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第3話 新学年がゆえに係分担をする。

「よーしみんな席に就けー。今から自己紹介と係分担をするぞー。」

新学年の恒例行事、自己紹介に係分担。

ふみ、俺、裕二と自己紹介が済んでいった。

「24番、森―――――」

拍手。パチパチパチ。次はいよいよ。

「25番、白谷陽花里です。あの、ほ、本が好き、です・・・。1年間、よ、よろしくお願いします・・・」

俺たちを殺し屋のような目で睨んでた女子。白谷さんっていうのか。

やはり白髪ボブがよく似合う。ボブ好きの俺にとっちゃドストライクだ。

睨まれていたのが夢なのではと思うくらい、かわいらしい顔立ちで優しい瞳を持っていた。

実際、周りの男子も「おい、あの子めちゃくちゃかわいくね?」とざわついていた。

そして何よりも印象に残ったのは、この子――――

おっぱいが大きい。かなり大きい。

ふみも決して小さくはないが、大きく見ても戦闘力はCほど。

それに対し白谷さんはF、いや、Gに達するほどの戦闘力だ。


そんなことを考えていると、後ろから殺気を感じた。

「ねえ、駿。何を考えてたのかな??」

ここにもいた。殺し屋が。

これは俺の思考がばれてる。敏感だからこそわかる。だがここで

「白谷さんとおっぱいの大きさを比べてただけだよ!テヘペロ!」

なんて言ったら、俺は彼女も作れないまま、ここで永遠の眠りにつくことになるだろう。

こういう時は、

「いや、(白谷さんの)スタイル良いなって思ってさ。」

ふみに触れず、白谷さんについてだけ話す。

「え!?なんでいきなりそんなこと言うの!?(私の)スタイルが良いだなんて・・・」

「お前が何考えてたのかなんて聞くからだろ。」

「男の子はもっと、その、大きいほうがいいんじゃないの?」

(私、Cだから巨乳とまでは言えないだろうし・・・)

「いや、俺はこれ(白谷さん)くらいが一番好きだな。」

(でかいに越したことはないけど、大きすぎてもだよなぁ・・・)

「そ、そうなんだ。てっきりあの子の胸と私の胸を比べてるのかと思ったよ。」

(これくらいが好きなら、もう大きくしようとしなくていいかな・・・)

「そんなわけないだろ・・・。(もう)比較なんてしないよ。(白谷の圧勝だからな)」

やっぱりバレてた。白谷さんの目も怖かったが、こいつの俺の思考を読む特技(?)も十分に怖い。

「えへへ。そっかそっか。疑ってごm・・・」

その時、俺とふみの間を裂くように何かが凄まじいスピードで飛んできた。

「シャー芯・・・?」

壁にぶっ刺さっている。一体どこから誰が・・・。


「それ以上近づくな・・・」


シャー芯による殺人未遂事件は解決しないまま自己紹介は終わり、係分担へと移った。

「ならまずは学級委員を決めるぞ。なりたいやつはいるかー?」

「はぁぁい!!!!!!」

元気よく手を挙げる。よし、俺だけだ。

主に号令をかけるだけだが、学級委員は誰もやりたがらない。なぜだろう。

「よーし、なら黒川は決定だな。女子でやりたいやつはいるか?」

ふみのほうをちらりと見る。勇気が出せないんだろうか。周りを窺いながら手を挙げようか悩んでいるように見える。

「どうしたんだ?するんじゃなかったのか?」

「そのつもりだったんだけど、駿があんなにバカっぽく手挙げるから、あの後に挙げるのなんか恥ずかしくて・・・」

「おいバカ呼ばわりするな。元気が良いと言え。誰もいないんだから早く手挙上げろ。」

「しゅ、駿は私と学級委員したいとか思ってたりするの?」

「したいとかじゃなくて、お前がするって言ったんだろ。」

「ふーん。ならすればいいんでしょすれば。はーい先生、私学級委員なりまーす。」

(駿って乙女心をわかってなさすぎるよ。まったく、なんで私はこんなやつを・・・)

何で怒ってるんだこいつは。

(まさか「ふみお前とじゃなきゃ嫌なんだ」みたいなセリフが欲しかったのか?

いやいやいや、ふみに限ってあり得ない。第一、そんなきざなセリフ言えるわけないだろうが!!)


「おー赤海、助かった。ありがとう。」

先生が黒板に俺とふみの名前を書く。

「ここからは学級委員の二人に司会、進行してもらう。よろしくな。」

初仕事が係分担の司会、進行。学級委員あるあるだ。

「わかりました、先生。では今から先生に代わって、僕たち学級委員が司会進行をさせていただきます。まず代議員から―――――――」


「これで全員に係が分担されたかな・・・」

あれ。

「先生、一枠余ってるんですが。」

「ああ、うちのクラスは他のクラスより男子が一人少ないから、誰か男一人が二役してもらわないといけないんだ。」

「ああ、そういうことですか。なら僕が入っときますよ。」

主な仕事は授業開始と終了の号令くらいだし。

「そうか、それは助かる。さすが学級委員だな。」

「いえ、大丈夫ですよ。空いてるところに名前書いときますね。」

「ありがとう。じゃあ、学級委員の二人、席に戻っていいぞ。」


先生のあいさつと連絡が終わり、俺の高校2年生初日も終わりを迎えた。

「早く帰るよ、駿。」

「おう。帰るか。」

(よし、今年こそは必ず彼女を作るんだ・・・!敏感でも主人公になれるってこと、ラブコメの神様に見せてやる!)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


学級委員 黒川駿 赤海ふみ


図書委員 黒川駿 白谷陽花里

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