期末試験~どうにも勉強は苦手でして・・・~
期末試験があります。
季節はさらに過ぎ、いまは七月。
トウモロコシももうすぐ収穫です。
本格的に夏です、畑農は暑いです・・とっても暑いです。
こんな時期、耕太たちに迫るのは・・・
「期末テストだあぁぁぁぁぁ!」
「「「「「「!?」」」」」」
いきなり叫ぶ熱井先生。
「せ、先生?」
「期末テストだぁぁぁぁ!」
「いや!分かりましたって!」
「うむ、期末テストです、勉強しましょう」
「は、はい・・・」
耕太は勉強という言葉を聞いた瞬間椅子へと座った。
「特に!川島と下永!」
「「は、はい!」」
「ちゃんと勉強しないと夏休み補習だぞ」
「「は、はぁい・・・」」
実はこの二人、とても馬鹿です。
しってた?あ、しってたか・・・まあ知らない人は読み返してみてください、それらしい会話してますから。
とまあ、その話を聞いた二人は・・・
「「南様!どうか!お勉強を教えてください!」」
土下座をしてました。
「・・・あのね、ちゃんと授業聞いてれば点取れるよ?」
「「だって!授業面白くないんだもん!」」
「そんな胸張って言われても・・・実習や専門科目はよくやるくせに・・・」
「「だっておもしろいし」」
「・・・わかったわよ・・・教えるわよ」
「「(ぱああ)ありがとう!南様!」」
「その南様ってのはやめて・・・」
「「はい!南様!」」
「はぁ・・・」
そして放課後。
「じゃあ、私の家行きましょうか」
「「南様のおうちですか!?」」
「もういいから・・・」
「ん、でもいいの?南さんの家なんか行っても」
「別にいいわよ、あ・・・でも」
「「ん?」」
「姉がいるわよ?」
「「・・・・・」」
「あ、でも・・・生徒会だし・・・いないと思うし・・・」
「「で、ですよね」」
南家。
「やっほー♪耕太君♪元気~?」
いました。
「「「・・・・・はぁ」」」
「なになに~お姉ちゃんの顔見てため息つくなんてひっどーい!」
唇と尖らせて拗ねる南姉。
(べつに可愛いとか思ってないよ?ホントだよ?)
「ほんと?」
「ほんと・・・って!やっぱり南さん超能力者!?」
「ちがうわよ・・・雰囲気よ」
「ぱねえ・・・」
「おーい!こっちは無視かーい?」
南姉が手を振る。
「姉さん・・・なんでいるの・・・生徒会は?」
「今日は休みなのです!奈々がデートだからね~」
「奈々って、桜川先輩ですよね~?」
下永が聞く。
「そうよ~?」
「彼氏いたんですね」
「そうなのよー意外でしょ?緑地の3年の総務の今岡君」
「「「ええええええええええええええ!?」」」
「うわあ!おっきな声出さないでよ」
「今岡先輩が桜川先輩と付き合ってたなんて・・・」
下永が頭に手を当てる。
「ラブラブよ~?あの鬼の副会長がふにゃふにゃになっちゃうのよ?」
「「「あの桜川先輩が・・・・」」」
「ちなみに美紅は彼氏いないわよ~?耕太君狙っちゃダメよ~?」
「狙わないですよ!・・・よ?」
「なんで自信ないのよ・・・」
南が額に手を当てる。
「あっはっは♪じゃあ下永くんは~?」
「あ、俺っち許嫁がいるんで」
一瞬の沈黙。
さあ、みなさんご一緒に、
「「「えええええええええええええええええええええええ!?」」」
「あー言ってなかったね、俺っち許嫁がいるんだよ、まあ、最初は親同士が決めたものだったけど、いまは本当にあの子のことが好きなんで」
「下永・・・そんな素振り見せなかったじゃないか」
「いや~耕ちゃんには言おうとは思ってたんだけどね~タイミングがなかったんだよ~ごめんね~」
「いや・・・いいんだけどよ・・・びっくりしたよ」
「あっはっは~よくいわれるー」
「まあ、それならお前の行動にも納得がいくよ」
「行動?」
「ああ、お前何人かに告白されても全部断ってるし、お前の好きそうな可愛い子とかもいたのにな」
「あ~ばれてたか~」
「当たり前だ、何度か見たよ」
「さっすが耕ちゃん♪」
「なんか・・・気持ちわるいな」
「ひどい耕ちゃん!でも、そんなこと言ったら耕ちゃんだって」
「ん?」
「告白断ってるじゃん、可愛い子いっぱい居たのに、三島さんも振ってるし」
「「・・・(ぴく)」」
(ん?なんだろ・・・殺気が・・・)
「まあ、そうだけど・・・」
実はこの二人、意外ともてます。
耕太は合宿研修の歌で射抜き、下永はもともとイケメンだし女性には優しいのでモテます。
耕太に関してはその笑顔で年上にも人気があるとか・・・
「まあ、わしにもいろいろあってな」
「そっか、そうだよな」
「ああ」
二人が何かを分かり合ったその時
ガシ!
