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落ちこぼれエンチャンターとざまされ勇者達(1)

"ざまされ"とはざまぁされたって意味です(笑)

分かりますよね(ノ∀`)タハー

 デバフの神様


 落ちこぼれエンチャンターとざまされ勇者達(1)



 これは落ちこぼれエンチャンター"リヴァイス"の物語。


 本来の【付与術士(エンチャンター)】という職業を紹介しよう。


 それは時に身体強化を、時に属性魔法を、武器に、自身に、仲間に施し恩恵を与えて戦うオールラウンダーだ。悪く言えば器用貧乏、なんでもできるが突き抜ける強さが無いとされてきた不遇な職業だった。


 しかし、時代は彼ら【付与術士(エンチャンター)】に味方した。日々進化する武器防具や迷宮から出土する"遺物"には自分の攻撃の後に追撃でダメージを与えられる物が登場したのだ。時には物理ダメージを、時には魔法ダメージを。装備品の数だけ、追加ダメージが敵に加算されるのだ。武器に一つ、兜に一つ、鎧に一つ、盾に一つ、装飾品に一つ。装備する数だけで一振の打撃に装備数のダメージを"ある程度の確率で"加えられる。


 それらの"追撃武具"に最も相性のいい職業が【付与術士(エンチャンター)】だった。職業補正で追撃の確率を跳ね上げられるのだ。一振りすれば何十倍ものダメージを与えられる火力職になる。冒険者パーティーの参加要請第一位の人気職業へと昇華した。器用貧乏と言われていたのはもう過去で、【付与術士(エンチャンター)】は多くの人の憧れの職業へと変貌を遂げた。


 一家に一台、パーティーに一人はいて欲しい、そんな職業である。


 本来なら。


付与術士(エンチャンター)】の中には突き抜けた強さを求める者がいる。どこまでもどこまでも大ダメージをたたき出すことに腐心し、他を顧みない者だ。火力を求めることは上手く行けば英雄、そうでなければ鼻つまみ者の二択になるギャンブル要素の強い選択になる。


 あまりにも大ダメージを意識し過ぎるあまり、防御が疎かになるからだ。だからヒーラーが忙しい思いを強いられるし、壁役がヘイトを維持できなくなって、バランスが崩される。【付与術士(エンチャンター)】のためのパーティー構成を余儀なくされることも多い。もはや中心と言っても過言ではない。人はそれをからかいを込めて"王様プレイ"と呼んだ。


 そんな【付与術士(エンチャンター)】最強時代に、彼は誕生した。


 その名をリヴァイス。


 器用貧乏の器用が抜けた、スキル貧乏の【付与術士(エンチャンター)】。彼には人を強化する類の術を操る技術が無かった。できるのは敵をバッドステータスにする所謂デバフと、掛けられたデバフを転写反転させる技術だけだった。


 拾ってくれるパーティーには尽く振られ、捨てられる。


 ある時は「役立たず」と罵られ、ある時は「要らない」と言われ、ある時は囮にされた。


 「ちくしょう」


 何度地面を殴ったか知れない。


 しかし、腐っても【付与術士(エンチャンター)】、彼は強かった。主にメンタルが。


 「勝てばいいんだ勝てば」


 この言葉をモットーに彼はモンスターに対して容赦が無かった。


 登録冒険者が最初にする討伐依頼の定番、一撃で倒せる相手にさえ、毒を付与して嬲る。近寄れないようにしてから麻痺を、坂道の上に立ってから凍結を、気絶させてから拘束を、回避してから恐怖を、油断させてから出血を、ありとあらゆるデバフをもたらした。


 そうして付いたあだ名が"デバフの神様"だ。


 最初は揶揄いを、後には敬意を。


 落ちこぼれエンチャンターの快進撃の物語。




 だったらいいんだけどね?




お読みくださりありがとうございました。


良ければ下の

☆を★★★★★にしてくださいませ~

"(ノ*>∀<)ノ

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