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暇潰市 次話街 おむにバス  作者: 誘唄
かくれんぼ【夏のホラー2021】
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「見つけて」

【夏のホラー2021】の【かくれんぼ】という題材で書いています。

それ系の言葉を使っていればOKかなぁ、という緩めの基準なので、若干テーマとはズレているかもしれません。



本項のタグ:「夏のホラー2021」「かくれんぼ」

「宝物」「優しくてふわふわのお兄ちゃん」

 

 大切なものは大事にしまっておきなさい。そうしないと取られてしまうよ。


 優しくてふわふわのお兄ちゃんは、そう言って隠していた宝物を見せてくれた。

 新しいお母さんのサンダル。

 お父さんの革靴。

 妹のおしゃぶり。

 大事にしまい直すお兄ちゃんを見ながら、新しいお母さんとお父さんが笑っていたのを思い出す。


 二人でおしゃぶりを探しても見つからなくて、どこに隠したのか聞かれたっけ。


 妹にイジワルなんかしないよ。


 嘘はいけないことだと教えられたのはなんでだろう。お兄ちゃんがくわえていたのに。

 見つけたご褒美におしゃぶりを貰ったお兄ちゃんは嬉しそうだった。


 それを見てお父さんと新しいお母さんは笑っていた。お兄ちゃんが大事にしまうのを見ながら、サンダルと靴があるって笑っていた。

 大切な宝物だから、大事にしまっておきなさいねって。


 その日からお兄ちゃんはわたしに話しかけてくれる。


 内緒だよって。

 散歩をする度に、しまってある宝物を教えてくれる。

 近所のワンちゃんみんなの宝物もあるんだよって。

 みんな大切なものはしまっているんだよって。



 きっとわたしのお母さんも、どこかにしまってあるんだ。


 お父さんはとってもとってもお母さんを大切にしていたから。きっと誰にも取られないように、しまってあるんだ。



 新しいお母さんはお父さんと妹とお兄ちゃんを大切にしている。

 お父さんも新しい家族を大切にしている。



 大切な家族をお兄ちゃんみたいにしまわないのかな。


 そう思ってお父さんに聞いてみた。

 みんな一緒におうちにしまっているんだよ。そう言ってお父さんは笑っていた。



 お母さんもおうちにしまってあるのかな。

 探せば見つけられるかな。

 お兄ちゃんにお母さんを見つけたいと話したら、手伝うって言ってくれた。嬉しそうに尻尾を振りながら。



 優しくてふわふわのお兄ちゃんは、穴を掘ってくれた。


 わたしと妹が入れるくらいの大きな穴。

 大切で大好きな妹を抱きしめて、その穴を覗き込んだ。

 新しいおしゃぶりをして眠っている妹がとても可愛い。その柔らかさと温かさを抱きしめながら、穴の中へと降りていく。



 お父さんは探してくれるかな。

 新しいお母さんは手伝ってくれるかな。

 きっとかくれんぼだったらすぐに見つかってしまう。


 お兄ちゃんが宝物をしまっているのはみんな知っているから。






 お兄ちゃんの尻尾が土を叩く音で、お母さんに寝かしつけられたことを思い出す。


 ここでゆっくりと眠っていよう。

 妹と一緒に、お兄ちゃんの近くで。

 穴の中にしまってあった、お母さんの指輪を握りながら。




 おうちではない場所で、お母さんと一緒にしまわれよう。



 誰かが頭を撫でてくれる。



 あぁ、お母さんだ。


 やっぱりお父さんは、大切なお母さんをしまっていたんだ。


 妹を抱きしめて。


 お母さんと手を繋いで。




 わたしは土の中にしまわれている。






鬼が知らないうちにかくれんぼが始まっている。

そんな話を書いてみました。


そんなに珍しくもないですよね、家猫相手だと特に。(流石に土の中に隠れてはいないでしょうが)


どれだけ呼んでも返事もなく、外に出てしまったのでは? と不安になることもしばしば。

まずは落ち着いて確かめましょう。

欄干とか棚の上、ソファの下、布団の隙間やカーテンレールの上……。

そんなところから、奴らは静かに見守っています。

見つからない? そんな時は、そこを探しているあなたの背中を見ながら移動してやがります。


おのれ、猫。

絶対わざとやってるよなぁ……!




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