耕太の肩が掴まれました。
「耕太君」「川島くん」
「え?」
「「告白してきた子の名前全員おしえなさぁぁぁぁぁい!」」
「えええええ!?」
「「はやくはやく!」」
「聞いてどうする気ですか!?」
「生徒会長権限で退学にする」「蹴る」
「あんた達は何を考えとるかあぁぁぁぁ!」
にげて!超逃げて!女の子たち!
「あらあら・・・まったく、耕ちゃんは罪作りやな~」
「下永ぁぁぁぁ!助けてぇぇぇぇ!」
「俺っち知らんも~ん」
「薄情ものおおおおお!」
「「はやくおしえろぉぉぉ!」」
「だからあぁぁっぁああ!」
がちゃ
「あらあら~今日は騒がしいわねぇ~」
ほわほわした声が聞こえてきた。
「「か、かあさん」」
南姉妹が手を緩める。
「「母さん!?お姉さんじゃなくて!?」」
そこには南姉妹とよく似た大人っぽい女性が立っていた。
「あらあら~嬉しいこと言ってくれる子達ね~麗華ちゃんのお友達かしら~?」
「あ、はじめまして、麗華さんのクラスメイトの下永哲也です」
「同じく、川島耕太です」
「あらあら~そうなの~麗華ちゃんのお友達なんて久しぶりね~」
「か、母さん!」
「あらあら~ごめんなさいね~・・・あら」
「?」
南母が耕太を凝視する。
「な、なんでしょう?」
「可愛い子ね~麗香ちゃん、この子私にちょうだい?」
「「「「!?!?」」」」
南母から衝撃発言が飛び出しました。
「な、何言ってるの母さん!」
「そ、そうよ!」
「あはは~耕ちゃんの年上キラー♪」
「な、な、な・・・なな」
「あらあら~冗談よ~本気だったらまたお父さんが泣いちゃうわ~♪」
((((この人やべえ・・・))))
「それはそれとして、上がってちょうだ~い」
「「あ、失礼します」」
耕太、下永は南の部屋へと通された。
ちなみにこの家、とてつもなく広い。
どのくらい広いかというと、アパート一つを一軒家にした感じ。
とにかくとてつもなくでかい。
「なんか、普通に女の子らしい部屋だな」
「そうだね~ぬいぐるみなんかあってかわいいね~」
南の部屋は本当にTHE女の子の部屋!って感じな部屋だった。
そしてしばらくして南がやってきた、入ってくる前南の怒声が聞こえたような気がしたが耕太と下永は気にしないことにした。
「・・・意外だった?」
「「へ?」」
「私の部屋」
「「あ~」」
「やっぱりそうだよね」
少し俯く南。
(ほらっ耕ちゃん、感想言ってあげなよ)
(え?わしが?)
(ほら早く!)
(あ、ああ)
「そんなことないよ」
「え?」
耕太の言葉に顔を上げる南。
「別に意外ってこともないんじゃないかな、南さんだって女の子なわけだし、こういう部屋でもわしは別に変だとは思わないし、逆にこういう部屋の女の子ってわし可愛いと思うよ?」
「わぁ・・・耕ちゃん・・・すげぇ~」
「え?思ったことを言っただけなんだが・・・」
「わぁ・・・」
「・・・(もじもじ)」
急にモジモジしはじめる南。
「どうしたの?南さん調子でも悪い?」
「そ、そんなことない!勉強始めよ!」
「う、うん・・・」
「・・・(にやにや)」
その空間には、訳の分かっていない耕太に顔を赤くする南、それを見てニヤニヤする下永とドアから覗き見をしている南姉がいた。
っておい姉!何してんの・・・
そして、時間は経ち。
「さて、今日はここまでにしましょうか」
「「ふぇ・・・」」
二人は伸びていた。
「じゃあ下永、帰るか」
「そうだね~」
「玄関までおくるわ」
「あれ~?耕太君たちかえっちゃうの~?」
「ご飯食べていかないの~?」
などと二人の女性に絡まれたが、耕太たちはそれを振り切り帰っていった。
耕太はその後もちろん仕事。
三郎には連絡を入れておいたようだ。
そのような勉強会を一日おきくらいのペースで行った。
その都度なぜか常に南姉がいたりして大変だった。
そして、
「「おわったぁぁぁっぁぁぁぁ!」」
「・・・お疲れ様」
「下永・・・どうだった?」
「なんとか・・・耕ちゃんは?」
「おれもなんとか・・・」
「ごめんなさい・・・姉さんが邪魔をして・・・」
「いいんだよ、南さんが気にすることじゃないよ」
「そうそう、南のお嬢はわるくな~い」
「ありがとう・・・」
南は罪悪感を持っていたらしい。
その後、二人はそろって赤点回避、夏休みは補習なしで迎えることができるようになった。
続く
どうもりょうさんです!期末試験~どうにも勉強は苦手でして・・・~をお送りしました!
僕も勉強は苦手でした・・・赤点ギリギリの教科もありましたね・・・
さてさて、物語中ではもうすぐ夏休みです。
その前に夏季スポーツ大会があります。
次はそこに入っていきます。
それでは次回をお楽しみに!
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