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農業高校は毎日が戦争だぜ  作者: りょうさん
夏休み編
17/110

夏祭り~笑顔と衝撃と親友と~

夏祭り回です

季節は夏、7月下旬です。優等生な南さんは宿題をもう終わらせたとか・・・

今日は花火大会です。


「うげぇ・・・人多い・・・」

主人公は人に酔ってました。

「シズのやつ・・・なにがちょっとまってて~だよ・・・何分待たせるつもりだよ・・・もうすぐみんな来ちまうぞ」

「大丈夫だよ~もう来たから」

「おせぇよ・・・よ?」

「ふふん♪どうよ♪」

耕太の後ろにはさっきまで私服だった静音が紫の浴衣を着て立っていた。

「どうしたんだよその浴衣」

「ぶぅ・・・先に言うことあるでしょ~?」

「う・・・はぁ、その浴衣・・・似合ってるよ、可愛いな」

「んー!!耕太愛してる!耕太もその浴衣似合ってるよ!かっこいい!」

「お、おい!抱きつくなって!」

ケッ!イチャイチャしやがって・・・

「おい、ちゃんと仕事しろ・・・」

おっと。

「耕太誰と話してるの?」

「あれ・・・誰だっけ」

「変な耕太」

さて、今の耕太と静音の服装と現状を説明しましょう。

耕太は、黒い男性用の浴衣、白い縦の線が入ってます。

静音の方は、紫の浴衣に大きな花の刺繍が入った綺麗な浴衣だ、クルクルの髪も一つに束ねている。

そして二人は下永たちを待ち合わせ場所で待っていた。

「それにしても、その浴衣ほんとにどうしたんだよ」

「えっとね~この近くに住んでる知り合いのお姉さんにもらったの、んでさっき着付けしてもらってきた」

「なるほどね、だからこんなに時間がかかったのか」

「そうだよ~でも、耕太はお父さんのお下がりでよかったの?」

「十分すぎるよ、いい浴衣だしね」

それは家を出る前、静音を迎えに行ったときのこと。


「どうも~」

「おう、耕太君、静音~耕太くんがきたぞ~」

「は~い」

「そういえば、耕太君は浴衣は持っていないのかい?」

「ん?もってないですよ?」

「ん~・・・」

「親父さん?」

「かぁぁぁさぁぁぁん!」

「なんだいなんだい父さん、大きな声出して」

「俺の浴衣どこへやった?」

「浴衣?・・・ああ!なるほど!まっててね!」

「??」


20分後。

「おおお・・・さすが耕太君!似合ってるぜ!」

「ほんとにもらっていいんですか・・・?」

「いいんだ、耕太くんにぴったりじゃないか!」

「そうね~よく似合ってるわ耕太君」

「そ、そうっすかね・・・」

とそこに、

「おまたせ~耕太・・・って!その浴衣どうしたの!?」

「ああ、親父さんがくれたんだよ」

「かっこいいよ!んーー!耕太愛してる~!」

「だから安いな・・・お前の愛は・・・」

「・・・ぶ~」

耕太の言葉を聞いた静音は拗ねる。

「相変わらずだな~耕太君は」

「そうね~」

「ん?・・・そういえばシズは浴衣着ないのか?」

「うっふっふ・・・それは後のお楽しみ~」

「なんだそりゃ・・・まあいいや、いくぞ~」

「は~い、じゃあ行ってくるね~」

「おう、楽しんでこい!」

「楽しんでらっしゃい」

三郎と皐月は笑顔で二人を送り出す。

「ほんと、耕太君は明るくなったな・・・」

「そうね、あの頃の耕太君が嘘みたい」

「それだけ、あの子が成長したってことだろうな」

「そうね、それと友達のおかげかもね」

「そうだな」

二人は空を見上げそう呟いた。


「思えばお楽しみってこれのことだったのか」

「そうだよ~びっくりした?」

「まあな」

「惚れた?」

「惚れねぇよ」

「ちっ・・・」

「今舌打ちしたよね!?舌打ちしたよね!?」

「きのせいじゃな~い?」

「くっそ・・・」


「お~お~お二人さんまたせたかな~?」

「ん?おお、下永」

「やっほ~耕ちゃん」

「おう、甘奈ちゃんと南さんもこんばんは」

「こんばんは!川島さん、三島さん」

「こんばんは、今回は誘ってくれてありがとう」

「いえいえ、来てくれてありがとう南さん」

「い、いえ・・・」

俯く南。

「それにしても・・・二人共可愛い浴衣だな~似合ってるよ」

「!?」

「耕ちゃんが自分から褒めた!?」

「おい、失礼なこと言うな下永」

「ぶぅ・・・私は自分から褒めなかったくせに」

「拗ねるなよ・・・」

「拗ねてないも~ん」

「はぁ・・・」

二人は静音に負けず劣らずに綺麗だった。

甘奈はピンクの浴衣に鮮やかな刺繍、元気で活発な雰囲気を失わず、上品さ清楚さを出している、頭には花飾り、浴衣の後ろには鮮やかな黒髪がなびいていた。

