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「TODAY」

作者: ともえ


今日、とは、現在過ごしている日、本日。


今日、とは昨日、の次の日。


明日の、明日の延長で。


明日?


明日とは、今日の次の日。


次の日?


今日、明日、昨日、今日、明日、昨日


もしもし

もしもーし

え?なに?

え?なになに?




主人公、という存在がいる。物語には主人公が欠かせない。

主人公は中心にいる、ただそれだけの存在。



あ~あぁ、(あくび)よく寝たなぁって、携帯をみて、うだうだ、うだうだ。

それから、伸びをして、右に3秒、左に2秒。

うわぁ、あれもこれもやんなきゃなぁって、思って、やりたくなくて、びっくりするくらい目が開かなくて、あたまが痛くなった気がして、また布団へと沈む。

っていう自分と全部やってしまおうってなる自分、ってか私が戦って、まぁ気持ちだけ、軽くって感じで、そんな感じで。色々と後回しにしてるっぽい、何事も。


で、パソコンに向かうんだけど、あれ?疲れてきたなぁって五分、笑ってしまう自分に、ってか私に 


私のバーカ バーカ バーカ


A「バーカ」


は?まぁ、で、もう無理だってなって、また寝て、寝たいんだけど寝すぎたから寝れなくて、起きる、けど本当は眠たい、起きる、あれ、今、何したいんだっけ


A「バーカ」


は?あぁ、もう嫌だ、なにもかもやりたくないって、なって、ぐる、ぐる、と、ぐるぐると、頭の中ぐちゃぐちゃになって、ぐるぐるとぐるぐるとどこか飛んでいきたいそんな気分で、ぐるぐると、ぐるぐると・・・・・



