地獄の新入生合宿研修~3日目、仲間~
3日目に突入します、後半スタートです!
「ラジオ体操第一」
今日もこの体操から一日が始まる。
それが終われば・・・
「飯だ!急げ!チンタラ食ってる暇はないぞ!ダッシュだぁ!みんなぁぁ!」
「「「「「「おおぉぉぉぉぉ・・・」」」」」」
あれ?昨日と反応が違う?それはラジオ体操の前にさかのぼります。
「よーし、みんな集合したな」
耕太が点呼をし確認をする。
「あれ、みんなどうした?足なんかおさえて」
みんな足や太ももをさすったり、揉んだりしている。
「「「「「「筋肉痛だよ!!」」」」」」
「ああ~そっか・・・あれ、なんで俺痛くないんだろ・・・」
耕太が首をかしげる。
「そらぁ、俺っちがマッサージしたからにきまっとるや~ん♪」
下永が得意げに言う。
「なんでお前のマッサージが出るんだ?」
「そりゃあ、俺っちは整体師の息子だから~こんなの朝飯前だよぉん」
ドヤ顔で語る下永。
ごんっ!
「いってぇ!何するんだよ耕ちゃん・・・」
「いや、なんかムカついて・・・そうか、だから俺は痛くないんだな」
殴られた頭をさすりながら言う下永。
「そうやで・・・感謝して~な・・・おーいてぇいてぇ・・・」
「うん、ありがとう」
素直に感謝を述べる耕太。
「お、おぉう・・・どういたしまして。耕ちゃん俺っちを落とす気?」
「気持ちわるいこと言うな!ばあちゃんに感謝の言葉はいわないと伝わらんって言われたから、ちゃんと言うようにしてるだけだよ!」
「じょうだんやって♪しっかし、耕ちゃんのばあちゃんはええこと言うな~南のお嬢も見習わんとね~(にやにや)」
ドゴッ!ゴスッ!
あっちゃあ・・・下永はなぐられました、思いっきり。
下永!撃沈!
「し、しもながぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「「「「「「てっちゃぁぁぁぁぁぁん!」」」」」」
あ、てっちゃんっていうのは下永のあだ名です。
うずくまって、土下座で謝る下永。
「ごめんなさい!許してください!」
「・・・ふん!」
ぐりぐり
((((((あぁ・・・踏まれてる・・・てっちゃん、ご愁傷様です))))))
合掌
「でも、耕ちゃんだけずるいな~筋肉痛で足がいてえよ・・・」
岩城(柔道部)が言う。
「「「「「「そうだそうだー!」」」」」」
「ええ!そんなこと言われても・・・」
まあ、そうだよね。
「まあまあ、みんな落ち着いて、今度はみんなにもやってあげるから!」
下永が言う。
((((((いつ帰ってきたの!?てか帰って来れたの!?え?なんでつやつやしてんの!?なんで南さんが疲れてるの!?目を離した瞬間何があったの!?))))))
下永は肌をつやつやに光らせ、逆に南は疲れた表情をしていた。
いったい、何があったの・・・
とまあ、こんなことがあり、みんなは疲れてもいたし筋肉痛にも襲われていた。
まあ、そこは体育会系の男の子、飯を食えば・・・
「「「「「「よっしゃぁ!今日も頑張るぜ!」」」」」」
見事に復活してました。
((((((なんでこいつらこんなに元気なの・・・))))))
他学科はそう思うのであった。
一方、南はというと。
(おいしい・・・元気になった!)
元気になってました、この子も大概ですね。
そして一行は海へ。
この合宿場は、山・海どちらも揃っている最高の場所である。
しかし、海で遊ぶわけではない。
そう、ここで行われるのは・・・
地獄の新入生合宿研修!最後の関門!カッター研修だぁぁぁぁ!
