲ということもあって、いつも話しかけに俺のクラスまで来てくれるのだ。

 時折、付き合ってるだとか変な噂が立つが、そんなことはない。


 しかし、今日はどうも話が噛み合わない。


「タクちゃんも迷宮に行ったんでしょ?」

「うん」


「で、チュートリアルってやつ、受けなかった?」

「何それ」

「最初に出てこなかった?こういうの」

 すると、すっとあの板が出てきた。


「これ出せるのぉ!?」

 ということは、あれは夢じゃなかったってことなのか?


「わっ、びっくりしたぁ」

「ふむふむ、、タクちゃんほんとになにも知らないのかー」


 そういうと、由芭は少し間を置き、

「じゃあ今日の放課後、、いろいろ教えてあげる!」

 と、自信満々の顔で言い放った。


 キリよくホームルーム5分前のチャイムが鳴る。


「じゃあまたねー!!」

 由芭は自分のクラスへと戻っていく。


「なぁおいタク!」

 少しして、今度は中学生からの親友、田中タナカ 建助ケンスケがコソコソ声で話しかけてきた。


 野球部で坊主頭のこいつとは、いつも弁当を一緒に食っている。こいつとは同じクラスだ。


 由芭とあまり仲は良くないのか、俺と由芭と建助の3人で話すことはあまりない。


 高校に入ってから7ヶ月、もちろん高校の友達も出来たが、この二人と話すことが多い。


「なんで知らないフリしたんだよ」

「何を?」


「チュートリアルとかの話だよ、、もしかしてタク、由芭に言えないような【ファーストスキル】貰っちゃった?」


 ファーストスキル、、。清算だかなんだかの時に、lock‼︎って表示されてたような、、。


「貰うとは?」

「おいおいタク、俺にまで知らないフリすんのかよ」

「まじで知らないんだって」

「大体分からなくても調べられるだろ」


「へ?」

「んー、、わかった。URL送ってやるから後で見ときな」

 ホームルーム開始のチャイムが鳴る手前で、建助は自分の席へと戻っていった。


 はてさて、少し状況を整理しよう。

 みんなの話を聞く限り、どうやらみんな迷宮には行っているみたいだ。


 しかし、俺と違うのは、皆、【ファーストスキル】というのを貰えていることと、「チュートリアル」というものを受けている(?)ということ。


 みんな、あの迷宮に落ちたという事なのだろうか。


 だとしたら間違いなく死者が出ているはずだ。


 多分、朝に教室がざわついていたのはこれらが原因だろう。

 URLと言っていたのは、、?

 真相が分からずじまいになりそうだ。


ーー教室の扉をガラガラと開け、中に入ってきたのは、担任の堺田サカイダ 御華ミケだった。

若いながらに生徒との距離感が抜群な男で、生徒達によくよく相談されている。


「えー、おはようございます。今朝のことについて、お偉いさんから連絡がきているので、皆さんにお伝えさしてもらいます」


「今日から1ヶ月ほどのお休みです!」


「「「「うおぉぉぉぉ!!」」」」


 教室が歓喜に包まれた。他の教室からも続々と聞こえてくる喜びの悲鳴が、教室内のテンションを上げていく。お祭り騒ぎとはこのことだろう。


 この休みは、今朝の迷宮やらなんやらが関わっていないということはないはずだ。


「はいはい、嬉しいのはわかるけど話聞いてー」

 しかし、先生の発言は虚しく叫びにかき消された。


「宿題、、、出すぞ?」

 ガタガタっと全員が着席し、姿勢を正す。

いや正直すぎるだろ。


 しかし休みか、、もう迷宮とかなんか面倒だし考えなくてもいいかなぁ、、。休みだし!!


「みんなが話を聞いてくれて嬉しいよ」

 笑顔ながらに目が死んでいる!?

 恐ろしい、、恐ろしいよ、、。


「えー、なんで休みになったかというと、皆さんご存知の通り、今朝の一件が原因です」

 今朝の一件というと、皆んなが【ファーストスキル】を貰ったという話かな、、。

 俺の場合は迷宮に落ちたけど。


「詳しくは言わないでもまぁわかるだろう」

 そこ教えてよ堺田先生ぇぇ!


「そして、一番大事な話だが、明日から解放されると思われる、「迷宮」を見つけても絶対に入らないこと。国からのお達しだ。」

「迷宮」?え?

