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農業高校は毎日が戦争だぜ  作者: りょうさん
農業高校の日常編Part2
13/110

社会奉仕活動~笑顔の連鎖~

奉仕活動に行きます

「あああ・・・・あつい・・・」

「耕ちゃん・・・それを言ったらもっと暑くなるで・・・」

「だってよ・・・」

「まあ、暑いのは変わらんよな・・・」

「そうだよ・・・」

男二人がある庭の隅にある草を抜きながら愚痴をたれている。

とそこに一人の小さな女の子が、

「おにいちゃん!いっぱい草取れたよ!」

笑顔でふたりに自分の取った草を見せる。

「「お兄ちゃんもいっぱいとったよ!!君もすごいね!!!」」

二人は笑顔を浮かべた女の子の頭を撫でる。

幸せそうな笑顔を浮かべながら。

なぜ二人がこんなことをしているかというと・・・


「今日は社会奉仕活動だ、俺ら緑地土木科は畑幼稚園に行く」

「「「「「「うぇーい・・・」」」」」」

季節は五月、環境科学基礎で植えたトウモロコシもだいぶ育ってきた頃だ。

暑い日も増えてきた。

そんなこの季節に行われるのは社会奉仕活動だ。

社会奉仕活動とは、畑農の生徒が各施設や川に赴き奉仕活動を行うというものだ。

その中で緑地土木科は畑幼稚園に行くこととなった。

「畑幼稚園か・・・園児って面倒くさいんじゃないの?」

「そうだよな・・・俺子供って苦手で・・・」

そんな言葉が聞こえてくる。

耕太自身も妹や弟もいないし、幼馴染の静音の家にも弟や妹はいない。

「うーん・・・大丈夫かな」

耕太は不安だった。

しかし、実際行ってみると・・・


「おにいちゃん!このくさとれないよ~」

「よし!おにいちゃんにまかせろ!」

「わーい!おにいちゃんすごーい!」

見事に園児の虜でした。

ほかの緑地の生徒も、

「おにいちゃん~!」

「おう!まかせろ!」

「たかいたかいしてー!」

「よーし!おらー!」

「わぁ!たかい!すごーい!」

「はっはっは!すごいだろう!」

「あのお姉ちゃん・・・綺麗だろ?」

「うん、きれいだね!でもおむねないね!」

「い!?よし、逃げよう!」

(おい・・・あいつ何やってんだよ)

下永が南に追いかけられてました。

そして、

「よーし!休憩!」

先生が休憩を告げる。

その瞬間、

「「「「「「おにいちゃんあそぼーーーー!!!」」」」」」

「「「「「「よぉぉぉし!おれたちにまかせろぉぉぉ!!」」」」」」

遊びが始まった。

普段園児のような小さな子と触れ合うことがあまりない為か緑地の生徒は、園児にメロメロだった。

「・・・?あの子は・・・」

みんなが遊ぶ中、一人隅の方で座っている男の子を耕太は見つけた。

「よう、どうした?遊ばないの?」

「あそびなんて、どうでもいい」

「そうか?楽しいぞ?」

「いいよ、そんなの」

園児が持っている綺麗な目、純粋な心がこの男の子には欠けていた。

「どうした?なんで遊びがどうでもいいんだ?」

「・・・」

男の子の手には一人の女性の写真が握られていた。

そしてその隣には、ほかの園児が持っているような綺麗な目、眩しい笑顔を光らせているこの男の子がいた。

なぜ、こうまで変わってしまったのか、この写真が関係あるらしい。

「なあ、お母さんって今どこにいるんだ?」

「・・・・おそら」

やはりか。

そう思った耕太。

「そうか、お空か・・・なあ、話をしようか」

「はなし?」

「そう、わしのお母さんとお父さんのお話」

「・・・うん」

耕太は息を少し吐き語り始める。

「わしのお母さんとお父さんはな、お空にいるんだ」

「・・・おにいさんのおとうさんたちも?」

「そう、君のお父さんは?」

「おしごとしてる」

「そうか・・・わしはお父さんもお空に行ったんだ」

「・・・」

「落ち込んだ、まさに今の君みたいに」

「なんで・・・そんなにえがおでいられるの?」

すがるような目でこちらを見る男の子。

「それはな、仲間がいたからだ」

「なかま?」

「そう、落ち込んだ時に俺を抱きしめてくれた人がいる、その時はその人に救われたんだ、そして、いつも笑顔でわしを迎えてくれる仲間、そいつらがいてくれたおかげでわしも笑顔でいられる」