南は黒の浴衣、これまた鮮やかな刺繍があった、髪はまとめ上に、実に南らしい、お嬢様のような着こなしだった。

下永は、耕太と同じような黒い浴衣、耕太とは違い水玉模様が入っていた。

「さぁて、みんな揃ったことだし、回ろうか~」

「そうだな・・・うぇ・・・人多い」

「耕太・・・また人酔い?」

「しょうがねえだろ・・・」

「大丈夫?川島君」

「大丈夫だよ南さん、いつものことだから、心配しないで」

「そう、苦しかったら・・・いつでもいってね?」

「ああ、ありがとう」

「ほえぇ・・・南のお嬢が積極的だ・・・」

下永が驚く。

「哲也様、南さんって」

「ふふ、甘奈も察しがよくなったね」

「あれはあからさまですよ・・・」

「そうだね~」


とまあ、こんな感じで祭りを回っていると。

「あれ・・・あれって桜川先輩と今岡先輩じゃ?」

耕太が指差す。

「ほんとだ~そういえばあの二人って付き合ってたんだよね~」

「ああ、そのはずだけど」


「奈々?そんなにくっつくと危ないよ?」

「大丈夫だよ~そのときは翔太が守ってくれるんでしょ~♪」

「まあ、そうだけどね?」

「んー♪しょうたぁ~♪」


「「「「・・・・だれ!?!?!?」」」」

「え?え?」

驚愕する畑農生となんのことかわからない甘奈。

「あれって、桜川先輩だよな・・・?」

「そのはずだよ~・・・あんなにかわるものなんだね~・・・」

「あんな桜川先輩見たことない・・・」

「姉さんの言うことは本当だったのね・・・」

「しょうたぁ♪」

「「「「・・・・見なかったことにしよう」」」」

「え?え?え?」

一行は急いでその場を後にした。


「いろんな出店が出てるな~」

「そうだね~いっぱいだ~甘奈、なにかたべる?」

「そうですね、そろそろお腹がすきました」

「そうね~私もお腹減った~耕太おごって~」

「シズ・・・この前も奢ったろ」

「ぶぅ~・・・だめ?」

「・・・わかったよ」

「あはー♪耕太愛してる♪」

「だから抱きつくなって!」

「・・・(ゴゴゴゴ)」

「ひぃっ!」

「あら~?南さんヤキモチ~?」

ニヤニヤしながら言う静音。

「あっちゃ~・・・」

「哲也様?」

「甘奈、逃げよう」

「え?え?」

「耕ちゃん!俺っち達はあっちの方いってくるね~」

「あ!おい!下永!」

「じゃあね~!!」

下永は甘奈を連れてダッシュで逃げていった。

「薄情ものぉぉぉぉおおおおお!!!!」

「うがぁぁぁぁぁぁ!!」

「ぎゃああああああああああああ!!!」


「ひどい目にあった・・・」

なんとかその場を抜け出した耕太であった。

二人の隙をついて逃げてきたのだ。

「まあ、携帯あるし大丈夫だろう・・・ん?あれは・・・」

「おおおお!!うめえ!!この焼きそばうめえ!」

「おい!このたこやきもうめえぞ!」

「なんだと!おばちゃん!たこやき5個ね!」

「あいよ!」

「うおおおおおお!うめえ!」

「あれ!?耕ちゃんだ!耕ちゃ~ん!」

緑地の連中だった。

「おう、みんな来てたのか」

「そうだよ!美味しいものいっぱい出てるからね!」

「ほんとみんなよく食べるよね」

「体力つけないといけないからね!じゃあ、また食べてくるね!」

「ほどほどにな」

「うん!じゃあね!」

「おう」

岩城(柔道部)は足早に話すと連中の中へと戻っていった。

「しょうたぁ♪」

「だから危ないって奈々」

その場を全速力で去った。


「ふぅ~人が多いな~」

耕太は人の比較的少ない神社の境内に座っていた。

「あら?珍しいですね、ここに人なんて」

「ん?」

そこには巫女姿をした女性が立っていた。

「こんばんは」

「こんばんは、巫女さんですか?」

「そうですよ~巫女さんです、バイトですけどね」

苦笑しながら話しかけてくれる巫女さん。

「祭りにはいかないんですか?」

「さっきまではいたんですけどね、ちょっと人が多すぎて、休んでたんです」

「なるほど、ここは人が少ないですからね」

「はい」

それから耕太は巫女さんとお話をした。

「それじゃ、巫女さんは大学生なんですね」

「そうだよ~お姉さんなのです」

「はは、そうですね」

口調もだいぶ砕けた。

聞けばこの巫女さん、近くの大学に通う大学生らしい。

「あ、そろそろ戻らないとツレに怒られちゃうな」

「そう、またなんか悩みとかあったらおいでね、だいたいここにいると思うし」

「はい、ありがとうございます(にこ)」

「ふふ、いい笑顔だね」

「え?あ、ありがとうございます」

「ふふ、じゃあね」

「はい、また来ます」

「まってるよ~」

そして、耕太は境内を離れた。

(話してると不思議と落ち着く人だったな)