回り続ける主人公。




その周辺にいる女と男が動き出す。


A「わーーーーーーーー」



女 「あ、そうだ、お昼ごはん食べた?」

男 「え、食べたんじゃない?」

女 「じゃない?ってなに」

男 「食べた、かなぁ」

女 「覚えてないの?」

男 「う~ん」

女 「う~ん」


A「わーーーーーーーーー」


男 「あ、思い出した」

女 「なに」

男 「食べた、ほら、カレー」

女 「え?」

男 「え?」

女 「え?」

男 「え?」

女 「え?」

男 「え!」

女 「カレー?」

男 「うん、カレー 」

女 「今日も?」

男 「うん。ってかさ、一緒に食べたじゃん」

女 「え?違うよ」

男 「は?」

女 「昨日じゃん、それは」

男 「え?」

女 「昨日だよ、一緒にカレー食べたの」

男 「違うよ」

女 「は?」

男 「今日、今日だよ、一緒に、一緒にカレー、カレー食べたの」

女 「違うってば、昨日だよ」

男 「今日だよ」

女 「昨日」

男 「今日」

女 「昨日」

男 「今日」




A「わーーーーー」



A「だれかーーー だれかーーーーだれかーーーーーー」


女 「え~今日だっけ」

男 「多分」

女 「まぁ、いいや、それでさ、明日、何する?」

男 「明日?」

女 「うん」

男 「なんかあったっけ」

女 「はぁ?忘れたの?」

男 「いやいやいや、覚えてるって」

女 「本当に?」

男 「・・・・・何だっけ」

女 「覚えてないじゃん」

男 「ごめんごめん」

女 「バーカ」

A「バーカ バーカ バーカ」



男「ごめんってば、なんだっけ」

女 「一年」

男 「ん?」

女 「付き合って一年記念日、でしょ」

男 「あぁ」

女 「あぁじゃない」

男 「そういえばそうだ」

女 「もう」

男 「あれ?でもさ、その話いつかしなかったっけ?」

女 「え、してないよ、だって、忘れてたじゃん」

男 「いや、まぁ忘れてたけど、したよ、多分」

女 「してない」

男 「え~、あ、ほら、水族館いこうってなったじゃん」

女 「は?」

男 「え」

女 「浮気だ」

男 「なんで」

女 「私以外の人とも関係もってるでしょ」

男 「んな訳ない、確かにお前と、この話したの」

女 「意味わからん」

男 「で、どうする?」

女 「え~明日決めない?」

男 「当日に?」

女 「なんか決めるのめんどくさくなった」

男 「そう?」

女 「明日決めよ、明日」

男 「・・・じゃあ、明日に」



明日に、明日に、明日……に。


B「明日なんてこない」


B「明日なんて来ない」

A「うるさい」

B「明日なんて来ない」

A「うるさい、うるさい、うるさい、うるさい」

B「信じても無駄なの、だって明日は来ないから」

A「なんで」

B「もう十分分かったでしょ、信じたって今日は終わらない」

A「終わる」

B「今日は終わらない、明日は来ない」

A「そんな訳ない」

B「ずっとずーっと」

A「うるさい」

B「繰り返し繰り返し、この時間がやってくる」

A「黙れ!」


B「あなたは終わらせられる?」


A「知らない」

B「私も」

A「どうして」

B「分からない」

A「もう嫌」

B「そんな風に言わないでよ」

A「もう嫌だ」

B「・・・」

A「だれか・・・・」





主人公は中心にいる存在、それだけ。その周りがいくらもがこうと主人公にはなれない。そんな単純な話。そんな残酷な話。




あ~あぁ、(あくび)よく寝たなぁって、携帯をみて、うだうだ、うだうだ。

それから、伸びをして、右に3秒、左に2秒。うわぁ、あれもこれもやんなきゃなぁって、思って、やりたくなくて、

びっくりするくらい目が開かなくて、あたまが痛くなった気がして、また布団へと沈む。


っていう自分と全部やってしまおうってなる自分、ってか私が戦って、まぁ気持ちだけ、軽くって感じで、そんな感じで。色々と後回しにしてるっぽい、何事も。


で、パソコンに向かうんだけど、あれ?疲れてきたなぁって五分、笑ってしまう自分に、ってか私に 

私のバーカ バーカ バーカ


お腹すいたなぁ、お昼って呼ぶにはだいぶ遅いし、

なんなら15時だからおやつの時間だけど、がっつり食べたいそんな気分で、気分はあるけど動かなくて、


あ~、うん、なんか、食べたいものはあるけれど実際そこまででもないかも的なアレみたいな感じで、そんな感じで


そういえばやらなきゃいけないことがいっぱいあるんだった、あ、あ、やらなきゃ、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、やばいやばい、今日中に、今日中に、やらなきゃいけないって考えるとぐるぐると、頭の中ぐちゃぐちゃになって、ぐるぐると、ぐるぐると、どこか飛んでいきたいそんな気分で、ぐるぐると、ぐるぐると・・・・


女 「もしもし?」


あ、もしもし


女 「もしもし」


もしも~し


女 「え?なに?」


え?なになに?


女 「なんか、電波悪いみたい」


え?なになに?


女 「一回切るね」


え?なになに?あ、切れちゃった、で、やっぱり私は、頭の中ぐちゃぐちゃになって、ぐるぐると、ぐるぐると、どこか飛んでいきたいそんな気分で、ぐるぐると、ぐるぐると・・・・


女 「もしもしー」


あ、もしもしー


女 「あ、よかった、なんか電波がさ」


うんうん


女 「切れちゃったみたい」



女 「今大丈夫?」


大丈夫よーどした?


女 「ねぇ、もう、聞いてよ」


なに~またなんかあった?


女 「もう無理かもしれない」


どしたの


女 「もう無理なのかなぁ」


落ち着いて


で?なにがあったの?


