謎の空間
突如暴走した風のナイフ。そして見える走馬灯、思い出した過去。原因は不明の事故ではなく俺にこの武器をくれた赤スーツの『翠の呪い』だ。事故が起こってからわかったが、俺の中に刻まれている呪いが知識として教えてくれた。もっと早く教えてくれよ。
この翠の呪いというのは最上級の呪いの一つで他に紅、蒼、金、鈍、黒、混の六つあるらしい。悪魔神第七色なんたらかんたらという結構やばい系の集まりが使うことができるらしい。この呪いは死後もなお続き永遠なる悪魔神の忠実なる下僕へと位相支配されるらしい。
また、この呪いをかけられたものは他の人からの呪いは受けることがないがその色に応じた呪いが徐々に発動されていくらしい。
この呪いを解くためには天神竜かその眷属であるものから解呪してもらうしかない。
ちなみに天神竜やその眷属は基本的に天聖島と言う島にいるらしいが、蒼の悪魔神により壊滅状態らしい。
なにこれ。魂に刻まれた呪いとその呪いによる知識が得られたけどこれ俺積んでね?え、ちょっとまってよ。
呪いを解くには天神竜たちの力が必要だけどその天神竜の島が現在は壊滅状態である。
終わってんじゃん。
えっ何。呪いを解くためには今からこの地獄をクリアして絶滅したと言われる種族の力を借りる必要があると…。
いや無理だって。まずこの地獄がクリアできる確率が多分1割も感じられなく絶滅したと言われる種族に残りの人生で会えるのか?…限りなく不可能に近いな。
永遠なる悪魔神の忠実なる下僕という立場が良いってことにかけるしか無いのか。下僕だぜ。10割やばい立場じゃん。
そういう重たい問題は見ないことにした。
未来のことより今日のことだ。
先ほどの風魔法の暴走爆発により俺が吹き飛ばされたが宝箱にも変化があった。そう、宝箱があったであろう場所に空間的な穴があったのだ。
その穴を見ても先は見えず、しかしその穴は大地を掘って作られた穴とは全然違う。何というか浮いているのだ。厚みがなくそれでいて何か怪しげな力が感じられる。
もしかして俺は当たりを引いたのか?つまりこれって
宝玉じゃね?
なんというか玉って感じは特にしないけど触れたら終わりだ。こんなとこからさっさと逃げたいんだ。
触れた瞬間吸い込まれるような感覚を感じた。
世界が回る。自分のいたところが回転し、暗い空間からさらに黒く深く引きずり込まれる感覚。自分という存在が簡単に消えるような、存在が安定しないようなよくわからない未知の感覚。なんだこれは?どこにいく俺は?
そう長らく感じた後、自分が現在横たわっていると感じた。起き上がろうとするが起き上がれない!貼り付けにされている。仰向けに地面に横たわっているような状態で自分の体の中心が押さえつけられている。
なんとかして横に顔を向けると、なにやら毒々しい文字が白い壁一面にずらりと並んでいる。…読めない。
魔導言語とやらが読めるようになった俺だが、なに書いているか全くの意味不明である。だが、その文字は見ているだけで吐き気がするようなそんなオーラが感じられる。
誰かいるかなと思い周りを見てみたが誰もいない。どういうことだ?俺はクリアしたわけではないのか?ゲームでいう最後のお宝をゲットした気がするんだが?
考えられる可能性は三つ。
一つはこれがクリアした世界で世界はこんなにも狭かったと。
もう一つはクリアしてすぐに新しい世界的なのに送られるのではなく、神様的なあれからありがたみの感じられない話を聞くための部屋的なあれ?
これが一番嫌でかつ当たってそうな可能性だが、さっきのはよくあるゲームのダンジョンのワープのようなものでまだまだからの試練とやらは終わっていないのか。
そんなことは正直にいうとどうでもいい。俺は現在仰向けで何かに押さえつけられて動こうにも動けないのだ。あと追加で手足には何も無いのに動かない。
「さっきので疲れたし寝るか。」
思わずこぼれたその言葉の通りに寝ることにした。しかし、急にまた力がかかる。呼吸が難しくなりむせる。逃げようにも逃げられず、諦めようにも諦めさせてくれない。これは一体、なんなんだ。
それからしばらく経って、禍々しい文字のようなもので目とか口とかイメージして暇つぶしをしていたら、いきなりその文字が怪しく光り出した。その光は意思を持っているように具現化し、槍のように鋭くなり俺の肩に刺さった。
痛みなんてなく謎の安心感が浸りはじめたら、突如として今度は俺の肩が黒い緑色に光りちくりとした痛みがが走る。
「いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいぃぃ。」
しかし、そのちくりとした痛みはだんだんと例えようの無い激痛に変わり俺を襲う。叫んで泣いてどれぐらいだったのだろうか?1分も経ってないかもしれないし1時間いや1日の感覚が残っている。
痛みに疲れてまた少し何も考えずに倒れているとまた怪しく禍々しい文字が光りはじめた。俺は恐怖して火事場と馬鹿力的なのを発動したが、少しだけ起き上がれることができただけでまたしても自分の体も怪しく緑に光った。そして激痛が走ると同時に意識が失った。