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農業高校は毎日が戦争だぜ  作者: りょうさん
入学編
2/110

入学式~初めての笑顔~

どうも!今回は入学式編です!


(どうなるんだ、わしの高校せいかぁぁぁぁあぁつぅぅぅ!!)


「ほんま・・・どうなるんだろ」

溜息を吐きながら席に着く耕太。

すると、


ガラガラガラッ


ドアが勢いよく開いた。

「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇいぃぃ!」

響く怒号。

「「「「「「!?!?」」」」」」

驚く男たち。

「な、なんだぁ!?」

「がっはっは!!みんな元気か!俺は今日からお前らの担任になる、熱井熱男(あついねつお)だぁぁ!担当教科は測量じゃい!よろしく!」

((((((やっていけるかなぁ・・・))))))

クラス全員そう思った瞬間だった。

「ん?なんだ、元気がないなお前ら!元気がねえとこの学校じゃやっていけんぞ!」

((((((あんたが元気すぎんだよ!!))))))

まったくです。

「まあ、それはおいおい鍛えていくとして、自己紹介してる暇はねぇ!さっさと体育館いくぞ!」

「え?もう?」

耕太がつぶやく。

「この学校ではこう言う言葉がある」

「な、なんだろ」

「時間厳守!守れない奴は単位ださん!だ」

「ええ!?」

「ほら!単位がなくなるぞ!いそげ!」

「「「「「「うわぁぁぁ」」」」」」

一斉にダッシュするクラスメイト。

「耕ちゃんいくで~」

走り始める下永。

「こ、耕ちゃん!?」

「そうだ、君は今日から耕ちゃんだぁぁ!」

「ええ!?」

早速あだ名をつけられた耕太であった。

「・・・ふん」

それを遠くから見つめつつ走り出す南であった。


そして場所は体育館前。

「ほぇぇ~7学科集まったら流石に多いな~」

下永がつぶやく。

「そうだなーわしの中学校は田舎だったから人数も少なかったしな~」

「耕ちゃんは田舎もんなん?」

ストレートですね、哲也さん・・・

「ストレートすぎる!・・・まぁそうだけど・・・」

耕太の住む村はこのへんでも結構な田舎。

近所は田んぼばっかです。

「どうやって通うん?」

「自転車、1時間くらいかな」

「うへぇ~なんで寮に住まないの?」

「金がかかるから、うちはそんな裕福じゃないから」

「へぇ~そうなんか、大変なんだな~」

「軽いなお前」

「そんなことないで~すんげえ重いで~」

「どうだか・・・」

「南ちゃんは何処に住んでんの~?」

実に勇気のある下永である。

「・・・・東の方」

(あ、ちゃんと答えるんだ)

意外だなと思う耕太。

「へぇ~東の方っていったら高級住宅街のあるとこだな~」

この地域では、昔ながらの町並みで開発が進んでいない西と、開発が進み高級住宅街となった東とに分かれている。

耕太の住む村は、西の中でもさらに西、村が多くある地域である。

「失礼します!!おはようございます!!」

「ん?なんだこの声」

体育館内から大きな声が聞こえる。

「失礼します!おはようございます!」

「なんだあれ」

体育館内に入る2,3年生が大きな声で挨拶をし、礼をしてダッシュで体育館に入っていく。

「あ~あれはな、この学校では体育館に入るときとかに、ああやって大きな声で挨拶をして入るんだよ」

下永が解説をする。

「へ~」

「もし声が小さかったりすると・・・」

「声が小さい!!!もう一回!!」

先生の大きな声が聞こえる。

「ああやって怒られる」

「すげえな、この学校・・・」

「まぁ、厳しい学校だからな」

この、畑農業高校は県内でも1,2を争う厳しい学校である。

保護者の前だろうとお構いなしである。


そして

「新入生入場」

畜産科から入場が始まる。

そして席に着き、入学式が始まる。

「学校長式辞」

校長が壇上に立つ。

「えー新入生の皆さんご入学おめでとうございます、この学校は・・・」


5分後

「命を大事にし・・・」


15分後

「社会に出ても恥ずかしくないような・・・」


30分後

「・・・頑張ってください、以上です」


(・・・なげえ!!)

とてもとても長い式辞でした。

「PTA会長挨拶」


「同送会長挨拶」


「来賓挨拶」


(挨拶多!)

次々と出てくるのは特徴です。


「生徒会長挨拶」

(お、畑農のマドンナがくるで~)

下永が言う。

(マドンナ?)

(そう、畑農のマドンナ!ものすっごい美人らしいで)

(へぇ~)

壇上には黒髪ロング、整った顔立ち、身長はすらりと高く細身。

(あれ、誰かに似てるような・・・)

「新入生の皆さんご入学おめでとうございます、生徒会長の園芸科3年、南彩花(みなみあやか)です」

(南さんか~南、南・・・南!?)

隣に座る女子生徒を見る。

(ま、まさか・・・)

(チラッ)

(あ・・・)

目があった!!あっちゃいましたよお兄さん!・・・失礼。

(バッ!)

目を逸らされる耕太。

頬は赤く染まり、肩が震えている・・・

(絶対姉妹だ!これ確実だ!)


「この学校で皆さんが大きく成長できることを願って、生徒会長挨拶とさせていただきます」

大きな拍手が起こる。

隣の少女は壇上のマドンナを睨んでいた。


そして入学式は無事終了し、再び場面は教室へ

「いやー驚いたな~まさか畑農のマドンナが南のお嬢の姉さんだったなんてな~」

「南のお嬢って・・・」

「いやーほんまおどろいたー」

なんか嘘くさい下永。

「お前、もしかして知ってた?」

「しらんよーまったく」

(しってたな)

知ってましたね。

「でも、ほんと驚いたよ、南さんのお姉さんってすごいんだね」

「・・・別に普通でしょ」

(うーん、この話はNGかな?)

「まあいいや、南さん部活とか決めたの?」

「・・・・」

口を開けて呆けている南。

「ん?どうしたの?」

「聞かないの?姉の連絡先とか、姉との仲とか」

「きいてどうすんの、南さんが言いたくないことを聞く意味がないよね」

「・・・・」

また呆ける南。

「耕ちゃん、あんたなかなかやるな・・・」

「ん?なにが?」

「ん~?ん・・・まあ」

(これが素なんだったら、恐ろしいな)

「・・・あなた、名前は?」

「ん?おう!わしは川島耕太!田舎もんだ!」

「自分で言ってたら世話ないな~」

からかうように言う下永。

「はっは!田舎もんは田舎もんだからな!」

「ほんま、いい性格してるな~耕ちゃんは」

「なんのことだ?」

「耕ちゃんは汚されちゃいかんで」

「???」

なんのことやらわからない耕太。

「・・・ふふ」

「ん?南さん笑った!」

「わ、わ、笑ってないわよ!」

慌てる南。

「いい笑顔だったのに・・・もっと見れたらいいな!南さんの笑顔!(にこっ)」

南の顔が真っ赤になる。

「耕ちゃんぱないなぁ~」

「だから何がだよ!!」

(わたし、やっていけるかも)

密かにそう思う南であった。

これから南さんの笑顔はたくさん見れるのでしょうか。

そして、姉妹の関係とは?


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