女 「涼介がね」


うん


女 「私達、明日一年記念日なの、」


あ、おめでとう


女 「違うの~~~」


は?泣くなや


女「もう無理じゃん~~~」


落ち着け


女「で、涼介が一年記念日を忘れてたの」


まじか


女 「しかも浮気してるかもしれなくて」


え!うそ


女 「だって、まだ予定なんも決めてなかったのに水族館だよね?とか言い出すし」


う~ん


女 「くそやろ~~~ぼっこぼこにしてやる」


まだ確定じゃないでしょ、落ち着いて


女 「う~」



A「わーーーーーーーーーーーーー」



これで、何度目の会話なんだろうか。




A「鍵、鍵、鍵」

B「鍵?」

A「探してる鍵がある」

B「鍵 」

A「その鍵さえあれば」

B「あれば?」

A「・・・今日が終わる」

B「え?」

A「かもしれない」

B「あははは」

A「なんで笑うの」

B「あなたには無理ね」

A「なんで」

B「なんででも」

A「うるさい」

B「無理よ」

A「うるさいな」

B「明日は」

A「やめて」

B「来ない」

A「わーーーーーーーー」



A「あ、」



はぁ~、なんか、なんにもやりたくなくなっちゃった、休憩休憩


A「おーーーい」


喉乾いた、水水


A「おーーーーい」


あ、新作上がってんじゃん、みよ


A「おーい  おーい おーい】


A「ねぇねぇねぇねぇ!」



謎 「だから言ったでしょ」

大 「・・・・」

謎 「無駄なのよ」

大 「嫌だ」

謎 「もうすぐ今日は終わる、そしたら、また、今日が来る」

大 「今日は来ない」

謎 「来るの」

大 「来ない」

謎 「来なかったらどうなるの?」

大 「明日が、来る」

謎 「ははは」


謎 「明日は来ないの」



あ~あぁ、(あくび) よく寝たなぁって、携帯をみて、うだうだ、うだうだ

それから、伸びをして、右に3秒、左に2秒。うわぁ、あれもこれもやんなきゃなぁって、思って、やりたくなくて、

びっくりするくらい目が開かなくて、あたまが痛くなった気がして、また布団へと沈む。

っていう自分と全部やってしまおうってなる自分、ってか私が戦って、まぁ気持ちだけ、軽くって感じで、そんな感じで。色々と後回しにしてるっぽい、何事も。


で、パソコンに向かうんだけど、あれ?疲れてきたなぁって五分、笑ってしまう自分に、ってか私に 

私のバーカ バーカ バーカ


A「バーカ」


は?まぁ、で、もう無理だってなって、また寝て、寝たいんだけど寝すぎたから寝れなくて、起きる、けど本当は眠たい、起きる、あれ、今、何したいんだっけ


A「バーカ」


は?あぁ、もう嫌だ、なにもかもやりたくないって、なって、ぐる、ぐる、と、ぐるぐると、頭の中ぐちゃぐちゃになって、ぐるぐるとぐるぐるとどこか飛んでいきたいそんな気分で、ぐるぐると、ぐるぐると・・・・・