近いうちにまた来てみようと思う耕太だった。


「そろそろ、花火の時間か」

「あ!耕太いた!」

「川島くん!」

「お?シズ、南さん」

「もー!探したんだよ!いつの間にかいなくなってるから!」

「そうよ、勝手にいなくなるなんて」

「ごめんごめん、そろそろ花火だな」

「そうだね~」

「そうね」

3人が上を見上げるとそこには大きな花火が上がり始めていた。

「わぁ~きれいだね!耕太!」

「ああ、そうだな」

「花火は久しぶりに見たわね」

「そうなの?」

「ええ、祭りに来ること自体あまりないから」

「なるほどね、まあ、来年も来ようよ南さん」

「ええ、そうね」

「あー!私も行く!」

「はいはい」

こんなことを言い合いながら3人は空を見ていた。


「哲也様いいんですか?もどらなくて」

「いいんだよ、3人にしといてあげようよ」

「・・・そうですね」

「なあ、甘奈」

「はい?」

「二人で花火を見るのはいつぶりかな」

「去年も見ましたよ?忘れたんですか?」

「ははは、そうだったかな~♪」

「ひどいです、哲也様」

「多分そんときは、甘奈の顔しか見てなかったんだよ、今の甘奈いい顔してるし」

「哲也様・・・」

「こりゃ、誘ってくれた耕ちゃんに感謝だな~また借りができちゃった」

「ふふ、そうですね、私も川島さんには借りができてしまいました」

「ん?どうしてだ?」

「哲也様の笑顔が増えた気がしたからです」

「はは、そりゃそうかもね~耕ちゃんのまわりは退屈しないからね~」

「そうですね、すこし鈍感すぎな気もしますが」

「あれは、多分治らないね~」

「そうですね、ふふ」

「甘奈」

「はい」

「嫌な思い出は、いい思い出で上書きだったよな」

「はい、そうです」

「だいぶ、上書きできたよ、甘奈の良さにも気づけたし、親友と呼べる存在ができた、ありがとな甘奈」

「いえ、私は哲也様が笑顔でよかったです」

「はは、甘奈は優しいな~」

「・・・哲也様」

「ん~?甘えんぼさんかい?」

「はい、今日は甘えんぼな甘奈です、許してくれますか?」

「当たり前だ」

「哲也様、お慕いしています」

「俺もだ」

二人は大きな花火のしたで唇を重ねた。


「お~い耕ちゃ~ん」

「お、下永」

「やっと見つけた~」

「このやろう!逃げやがって!」

「悪かったって!痛いよ~耕ちゃん!」

耕太はヘッドロックをキメる。

「楽しめたか?二人きりは(ぼそぼそ)」

「・・・ありがと、耕ちゃん(ぼそぼそ)」

「ふふ、よし!これくらいで許してやる!」

「いってえぇ!耕ちゃん痛いよ・・・」

耕太は下永の背中を叩いた。

「ほんと、仲がいいわね」

「そうだね~羨ましいねぇ、耕太~おぶって帰って~」

「自分で歩け」

「ひっどーい、ふん!」

「・・・くすくす」

「甘奈ちゃんに笑われた!?」

「へ!?ち、違うんですよ!?三島さん!?」

「うわぁぁん、耕太~慰めて~」

「はいはい、ヨシヨシーゲンキダセー」

「すごい棒読みね」

「いいんだもん~私は耕太に撫でられるだけで幸せだもーん」

「はぁ・・・帰るぞシズ」

「はぁーい」

「うおーつかれたー」

「ふふふ、哲也様帰ったらお風呂ですね」

「そうだなー一緒に入るか?甘奈」

「下永!?」

「そうですね、久しぶりに」

「「「ええええ!?甘奈ちゃん!?」」」

「冗談だよ~」

「冗談です」

「「「本当にしそうで怖い・・・」」」


道を歩く5人は全員が笑顔だった、全員過去に何かを抱えてる、だけどお互いにそれを聞こうともしない、感づいているかもしれない、しかし、5人は何も聞かず笑顔で歩いていく、それがこの者たちのあり方であり、普通なのである。

5人を照らす月は今日も見事に輝いていた。


続く

どうもりょうさんです!夏祭り~笑顔と衝撃と親友と~をお送りしました!

今回は終始だれかがイチャラブしてました。

下永の過去編は次の次の回から始めようと思います。

過去編が嫌いな方はお飛ばしください。

次回はお盆回です。

新キャラが一気に三人出てきます!

キャラが多すぎて覚えられないかもしれませんがそこは、読み返してみてください。

それでは次回またお会い致しましょう!


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