「詳細はまた明日以降、追って学校からも連絡します。」

「以上!帰ってよし!」

 迷宮が明日から?俺は初っ端からそこに落ちたぞ。

 でもみんな行ったらしいし、、。

 説明が欲しいよ、、。

「あっ」

 由芭に教えてもらおう。


「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」


「ごめん、私から言ったのに」

「学校からの指示だし、気にしないで」

「じゃっ、またね〜」

「うんっ、またね!」

 あの後、クラスごとに分かれて下校することになり、由芭に教えてもらうのは断念することになった。

 我らが「舞桜高校」は在校生が多い、そのため、一斉に帰宅すれば、交通機関が麻痺してしまう可能性がある。

 まあ、納得できる判断だ。


 ただ、うちのクラスが一番早くに下校となったので、建助にも詳しく聞いていられなかった。


 途中まで道が同じ人もいないので、仕方なく一人で家路に着いた。

 どこかで健助と寄り道でもできたらよかったのだが、電車で帰宅する人たちは先生が率いて行くそうなので、断念した。


 もちろん、迷宮について先生に聞こうとしようともしたが、迷宮に関する事務作業がどうとかで忙しいと断られてしまった。


  疎外感を感じた、俺が知らないことが、世間の常識として。昨日と何ら変わらない景色が、俺の知らない世界になったのだ。


 皆、真面目に取り合ってくれなかったのは、「調べればわかるから」だそうだ。


ーー。


「ふぅ〜、、」

 帰宅してから、ソファに倒れる。

 山を登るのは結構疲れるのだ。


「登校前に休みのこと連絡してくれても良かったのになぁ、、。」

 まぁ致し方なかったのだろう。


 建助が送ってくれたサイトでも覗いてみるか。

「、、世界迷宮サイト?」

 何だそれ。


 ネーミングに若干センスの無さを感じるが、まぁいい。「世界迷宮サイト」なるものを開くと、目次が出てきた。


「お知らせ」や「掲示板」、「情報まとめ」などをみるに、様々なコンテンツがあることがわかった。

 まず、「情報まとめ」を覗いてみることにした。


「あれ?」

 開けない。お知らせも掲示板も。

「何でだ?」

 はぁ、、。ネタサイトでも送らたか?

 調べたらわかるんじゃ無いのかよ。

「せめてあの時のステータスを見れたらなぁ」


〈ステータス一覧〉


➖➖➖➖➖➖


ネーム:天田 拓次  アマタ タクツギ

〜ステータス〜

lv:2

HP:15/15

MP:10/10

SP:30/30


歩みの証:1

攻略の証:0


職業:無職


個人迷宮:《特殊迷宮》「想いと試練と」

〜迷宮効果〜

[スキルの習得率上昇(超特大)]

[アイテムドロップ率低下(特大)]

[オリジナルスキル習得可能]

(別の迷宮内にも適用)


➖➖➖➖➖➖


〜スキル一覧〜


【アタックスキル一覧】


《オリジナルスキル》


「ぞうじるしアタック」消費SP:2

[クリティカル確率アップ(極小)]

(ぞうじるしでのみ使用可能)

(任意発動)


《ノーマルスキル》


「突き刺し(弱)」消費SP:5

[貫通力アップ(小)]

(先端が鋭利なものでのみ使用可能)

(任意発動)


【サブスキル一覧】


《ノーマルスキル》


「索敵lv:1」

[気配察知能力上昇(レベル依存)]

(常時発動)


「マッピングlv:1」

[マッピング速度上昇(レベル依存)]

(任意発動)


【ファーストスキル】


locked‼︎「???」

???




➖➖➖➖➖➖


 〜称号一覧〜


《唯一称号》


「ファーストモンスターキラー」

人類で最初にモンスターをキルした者のみが手に入れる称号。

[モンスターキル時のドロップ率上昇(大)]

[アタック系統のスキル習得率上昇(特大)]

[アタック系統のスキル習熟率上昇(特大)]

[精算時のレベル上昇率上昇(特大)]


《普及済称号》


「迷宮到達」

迷宮に踏み入りし者が手に入れる称号。

[迷宮内での恐怖耐性(大)]

(常時発動)


「、、。」

 できたぁ、、。

〈称号【2話目も読んでくれた勇者】を獲得しました。〉



本日の更新はここまでとさせていただきます。

感想頂けますと幸いです。

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