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暇潰市 次話街 おむにバス  作者: 誘唄
「単話3」
51/279

キョクホク熊の越冬の様子

動物動画の特集のような番組をたまにやってますね。

珍しい動物の生態や、知られた動物の貴重な映像など多岐に渡ります。

今回はそんな感じで書いてみました。


本項のタグ:「たぶん実在しない動物」「レアな動画」「コラテラルダメージ」

 すっかり秋が深くなり、もうすぐそこまで冬がやってきましたね。


 動物たちも越冬のための準備をしているようです。

 今日はその中でも珍しい、野生のキョクホク熊が越冬準備を行う様子。その貴重なシーンをお届けします。

 今回は撮影スタッフが猟友会の方々の協力のもと、実に7年に渡って同行させていただき、この貴重な映像を撮影することができました。





 画面に映る真っ黒な毛並みの巨体は、身長3メートル。これでもキョクホク熊の中では小柄な方で、観測された最大のものは8メートル以上もあるそうです。

 楢や松の木の幹を丸かじりしているのは、伸びた歯が痒くなるためと言われています。その力はとても強く、木がない地域では岩を代わりに噛み砕いている姿も。


 四つ足で歩く姿はどこか愛敬があり、可愛らしさも感じられますが、実は熊ってとても足が速いのを知っていますか?

 四つ足で歩く時でも時速5キロと、人間が歩く速度とほとんど同じ。そのまま走った場合でも、時速30キロになります。


 これは飼育されている熊の記録ですが、クラウチングスタートでは50メートルを2秒ちょっとで走った記録もあります。人間が遭遇した場合には逃げようがないですね。


 映像にも映っていますように、キョクホク熊は非常に獰猛で肉食。今まさに森林を徘徊する大鹿に向かっていく姿には、野生生物が持つ獰猛さが溢れ出ています。その腕力が非常に強いことや、とても頑丈な皮膚に覆われていることは、今の映像でもご理解いただけることでしょう。



 しかし成熟したキョクホク熊の場合はこの比ではありません。昨年自衛隊駐屯地に迷い込んだ7メートル級のキョクホク熊は、銃撃や砲撃に怯むことなく戦車を転がたり食いちぎったりしましたが、何も食べずに去って行きました。それだけのことを遊びとして行うような危険生物なんですね。



 どうやら大鹿との戦いに勝ったキョクホク熊は、その死骸を前にして越冬準備に入るようです。

 戦いの最中に刺された角を掴み、引き抜きましたが、これは脱皮する際に引っかかるためですね。


 そう、脱皮です。


 動物園では撮影されたり開示されているのでご存知の方も多いでしょうが、野生の熊の脱皮する様子を捉えた映像は世界初のことです。瞬き厳禁でご覧ください。



 背中が割れるようにして、中から真っ白な熊が背伸びをする様に出てきました。動物園では身を守る必要が薄いためか、あまり真っ白にはならないのですが、自然界では実に美しい純白の熊になるんですね。


 足を皮から抜き出そうとして、皮を掴んで転がっている様子は実に愛らしいですね。

 天然物の熊皮はこの瞬間を猟友会の方々が狙って襲撃することで入手されているのですが、これは非常に危険な状態なんです。


 なにしろ戦いを終えて食料を置いた状態。しかも脱皮をして体力的には相当消耗しています。

 それならむしろ簡単に倒せると思われる方もいるかも知れません。しかしこの状況の熊は非常に気が昂ぶっており、飢えている状況です。

 本来なら脱皮した後の毛皮に、先ほどの大鹿の死骸を詰めて、巣に持ち帰ってゆっくりと食べるのですが、その場合は脱皮した皮も食べられてしまいます。そのため猟友会の方々はこのタイミングに襲撃を行うわけですね。そこには気配を消すことに長けた熟練の技術があり、素人が真似できるようなものではありません。また、無理に討伐するのではなく追い払うことも含めた連携は、命を預け合う信頼があるからこそなんですね。


 しかし熊もそう簡単に食料を渡すことはありません。猟友会の方々とは違い気配を消し切れていなかったのでしょう。

 キョクホク熊が撮影スタッフに気がついたようです。この映像が途切れる最後の一瞬、顔がこちらに向いているのがわかるでしょうか?


 リアルタイムにデータ保存されていたため映像は熊の腹に消えずに済みましたが、撮影に使われた機材などはこの一瞬のうちに全て熊の食料になったわけですね。




 越冬準備を終えた熊は雪山などに住処を移します。そうした熊が橋を齧り切ることで、冬の風物詩でもある閉ざされた山荘が発生するわけですね。


 より山深い地域にある別荘地や避暑地にある建物の場合はこうした熊によって倒壊することもあり、冬のサバイバルには欠かせない存在でもあります。毛皮の価値だけでなくこうした必要性もあり、キョクホク熊は個体数の調整対象である準保護生物に指定されています。



 さて、今表示されている動物園では、キョクホク熊の脱皮予想が以下のようになっていますので、実際に見てみたい、という方は是非足を運んでみてください。


 なお、動物園では安定して食料供給がされているため、脱皮をしても檻を破って食事をする熊は稀とのことですので、ご安心ください。






冬眠は11月下旬から12月くらいらしいですね。(種類や地域による差異がある模様)

今の時期(11月上旬)は現実の熊は冬眠準備で食いだめをしている頃でしょうか。

最近では熊がスーパーマーケット(?)に来店することもあるようなので、皆さんお気をつけて越冬してくださいね。

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