冬休み編~酔っ払いにはご用心~
「大好きだよ、耕太」
「・・・どうした?いきなり」
「もう!耕太のバカ!」
静音は激怒した!
「ええ!?俺のせい!?」
「もう知らない!」
「ちょ!?シズ!?」
静音はそっぽを向いてしまった。
そのあともしばらくそのままだった。
「お~い」
「・・・」
「お~い、静音さ~ん」
「・・・」
静音は無視を続けたままだ。
「シズ~・・・愛してるよ」
「・・・!」
肩をピクっと震わせる静音。
「・・・なあ、機嫌直せよ。そんな顔してると可愛い顔が台無しじゃないか」
「!!!」
耕太は調子に乗ってきたようだ。
「だから、こっち向いてくれよ」
「・・・うぅ」
耕太は精一杯の色っぽい声をだす。
「ほら、シズ」
「・・・ん」
静音は耕太の方を向く。
「んば~~!」
「!?!?!?」
耕太はいきなり変顔をする。
「はっはっは!驚いたか!」
「耕太のバカああああああああ!!!」
「あいやああああああ!!!!」
思いっきり殴られましたとさ。
「いてぇ・・・」
「自業自得だよ!耕太のバカ!」
耕太の顔は悲惨なものになっていた。
「それは悪かったって、許してくれよ。な?このとーり!」
耕太は手を合わせ謝る。
「・・・もう、しょうがないな~」
静音は呆れたような声を出したが、耕太を見る目は優しいものへと変わっていた。「シズ・・・!」
耕太は目を輝かせる。
「今回は許したげる、もうしちゃダメだよ?」
「ああ!わかった!」
耕太は元気よく返事をする。
「もう、返事だけはいいんだから・・・ふふ」
静音は呆れながらも微笑を浮かべた。
「んじゃ、改めて。あけましておめでとうシズ」
「ん、おめでとう、耕太」
二人は改めて新年の挨拶を交わした。
「親父さん、おばさん、明けましておめでとうございます」
「おめでとう耕太君」
「おめでとうね、耕太君」
耕太は三郎と皐月にも挨拶をする。
「それじゃ、耕太君。これを」
三郎から耕太へと一枚の封筒が渡される。
「これは?」
「お年玉だよ。ほら静音、お前にも」
「わーい♪ありがと~♪」
三郎は静音にも同じ封筒を渡す。
「も、もらえませんよ!ただでさえお世話になってるのに、お年玉までもらうなんて!」
耕太は当然のように拒否する。
「いいんだ、耕太君は我が子同然。どうか受け取ってくれ」
「でも・・・!」
耕太は引き下がろうとしない。
「耕太君、これは二人からの気持ちなんだ。そして、このお年玉を耕太君にあげるべき奴らの代わりでもあるんだ」
「・・・」
三郎の言うお年玉を贈るべき人とは、大輔や雅子、明人のことだろう。
「・・・受け取ってくれ」
「・・・わかりました、大事に使わせていただきます」
耕太は封筒を受け取った。
その後は、今年の抱負を書き初めしたり、お雑煮を食べたりして時間を潰した。
ちなみに、耕太の今年の抱負は、
【海になる】
夏美に言われたことだ。
静音には爆笑されていたが。
そして、静音の抱負は、
【耕太を振り向かせる】
実にブレないやつだ。
耕太も苦笑いだった。
そして、もうすぐ朝という時間になった頃、静音と耕太は畑神社へと向かった。
畑神社には多くの露天が出ていた。
当然、人もたくさんいた。
「なんで朝なのにこんな人るんだよ・・・」
耕太は既に酔ってました。
「元旦だからでしょ・・・」
静音はやはり呆れていた。
耕太は厚手のジャンバーを羽織っていた。
静音は白いコートを羽織っていた。
「おーおー、耕ちゃん。また酔ってんの?」
「哲也、新年一発目から嫌味か・・・」
「あ、ごっめーん♪」
「なぐっちゃろか・・・」
そこに現れたのは哲也だった、その後ろには甘奈、南がいた。
「まあまあ、あけましておめっとさん耕ちゃん、三島さん」
「おめでとう」
「おめでと~♪」
ここでやっと挨拶を交わす。
「あけましておめでとうございます。川島さん、昨年はお世話になりました」
「いや、構わないよ。受験頑張ってね」
「はい!」
次に甘奈。
「あけましておめでとう、川島君」
「おめでとう、南さん」
最後に南と挨拶を交わす。
「後誰か来るの?」
哲也が耕太に聞く。
「ああ、後は美紅先輩が来るよ」
「お~あの人小さいから見失わないようにしないとね」
「そうだな。お、噂をすれば」
向こうの方から手を振りながら走ってくる身長の小さな女の子が見える。
「耕太君~!」
「こっちですよ~美紅先輩~!」
「待ったかな?」
「ううん、待ってないよ?美紅ちゃん♪」
耕太は美紅の頭を撫でる。
「ふにゃ!?もう!その扱い定着させちゃダメだよ!私先輩なんだから!」
「はいはい、わかったよ~」
美紅の頭を撫で続ける耕太。
「もー!」
「あははは!」
