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黒の試練

さて、黒の試練とやらの洞窟にいると思うのだがどうしたらいいのだろうか。


ルール上、宝玉だっけ?それを触らないといけないらしいんだが。周りを見渡すとよくあるゲームの進行に必要なものを取るための洞穴っていうかダンジョンっていうかそんな感じの洞窟にいる。


今の気持ちは単純に不安だ。さっきの六畳程度の黒い部屋にいた時の助けを求める声。あそこにいるのだ、多分。不必要に周りを見渡してしまう。背後から何かが迫っているような。


だが、何度見回しても誰もなにもいない。くそう。とりあえず何か行動しないと。ってまて。


そういえば、あの光る手紙にはグループの誰かが宝玉に触ったら俺もクリアができる的なことを書いてあったはず。つまり、ここで警戒していれば勝手に終わるんじゃね。最低でも一ヶ月警戒すればいいんだし。って一ヶ月か。 うん、無理。食料も水もねえんだよ。誰かがいないと休憩もろくにできないし。


どうする?何かをしないといけないことはわかるが何をすれば良いか見当もつかねえ。


移動するにしてもとどまるにしても今の俺にできることは何だろう?

持ち物は不思議な短剣。風の刃が飛び出て間合いの外のものも切ることができる。距離的に2メートルぐらいだったはず。これで自衛はできそう。


後、なんか魔法が使える。一般魔法と深緑魔法。一般魔法はライトとマップが使えるらしい。ライトは電球ぐらいの光が出てきてマップは自分の通ったところの半径50センチを示すらしい。しかし、24時間1分経つとそこのところは消えてしまう。この1分はなんなんだろう。

今はなんか深緑魔法は使えなさそう。


この魔法系の情報はなんとなく感覚的にわかる。


とりあえず今の場所を知りたい。


「迷走の足跡を示せ、マップ」

よくわからない力が無くなり頭の中に情報が入ってくる。…少しだけ。そりゃそうだ。まだ動いてないんだもの。

あと、マップを使うときはキーワード的なものを言わないと発動しないらしい。めんどくさい。


どうする。動くか?最低でも水や食料を得ないといけないので動くことにしよう。




この洞窟を歩いているとやはり黒の試練という割には全体的に黒くないように感じられる。この洞窟の穴は黒って言うよりも茶色って感じがするし、何しろ少し明るい。


そんなことよりも俺ってお腹が空くのだろうか。だって俺は一回死んでいるわけだし人間という肉体を持つ者から持たざるものへなってしまったわけだし。むしろ、食料や水を得ることができたからといって火をつけることができないから夜大変だろうな。

あれ、もしかして動かず死んだふり作戦的な方が良かったんじゃね。今からでも遅くはないかも?


しかしながら、思っていても行動ができない俺。いやね。ベ、別にビビっているとかチキンとか鳥肉とかそう言うのではないんだ。


もしね、先程視界に捉えたようなとてつもない大きさの蜘蛛のようなものがいたとして、かつ何か血のようなものが付着していたとして死んだふり作戦的なことができるだろうか?いや、誰だってできない。少なくとも俺はできない。


今だって可能な限り息を殺して逃げているんだもの。あの蜘蛛を見たとき、戦うと言う選択肢が一切なかった。ただただ逃げろと残った理性が働いて逃げた。


えっ、ほんと何この場所。まじでやべえじゃん。誰か宝玉を取ってさっさと終わらせてくれよ。


あのでけえ蜘蛛に見つかっていなかったからき逃げきることはできたけど、ほんとにどうしよう。何かをしなければならないとわかってはいるのだが、正直に言って怖くて動けねえ。また、あんなやばそうなやつに出会ったら今度こそジ・エンド。


とりあえず、警戒しながら歩いていると謎の木箱を見つけた。俗に言う宝箱ってやつかな。いや、今日は全くっていいほどいいことがなかったから、つじつま合わせのプレゼントかな?

イヤッホゥ、ありがとう、用意してくれた神様。


なんかついてなかった時にいいことがあるとテンション上がるよね。少なくとも俺の中の三割はそう思ってる。残りの七割は知らん。基本的に諦めちゃってるから。


気分が高揚し宝箱に近づくと何やら気配を感じた。もしや、先程の蜘蛛かっと思ったがいなさそう。しかし、だからと言って無邪気に宝場を開けるわけにはいかない。箱の中にモンスターがいるかもしれないし罠が仕掛けられているかもしれない。


ここで俺はある策を思いついた。風のナイフを使い斬撃を飛ばす。これなら相手が中にいようと襲われることはない。中に紙とか衣服ならズタボロだが、命と引き替えにしてはリスクが大きすぎる。


ナイフを宝箱に向けて風の刃を放つ。あれ、ちょっと魔力持っていきすぎ。えっちょっと。暴走した魔力は全方向自由に向かっていき爆発する。


これダメなやつだ。そう察した時爆音が耳を支配した。

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