この、カッター研修では、グループで一つの船を漕いでいくというものである。
この船は、全長約9メートル、重量約1.5トン、12本のオールで漕いでゆく。
今回はこの12本のオールをふたりひと組で持ち漕いでゆく。
このカッター研修では1日で、約20キロを漕ぐ。
大変厳しく、疲れる研修なのだ。
これを体験すれば昨日の三島のようになってしまう。
「よぉーし!このグループは男子ばっかだな!お前らのちから見せてみろ!」
指導員のおじさんが耕太たちを鼓舞する。
「「「「「「おおおおおお!!!」」」」」」
やはり元気である。
しかし、2時間後・・・
「「「「「「ぜぇぜぇぜぇ」」」」」」
疲れてました。
「おうおう、元気がなくなってきたぞ!そーれ!」
「「「「「「イッチ!ニィ!」」」」」」
掛け声に合わせて漕いでゆく耕太達。
このカッターは合わせれば合わせるほど早く進むようになっている。
ということは必然的にチームワークが大切になってくる。
それを鍛えるのがこのカッター研修の目的である。
「よぉーし!休憩だ!オールをひけー」
「「「「「「はい!」」」」」」
オールを中に引き、休憩に入る。
「ふぁぁぁ・・・なかなかきついなこれ・・・」
腕をさすりながらつぶやく耕太。
「そうやな~さすがの俺っちもきついぜ~」
それでも余裕そうな下永。
下永と耕太は同じペアだった。
「みんな大丈夫か~?」
耕太が呼びかける。
「「「「「「お~う、まだ行けるぜ~」」」」」」
頼もしいクラスメイトであった。
「がっはっは!お前ら!気合い入れろ~!」
と叫ぶのは担任の熱井先生。
先生は漕がなくてもいいのに一人でオールを持ち漕いでいる。
この人元気すぎない?
「よぉ~し再開するぞ~」
15分ほど休んで再開した。
そして一時間ほど漕いで、目的地である島の港へと到着した。
緑地は2グループ同時に到着した。
他学科より30分くらい早かった。
「流石だな!チームワークも良かったし、もう一つのグループも早かったしな!この学科はいいクラスになるぞ~!」
褒めてくれる指導員のおじさん。
この港で昼食となる。
地元の漁師さんが経営する食事処での昼食となる。
「「「「「「「うんめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」」」
地元の漁師飯が緑地の生徒にはバカウケだった。
「うんめぇ!こりゃ、ここらへんじゃないと食えないわ!」
耕太が興奮しながら言う。
「そうやな~こんだけうまいと疲れも吹き飛ぶな~」
下永も目を輝かせながら食べていた。
(お刺身・・・煮付け・・・唐揚げ・・・おいしい!)
南はその美味しさに感動していた。
「どんどん食べな!美味しいもんいっぱい作ってあげるからね!」
女将さんが言葉をかけてくれる。
「「「「「「はい!ありがとうございます!」」」」」」
ちゃんとお礼を言うこの子達、いい子!
机の上には、アジの塩焼き、ヒラメの煮付け、様々な魚の刺身などが、所狭しと並んでいた。
それを片っ端から食べていく緑地の生徒だった。
それをみた女将さんが
「もう!おばちゃん気分がいいからサービスしちゃう!」
「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」
そこに出されたのは、アツアツのご飯の上にイクラとマグロのたたきが大量に乗った、マグロイクラ丼だった。
「「「「「「うおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」
全員が食らいついた、そして
「「「「「「うんめぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!」」」」」」
全員が叫んでいた。
「また来るんだよ~!!」
食事処を出るとき女将さんが手を振ってくれた。
「「「「「「必ずきます!!!」」」」」」
全員で礼をし、お礼を言って戻っていった。
食事処に
「「「「「「ごちそうさまでした!!」」」」」」
全員の号令が鳴り響いたとき女将さんはとてつもない笑顔を浮かべていた。
礼儀正しい子達です。
そして、そのテンションのままカッターに乗り込んだ。
「「「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」」」
「「「「「「イイィッチ!!ニィィィ!!」」」」」」
気迫が違った。
カヌーの大会に出られるくらいに早かった。
行きに3時間かかったのが、2時間半で帰ってきた。
これには指導員のおじさんも、
「こりゃ、すごいねぇ・・・」
と呆然していた。
しかし、疲れというものは終わったときや、達成した時に襲って来るもので・・・
「「「「「「ああああああ!!うでいてえぇぇぇ!!てっちゃぁぁっぁぁん!」」」」」」
「俺っちも今無理ィィィィ!!いってェェェェ!」
「ああああああ!!!わしの腕がァァァ!!!腕がぁぁぁあ!!」