完全に耕太は美紅をいじるのを楽しんでいる。
「・・・強敵」
「・・・そうね」
「「がんばりましょ」」
なぜか静音と南の間に絆が生まれた。
「初めまして、私は哲也様の許嫁、藤崎甘奈と申します」
甘奈が美紅へ挨拶する。
「ふぇ?許嫁?下永君の?・・・ええええええ!?うっそだあああ!」
美紅は驚きの表情で発狂した。
「本当ですよ、美紅先輩」
「ええええええ!」
耕太が本当だと伝えると、またもや発狂した。
「・・・もう泣いていいかな俺っち・・・」
「哲也様!お気をしっかり!」
相変わらずな哲也だった。
そして、その後は露天を回ったりして、楽しく過ごした。
その後、境内へ。
「うへぇ、並んでるな~・・・」
賽銭箱までの道には列が出来ていた。
「しょうがないね・・・」
哲也も少しうんざりしているようだ。
女性陣はさっきから話をしていて大いに盛り上がり、楽しそうだった。
耕太と哲也が入ろうとしても、
「ガールズトークに入っちゃダメだよ!」
「聞くと殴るわよ?」
「聞いちゃダメですよ?哲也様」
「めっ!だよ!」
と、話に加わることができなかった。
「男って不公平だよな」
「そうだね~」
二人は少し明るくなってきた空を見上げていた。
「やっとわしらの番か・・・」
「やっとだね・・・」
30分ほど並び、耕太たちの番が来た。
その間、話に入れてもらえることはなかった。
みんなで5円を賽銭箱にいれ、手を合わせる。
(海、海、仲間を増やす)
(甘奈とずっと一緒に、あと耕ちゃんともっと仲良く)
(川島君ともっと話したい)
(耕太と結婚)
(哲也様とずっと一緒にいたいです。畑農合格)
(今年の生徒会が円滑に回りますように。あと・・・耕太君と・・・)
一人過程をぶっ飛ばしたお願いをした者もいたが、皆願い事を思い浮かべた。
「ちょっとわし、行くとこあるから回ってて」
「どこ行くの~?」
「ちょっとね」
「あ~行っちゃった」
耕太は走っていった。
「どこいったんだろね」
「たぶん、お姉ちゃんのところだと」
美紅が言う。
「美桜さんのとこ?」
「うん、お姉ちゃん今日、楽しそうにバイトに行ってたから」
(抜かりないな~あのお姉さん)
「「「?」」」
静音、美紅以外の3人は頭の上に?マークを浮かべていた。
「美桜お姉さん」
「お~こーくん、来てくれたんだ~」
「来てくれたんだ~じゃないですよ。あなたが呼び出したんじゃないですか」
「はっは~そうだった♪」
美桜はけらけらと笑う。
「たく・・・あけましておめでとうございます、美桜お姉さん」
「うん!おめでとう、耕太君」
「で?どうしたんです?呼び出したりなんかして。わざわざシズにわしの連絡先まで聞いて」
「別にどうってことはないんだけどね~。ただ会いたかったじゃだめ?」
その目は何故か引き込まれそうなほどにうっとりしていた。
「別に、ダメじゃないですけどね」
耕太は少したじろぐ。
「ふふ、可愛いな~耕太君」
その声は何故か艶っぽかった。
「・・・もしかして!うお!酒くさ!美桜お姉さん飲んでるんですか!?」
「の~~んでなんか~~な~いよ~♪」
「飲んでる!この人絶対飲んでる!」
「あっはっは!こーくん~大好き~♪おそっちゃうぞ~♪」
「ぎゃあああ!顔近づけるな!耳に息吹きかけるな!腕絡ませるなーー!!」
その後のことは、語らないほうがいいだろう。
「ひどい目にあった・・・」
どうにか貞操は守った耕太は、疲労困憊だった。
「あ!耕太!」
「おー、そろそろ帰るか」
「そうだね~耕ちゃんなんかやつれてない?」
「気のせいだ」
「そうかな・・・まあいっか!」
哲也は笑い飛ばす。
何故かニヤニヤしながら。
そして、元旦の朝は明けていく。
初日の出だ。
続く
どうもりょうさんです!冬休み編~酔っ払いにはご用心~をお送りしました!
さて、初詣回が終わりました。
次の次の回で冬休み編も終了かと。
長かった、実に長かった。
冬休みがあければ、3学期。
卒業、それが終われば次の年度へと入っていきます。
来年度からは生徒会視点での行事や、農業クラブについても掘り下げていければと思います!
それでは、もう少し冬休み編にお付き合いください!
これからもイチャイチャしていきますのでよろしくお願いします!
それではまた次回お会い致しましょう!
4000PV超えました!みなさんのおかげです!これからもよろしくお願いします!
作者のもうひとつの小説「こんなの家具なわけねえ!」も読んでいただけると嬉しいです!
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なにか、問題、ご要望があればメッセージなどいただければ嬉しいです