回り続ける主人公。

その周辺にいる男と女が動き出す。



男 「あ、そういえばお昼食べた?」

女 「え?食べたよ」

男 「何食べたの」

女 「カレー、かなぁ」

男 「かなぁ、なんだ」

女 「っていうか一緒に食べたじゃん」

男 「え?」

女 「一緒に食べたじゃん、カレー、一緒に食べたじゃん、カレー」

男 「え?」

女 「え?」

男 「え?」

女 「え?」


A「ねぇ」


男 「それ、昨日じゃん」

女 「え?」

男 「一緒にカレー食べたの、昨日だよ」

女 「え?今日だよ」

男 「昨日だよ」

女 「今日だよ」

男 「昨日」

女 「今日」


A「ねぇ!」


男 「まぁ。いいや、それよりさ、明日どこいきたい?」

女 「明日?」

男 「え?」

女 「明日、なんかあったっけ」

男 「は?」

女 「えぇ」

男 「まじ?」

女 「なんだっけ」

男 「一年」

女 「あ、」

男 「付き合って一年記念日だろ、明日」

女 「あぁ」

男 「忘れてたじゃん」

女 「いや、覚えてたんだけどさぁ」

男 「なに」

女 「一年しか付き合ってないっけ、私達」




A「どうすればいい?どうすれば終わる、どうすれば、どうすれば」

B「わーーーー」

A「うるさ」

B「あなたには届くのにね」

A「は?」

B「あなたの声も私には届く」

A「言いたいことがあるならはっきり言って」

B「別に」

A「あっそ」

B「哀れよね」

A「なに」

B「あなたも、私も」

A「は?」

B「みんな哀れなの」

A「みんなって誰」

B「みんなはみんな」

A「わけわかんない」

B「うすうす気づいてるんでしょ」

A「いい加減にして」

B「私たちに今日は終わらせられない」

A「・・・・」

B「だから、哀れなの」

A「うるさい」

B「もがいてももがいても、何もできないんだから」


B「ね、あなたもそうでしょ」


Bが男の肩をたたく。


男 「え、」


Bは踊り、Aは歩き続ける。


ぐるぐると、ぐるぐると・・・


男 「え、」


ぐるぐると、ぐるぐると・・・・


B「今日なのよ」

男 「今日・・・」

B「ずっと」

男 「ずっと・・・」

B「明日は」

男 「来ない・・・?」

A「わーーーー」


男 「びっくりした」

A「えっ」

男 「え?」

A「届いてる」

B「ほんとだ」

A「届いてる!」

B「ほんとだ!」


二人、喜び合う。


男 「はぁ・・・」


男、 あたりを見渡す。


男 「え?」


女 「浮気、してるでしょ」

A「わーーーー」

男 「いや、そんなこといってる場合じゃなくて」

女 「は?誤魔化そうとしても無駄だから」

男 「そうじゃなくて」

女 「は?」

男 「カレーを一緒に食べたのは確かに今日で」

女 「はぁ」

男 「明日は記念日なんだよ」

女 「うん」

男 「でも明日は来ないんんだ」

女 「はぁ?」

男 「ずっとずっと、このまま、このまま、このまま」


男は動かなくなり、寝る。女は静かにそれは見つめたまま。


女 「もしもし?」


もしもし


女 「あぁ、ごめん、大分落ち着いた、うん、確定ではないんだけどね、確かに」


でしょ


女 「でもさぁ、記念日忘れるのはひどくない?」


まぁね


女 「まぁ毎年のことだから私も若干忘れてはいたんだけど」


あれ?


女 「なに?」


毎年?


女 「?うん」


一年記念日じゃないの?


女 「あれ?そうじゃん・・・・」


女も動かなくなり、寝る。



A「あと、どれくらい残ってる」

B「あと、少し」

A「はぁ」

B「飽きちゃった、もう」

A「疲れた」

B「うん」

A「私の声は誰にも届かない」

B「届いたじゃない」

A「まぁ」

B「私と、あの人と、それから・・・」

A「私が届いてほしいのは」

B『・・・・」

A「一人だけ」

B「分かってる」

A「なんで」

B「哀れだね、ほんと」

A「そうね」

B「・・・明日には、また」

A「明日は来ない」

B「そうね」

A「今日が来る」

B「今日はまた」

A「何かが変わるかな」

B「変わらないでしょ」

A「変わることはできないかな」

B「誰が」

A「私達」

B「変わらないわよ」

A「・・・・」


B「変わったって、今日は今日のまま」


B「起きて」


Bが男と女を起こす。


男 「そういえばさ、明日、一年記念日じゃん、これ、よかったら一緒に行きたいなって思って」

女 「え、行きたかった水族館!」

男 「うん」

女 「うれしい!楽しみだなぁ」

男 「明日楽しみだね」

女 「うん!」




A「明日は来ないよ」

B「もう届かないよ」

A「知ってる」

B「今日が終わるわね」

A「うん」

B「かなしい?」

A「ううん」

B「じゃあ、なに?」

A「なにもない」

B「そう」

A「なにもないがある」

B「うん」

A「私には、なにもないがある」



AとB、動かなくなる。


あ~あぁ、(あくび)よく寝たなぁって、携帯をみて、うだうだ、うだうだ

それから、伸びをして、右に3秒、左に2秒。うわぁ、あれもこれもやんなきゃなぁって、思って、やりたくなくて、

びっくりするくらい目が開かなくて、あたまが痛くなった気がして、また布団へと沈む

っていう自分と全部やってしまおうってなる自分、ってか私が戦って、まぁ気持ちだけ、軽くって感じで、そんな感じで。色々と後回しにしてるっぽい、何事も。


で、パソコンに向かうんだけど、あれ?疲れてきたなぁって五分、笑ってしまう自分に、ってか私に 

私のバーカ バーカ バーカ



あ、おなかすいたなって、冷蔵庫の中をあけてもなんにもなくて、がっかりして、じゃあいいかってまた布団に戻って、あ、でもやらなきゃいけないこと多いんだった



は? まぁ、で、もう無理だってなって、また寝て、寝たいんだけど寝すぎたから寝れなくて、起きる、けど本当は眠たい、起きる、あれ、今、何したいんだっけ


は?あぁ、もう嫌だ、なにもかもやりたくないって、なって、ぐる、ぐる、と、ぐるぐると、頭の中ぐちゃぐちゃになって、ぐるぐるとぐるぐるとどこか飛んでいきたいそんな気分で、ぐるぐると、ぐるぐると・・・・



あ、もうこんな時間じゃん、今日おわっちゃうじゃんって後悔して、やることなんにも終わってなくて、あ~しゃ~ないとりあえず寝るかって感じで、そんな感じで今日が、終わる




それは、とある話。不思議な「今日」の話。主人公が中心に居続ける限り、「今日」は永遠に終わらない。それだけのこと。



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