黒の試練の前に
今更だけど施しのこと忘れてたな。じゃなくて
現実逃避しても変わらない事実。大き過ぎる問題を大地は受けきることは出来なかった。
そう、冷静に考えれば黒の試練というなんかやばそうなものを施しというなんかチート的なものなしでクリアしなければならない。………無理じゃん。
だって俺、ただの高校生だよ。趣味は読書で特技って聞かれてもなかなか出てこない高校生だよ。そして俺の人生の大体の割合は努力1割、妥協3割、諦め2割と失敗4割ぐらいだよ。あんまり成功しないし、ついてないときは本当についてないし、こんな俺はどうすんの。てかどうすればいいの?割とマジで。まぁ、失敗すると分かっていても努力はするけれど死んでもこんな目にあうのと言いたい。言ってるけれども、状況変わらないよ。いや、マジで。でも、意外とあんまり動揺してないな。
そう、大地は動揺なんてしていなかった。大地の妥協してきたメンタルが諦める方向へ向いていたから。
ある叫び声…悲鳴と言った方が正しいのかそのような声が大地に聞こえた。
「助けてくれよ、おいそこ誰かいるんだろ。開けてくれよ。まだ死にたくない。開けて下さい。おい、開けろ開けろ。聞こえてるだろおい。嫌だ。ここで死んだら呪いで一生悪魔の実験台になんだよ。助けてくれよ。開けろよ、クソが。おい、聞こえ…」
なんだよ…これ。悪魔の実験台ってなんだよ。ふざけてるだろ。おい、嘘なんだろ。いやだよ。誰か変わってくれよ。くそ野郎が…。お前のせいだろ。変われよ。変わってくれよ。死んだら覚えとけよ。あいつ…
生の人の聞こえてきた恐怖の叫びが大地を動揺させ、大地の諦めた黒の試練を強制的にやる気にさせた。
ただ、絶対に失敗できないと感じることとなり心の余裕が無くなっていた。
「落ち着け、落ち着け、落ち着け、大丈夫、大丈夫、大丈夫……なわけないだろ。でも、まだ死んだわけじゃないだろ。あっ、俺死んでるわ。悪魔の実験台……なんて考えない考えない。結局、やるしかないから。
とりあえず、時間内に生き残ったらいいし。余裕、余裕、なわけないから。まぁ、頑張ろう。生き残っていたら儲けものって感じで。」
ここまで、焦ると一周回って落ち着いていくもんなんだな。でも、絶対に生き残る。ここで宝玉を探すとは言わない俺ってダメかな…なわけないよね。きっとそう。
ピンポンパンポーン
『ええーと、時間になりました。この放送が聞こえているチームは第G2839番グループの人です。制限時間は1カ月です。頑張って下さいね〜。
それでは、第G2839番グループ黒の試練を5分後開始します。』
俺の番が来てしまったのか。てか、番号制なんだな。他にも色々と気になる事が何個かあるが、これからそんなことを考えている暇なんてないよな。簡単にまとめると
黒の試練…悲鳴が聞こえるぐらいやばい
制限時間は1カ月…って長いな。
宝玉に触ったら勝ち…終了?
触らなくて生き残っても勝ち…一か月サバイバル生活で悲鳴が聞こえるぐらいやばいところを?絶対に無理。
勝ったら持っているものを持っていける。そして、宝玉に触っていたらなんか願いが叶う…勝ったらどっかに行くの?
現在持ってるもの…学生服ぐらい?
結論…宝玉を触らないと負ける。
ダメじゃんこれ。でもグループって言っていたし、誰かいるし生贄でいけるか。いや、これは他の人も考えているだろうし注意しよう。
『5分経ったので第G2839番グループ黒の試練開始します。』
できれば、宝玉が近くにあってに触れますように。
そして、大地は床に飲み込まれていく。
大地の黒の試練の運命はいかに!
毒のある薬草が腐るぐらい今年の夏は暑いです。食中毒と熱中症に注意しないと…