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愛を知らない蕾達  作者: Mizuka
2/11

オタ研のメンバー

ある日の午後、専攻科目の講義が休講になったミルキーと遥は、暇潰しにオタ研の部室に顔を出した。

因みに、二人は英文学部に在籍の1年生だ。

大学の敷地が広く学部ごとに校舎が違う為、サークルの部室に行くには学生専用の無料巡回ミニバスを利用して移動している。

サークルの部室があるメイン校舎には、事務所や学食、生協の売店もスタバもコンビニもあるので何かと便利だ。


誰も居ないだろうと思っていたのだが、授業をエスケープしている先輩方が萌え系漫画を読みまわししていた。

オタ研などと称しているが、漫画やアニメ好きが集っているようなメンバーだから「アニ研に改名した方が良いんじゃない?!」とミルキーはついつい呟いてしまった。

それを聞いた飯田先輩は「何か言った?」とミルキー達をギョロリと見た。

ミルキーは慌てて「いいえ、なーんも!」と言い頭を少し傾げて舌を右上にペロリと出してお道化て見せた。

ミルキーと呼ばれるようになった所以は、本人が保育園の年中組になった頃から舌をペロリと出し首を左右に傾げて人前でお道化て見せている姿から始まったのだ。

「ミルキー」と言えば、某大手製菓メーカーのキャンディーでキャラクターにペコちゃんがある。

丸々とした顔立ちに目がパッチリで子供体系の頭デッカチだ。

その製菓店の店頭にはペコちゃんの模型が置いてあり、頭を突っつくと左右に揺れる仕組みになっており何とも愛くるしい姿をしている。

それが美優の癖とも言える仕草と外見が重なったことから始まったのだった。

美優のあだ名の命名者は母親であった。


飯田いいだ 幸雄ゆきお先輩こと幸ちゃん先輩は、理工学部の3年生。

彼がこのサークルの部長を務めている。

初顔合わせの時の自己紹介で自分から「幸ちゃんと呼んで欲しい~♪」と言われたので、ミルキーも遥も遠慮なくそう呼ぶことにした。

幸ちゃんは、ミルキーよりも少し背が低く細マッチョで年の割には童顔である。

笑うと顔をクシャクシャにして細い目がより一層細くなっていまい、全身を使って大口でゲラゲラ笑いながら手を叩く癖がある人だ。

彼は赤羽に住んでおり、自宅が自営業で質屋ってこともあり、店が買い取った筋トレマシーンを勝手に所有物化し日頃から体を鍛えていると自負していた。

彼のいつもの服装は、リーバイスの白いTシャツにリーバースのスキニーG’ズで割と高価なスニーカーを履いている。そのTシャツが体にフィットとしているので一目でマッチョだと分かる。

ムードメーカー的な存在で口八丁手八丁な男性で世渡りが良く、悩みがひとつも無いように見える。

笑う時の仕草がミルキーにとっては下品に思えるのだが、顔と体系のアンバランスが妙に可笑しくもありどこか憎めない感じではあった。



幸ちゃんといつもひっついて行動を共にしているのは、幸ちゃんと同じ理工学部の城所きどころ 哲平てっぺい先輩だ。

城所先輩は173㎝位に見えるが髪の毛が癖毛で両サイドを手クシで流しており、前髪を前に垂らしリーゼントをバリバリに固めていないソフトリーゼントのようだった。本当の身長は170㎝で髪の毛で身長を誤魔化しているように見える。

これが彼にとってキメのヘアースタイルみたいだ。

顔立ちは目や鼻筋がハッキリりており、見た目は西洋人ぽいのだが中肉中背で鼻の下に髭をはやしており、ミルキーには日焼けしたスーパーマリオに見えてしまった。

顔の骨格が人並み以上に大きく、それをカバーする為に鼻の下に髭を生やしているようだが、ボリューミーな髪の毛で余計に顔が大きく、肩を竦め猫背で歩く姿勢だからか首なしに見えてしまのが難点だ。

実年齢よりも老けて見えてオッサン系だ。毛深さが尋常じぁない。腕毛も毛深いし胸元から生い茂ってる胸毛がポロシャツの前ボタンを開けている為に丸見えだ。ギャラドゥーであることは間違えないだろう。