「うで!うで!痛いよぉ!!私の腕がぁぁ!!」
全員の腕が悲鳴をあげてました・・・
「いろいろすごい学科だな・・・」
おじさんも呆れていた。
「がっはっは!軟弱者達め!がははは!」
生徒と同じペースで漕いでいたのに、全然疲れた様子を見せない熱井先生であった。
この人は超人か・・・
場面は食堂へ
いつものごとく三島が机に突っ伏していた。
そこへ腕をプラプラさせた耕太達がやってきた。
三島は心底驚いていたが、事情を聴いた三島は、
「ぎゃははははははははは!!!!」
腹を抱えてわらった。
その瞬間、耕太のチョップが三島の頭におちた。
涙目で耕太を睨むが、二発目を構えた耕太に怯え謝っていた。
そして、テーブルに着く緑地土木科一行であるが、
「「「「「「腕がプルプルして食えねぇ(泣)」」」」」」
涙を流す一行であった。
そして、場面は体育館へ。
「はぁ・・・ついに来てしまった・・・」
ため息をつく耕太。
「あきらめぇって耕ちゃん♪耕ちゃんの歌ならみんな泣いちゃうぜ?」
下永が言う。
「そうだよ!耕ちゃんなら大丈夫だって!」
耕太を励ます・・・田中?ああ・・・田中であった。
「あれ~?俺が泣きそう・・・なんでだろな・・・」
ごめんて、ちゃんと覚えてるから。
「ん?どうしたんだろ田中のやつ」
と耕太。
「お、始まるで~」
真ん中立つ台には多くのキャンドルが並べられていた。
そこに生徒から選ばれた何人かが点火していく。
キャンドルに火がつくとそこだけ幻想的な雰囲気に包まれた。
そして、電気がつき一人の先生が出てくる。
「よっしゃ!お前ら!疲れてるか!」
「「「「「「いえぇぇぇぇい!!!」」」」」」
「腕は痛いか!」
「「「「「「いぇぇぇぇぇい!!!」」」」」」
「鬱憤溜まってるか!!」
「「「「「「いぇぇぇぇぇぇい!!」」」」」」
「よっしゃ!お前らにささやかなプレゼントだ!これからは思う存分騒げ!」
「「「「「「おおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」
本当にノリのいい奴らである。
ちなみに、前に出た先生は熱井先生である。
・・・ほんと何者だよこの先生。
それから各学科が出し物をしていく、生活科はダンス、畜産科は漫才など様々だった、生活科のダンスはなかなかの見ものだった。
(シズ・・・こっちばっか見るなよ・・・)
三島は踊っている最中ずっと耕太の方を見ていた。
耕太の隣には、ニヤニヤする下永と殺気を放つ南がいた。
耕太と目があった三島は、耕太へ向かってウインク。
(う!ドキドキしちまった・・・)
ドキドキする耕太だったが
(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)
(ひえ!そうじゃなくて!殺気!殺気やべえって!!)
そして投げキッスまで・・・
南がキレそう・・・
(もうやめてぇぇぇぇ!)
そして、緑地の番が来た。
(ああ・・・いやだな・・・)
まだ言うか耕太、心を決めろ、さあ!お前の歌を聴かせてやれ!
下永と耕太は目配せをし、下永が弾き始める。
耕太がそれに乗っかるように歌い始める。
そして、
体育館にいる全員が言葉を失った。
この道を歩き始める時不安だった
最初は無愛想だったけど
今では笑い合える
騒がしいけど
一緒にいると楽しい
言葉にするのは恥ずかしいけど
ありがとう
これからもよろしく
愛すべき仲間たちよ
歌い終わった緑地土木科の生徒たち。
合唱部分を歌っていても耕太の歌声は、皆の耳に届く。
中には涙を流すものもいた、そしてそれは、体育館内にいる生徒にも言えること。
涙を流すまいとこらえるもの、こらえきれず涙を流すもの、目をつぶるもの、様々な人がいた。
そうさせるほどの力が耕太の歌にはあった。
仲間、耕太は仲間に思っていることを歌にのせて、歌詞に乗せて歌い上げた。
それは、皆を泣かせるほどの力を持っていた。
歌い終わって少し経ち、体育館内は大きな拍手に包まれた。
耕太にとっては、ここにいるみんな仲間、その仲間に拍手を送られて悪い気はしなかった。
耕太達はこれから共に過ごしていく仲間たちに深々と礼をした。
深夜
「こるぁぁぁぁ!!なにをしゃべっとるか!!!」
もう・・・かっこよく締めさせてはくれないのですか・・・(泣)
続く
どうもりょうさんです!新入生合宿研修編3日目をお届けしました!
この中で行われたカッター研修は腕が上がらなくなり、声も枯れる始末で・・・散々だったのを覚えています。
キャンプファイヤーですが、耕太君たちは歌を歌いましたが、私はダンスをしました。恥ずかしかったです。
さて、新入生合宿研修も残すところあと1日。
最終日は帰るだけ!と思いきや!?
お楽しみにしていただけると嬉しいです!
それでは、また次回お会いいたしましょう!
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