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04



 走り出したシサクニバンの中。


 窓の外流れていく景色を見つめる。

 チィーアにとっては大きかった町が、小さくなっていく。


 だが、しばらくした時その町が突然、光の中に消えてしまった。


「町が……」


 町があった場所から大きな光の柱が上がり、空へとまっ直ぐ伸びていく。


 辺りは光で眩しくなって目が開けられないほどだった。

 その後すぐに、凄い風が吹いてきて吹き飛ばされそうになったチィーアは慌てて窓から離れたのだ。


「チィーア、これ……」


 しばらくして光が収まった後、お兄ちゃんの言葉に死線を向けると、吹き込んだ風で散らばったお父さんの資料が目に入った。


 お兄ちゃんはその資料を見つめている。


 資料には丁寧にかかれた文字と、後から書き足されたみたいな文字がある。

 丁寧に描かれた方はシサクの作り方だ。

 書き足された方はお父さんの文字だった。急いで書き足されたみたいで、とても読みづらい。


 そこに書かれていたのはチィーア達の住んでいた、ロングミストの町で起こった出来事だ。

 チィーア達の知らなかった真実。


 町には、

 もう住めなくなってしまった。

 あの光で町はもうなくなってしまったのだ。

 

「お兄ちゃん、お母さんとお父さんにはもう会えないの?」

「それは……」

「友達にももう会えないの?」

「えっと……」

「家に帰りたいよ……」


 泣き出したチィーアにお兄ちゃんは、頭を撫でながらとにかく「大丈夫だ」と言ってくれる。

 お兄ちゃんだって、隠そうとしても隠しきれないくらいに泣いてるのに、チィーアの事を元気づけてくれようとしている。


 チィーア達はその日、シサクニバンの中で一年分の涙が枯れるかもと思えるくらいに重いっきり泣いた。




 ロングミストの町は悪い人たちに乗っ取られていたみたいだった。

 良い人だと思っていた村長さんはその悪い人の仲間で、たくさん人の魔力が必要だと言って町ごとめちゃくちゃにしたらしい。

 町の人達から考える力を奪って、気づかないうちに悪事に協力させて武器の部品を作らせたり、人を攫っては別の犯人を用意したりして信じさせたりしていたらしい。


 星脈をせき止めて、魔力の爆発が起きてしまったから、町は跡形もなくなってしまった。

 お母さんもお父さんも、友達も皆いなくなってしまった。


 悪い人達は逃げる為にお父さんの仕事場に訪れて、お父さん達を武器で傷つけた。

 その人たちは後で町の跡地に戻って来るらしくて、チィーア達にはシサクをシュウテンではなく途中で停めて降りる事、町には絶対に戻らない事が、書き残されていた。 


 町が、お父さんが、お母さんが、友達が、知ってる人も、知らない人も、一瞬で全部消えてしまった。

 チィーア達がもっと自分で考えていたらこんな事にはならなかったのだろうか。

 町長さんに頼りっぱなしじゃなくて、困った事が起きたら自分で解決用としていればこんな事にはならなかっただろうか。


 分からない。

 でも、少しでもそうしていればきっと町の最後(まつろ)はもっと違ったものになっていたのかもしれない。




 短い物語で、番外編ですが読んでくださった方へ、ありがとうございます。

 一応予定としては、本編の区切りのいい所で、話に組み込む予定です。

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