城所先輩は愛知県出身で実家が自営業をしており、結構裕福な家庭らしい。

大学の周辺でアパート借りて独り暮らしをしているが、暇さえあればサークルに来ている。

その彼がサークルの会計係で参加費用を徴収し管理している。

IT関係にも少し詳しい為、サークルのHPと更新は城所先輩がやっているらしい。

副部長的な存在でもあるのだが、性格的に根暗っぽさが滲み出ておりミルキーには苦手なタイプだ。

頭の回転が速く色々と根回しをすることに関してだけは、精力的に活動する一面も持ち合わせている。


「あれ~っ?他のメンバーゎッ?」とミルキーが幸ちゃんに話しかける。

「あいつらはキッチリ講義に出席してるよ。俺と城所の代返頼んだから!でも岡ちゃんは多分早朝からバイトじゃん?俺が午前中の講義の代返頼まれたからさっ。」とひきつけ笑いをした。

城所先輩は、愛読書(漫画)に没頭している様子。でも気になるのか彼らのやり取りに聞き耳を立てているが、恥ずかしいのか何も言わず、こちらも見ず、反応も無い。

何とも耳障りな笑い方をする幸ちゃんにドン引きしたミルキーと遥だった。

「そんな2人は講義どうしたんだよ?」と聞かれて休講になったんだとそっけなく返答し、2人してテレビを見ながらスナックタイムを満喫、コンビニで買って来たお菓子類を食べ始めた。


暫くして他のメンバーが合流してきた。

「ウィーッス! いつもの余りものだけど食べる?」とミスドのドーナッツを沢山差し入れしてくれたのは岡先輩だ。岡ちゃんことおか 健一けんいち先輩は、理工学部の3年生で世田谷在住で自宅近くのミスドでバイトしている。時間切れになったドーナッツを店長の許可を貰って有り難く頂戴しているらしい。

最初の頃は得した気分で喜んで頂いてたのだが、『時間切れ=賞味期限切れ』ともあってドーナツのしっとり感がなくあまり美味しくなかったので女子2人は遠慮している。

岡ちゃんは、身長178㎝とこのサークルメンバーでは一番高く手足も長くスタイルも良いのだが、顔のパーツの組み合わせが残念な青年だ。性格は見た目通りヤンチャな感じで話に調子づくと聞かれても無い事までペラペラ話す調子者で少しチャラ男系が入っているのだが、基本的には無口だ。

笑い方がニヒルでムッツリスケベだと思わせる。


「そろそろ連休じゃ~ん!?前々から予定していた心霊スポット巡りでもしない?」とムッツリスケベな笑顔を浮かべながら岡ちゃんが言い出した。

「そうだよねっ!女子部員も入った事だし、行けるメンバーだけでも集めて遊園地とか行ってみる?」と幸ちゃんが提案した。城所先輩はその会話に興味を持った様子で、「んじゃ、ネットで検索してリストアップして置くダㇻ。」と自分のiPadを鞄から取り出して検索し始めた。

もう少しすれば殆どのメンバーが揃うから話し合いをしようとなった。


色々と話し合った結果、よみうりランドに行く事になった。

連休ともなればどこも混むし・・・かと言ってトンネル巡りなんて道路が渋滞するだろってことで、寂れた遊園地なら連休でもそんなに混まないと予想したからだった。

参加予定の男性メンバーは、城所先輩、幸ちゃん、岡ちゃんと本木先輩。

女性軍は、ミルキーと遥の2人で合計6名となった。


他の先輩方は、既にバイトのシフトが組まれているとかで不参加となった。

とは言っても、他のメンバーは文学部4年生の福田先輩、橋本先輩と理工学部3年生の佐藤先輩、驫木とどろき先輩だけなんだよね。

文学部の福田先輩が初代部長で、橋本先輩とこのサークルを立ち上げたらしい。

4年生になってから直ぐに飯田先輩に部長を任せて、就活に気持ちを切り替えた為に、福田先輩と橋本先輩の2人はサークルには滅多に顔を出さなくなってしまったようだ。


このサークルの良い点は、現地集合でもOKって融通が利くところは気に入っているミルキーだった。

大学が都内にある為、多摩地区在住のミルキーと遥は集合場所の大学構内で待ち合わせするより現地直行の方が都合が良い場合もあるからである。


さてさて・・・・どんな珍プレイが待ち構えているのだろうか???


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