「ぼくには・・・」

「そんな人いないか?」

「・・・」

「今のわしの支えは仲間だ、ここにはいないが幼馴染の女の子に、ここにいるクラスメイトだ、他にもわしを支えてくれる人はいるぞ」

「・・・」

「そうだな・・・下永!」

「ん~?耕ちゃん?」

耕太は下永を呼ぶ。

「今から、みんなで遊ぼうぜ!」

「ん?みんなで?・・・ふふ、わかった!みんなー!今から鬼ごっこをしよう!」

「「「「「「おおおおおおお!!!」」」」」」

下永は男の子を見ると笑みを浮かべみんなに呼びかける。

「さあ、遊ぼうぜ、お母さんは君のそんな顔見たくないと思うぞ?お母さんは君が泣いた時放置したかい?してないはずだぜ、手を差し伸べてくれたはずだ、だったらそんな顔するな!お母さんに見せてやろうぜ!僕は元気です!お空で僕を見ててくださいってな!」

「・・・あう・・・あ・・・」

「さあ!笑っていこうぜ!」

耕太は無理やり男の子の腕を引っ張り走り出す。

(この子の気持ちはわかる、だったら手を差し伸べてやるしかないんだ)

「う、うわあ!」

「よし!みんなこの子も仲間に入れてくれるか?」

「「「「「「俺たちは大歓迎だぜ!(にこ)」」」」」」

「「「「「「いっしょにあそぼ!(にこ)」」」」」」

みんなは男の子を笑顔で迎えた。

「う・・・うう・・・・」

顔を上げられない男の子。

「大丈夫だ・・・前をむいて、みんなの顔を見てみろ」

「・・・(ちら)」

そこにはたくさんの笑顔が男の子を迎えた。

「あ・・・うん!ありがとう!」

「はは!さあ、みんなであそぼう!」

「「「「「「おおお!!」」」」」」

「先生もいれろおおお!」

「「「「「「えええええええええ!?」」」」」」

「ふぉっふぉっふぉ、私も入れてもらいましょうかね」

「「「「「「こうちょぉぉぉおおおお!?」」」」」」

熱井先生と校長までもが参戦した。

「・・・はは・・・たのしい」

「ねぇ、あなた」

「え?おねえさんは・・・?」

「南麗華っていうの、あのおにいちゃんのクラスメイトよ」

「なかま・・・だね?」

「そう・・・ね、仲間よ、あなたも大変でしょうけど、あの人の笑顔を見習ってみなさい、あなたも幸せになれるわ」

「幸せ・・・?」

「そう、幸せ、だから・・・がんばりなさい(にこ)」

そういった南は極上の誰もが見惚れるような笑顔を男の子に向けた。

それを見た耕太は。

「ああああ!お前わしにも見せたことないような笑顔を見せて貰いやがって!ずるいぞ!」

「えええ!?」

「か、川島くん・・!」

「このやろう!」

「う、うわあ!」

耕太は友達にやるように首に腕を回し頭を撫でる。

「か、川島くん!」

南は顔を真っ赤にして叫んでいる。

そんな反応を見た男の子は。

「・・・ふふ」

笑みを浮かべた。

「・・・はは、笑えるじゃねえか!いい笑顔してるな!」

「あ!・・・ありがとうおにいさん!」

「いいよ別に、さあ!遊ぼうぜ!」

「うん!」

「南さんも!」

「え!・・・はあ、わかったわ、いきましょう!」

「よっしゃあ!」

男の子は笑顔を取り戻した。


「おらぁぁぁぁぁ!まてぇぇぇえい!」

「「「「「「うわあああああああ!!」」」」」」

熱井先生大人げないっす・・・

「ふぉっふぉっふぉ」

校長・・・マイペースっすね・・・


そして鬼ごっこはおわり・・・

「「「「「「ぜえ・・・はあ・・・うう」」」」」」

生徒は撃沈していました。

「「「「「「たのしかった!」」」」」」

園児は元気です。

「がっはっは!高校生は情けないのう!」

熱井先生元気すぎです。

「ふぉっふぉっふぉ・・・ふぉごほ!」

こうちょおおおおおお!!!

「よし!掃除再開!」

熱井先生が告げる。

「「「「「「うええええええ・・・・」」」」」」

「「「「「「はぁぁい!!」」」」」」

差が激し過ぎました。

「「「「「「耕ちゃん・・・うらんでやる・・・」」」」」」

「ええ!?わしのせい!?」

一方的に耕太のせいにされた。

「・・・はあぁ・・・恨む」

「南さん!?」

南には恨めしい目で見られ、

「はっはっは!耕ちゃん災難やな!」

下永には思いっきり笑われた。

その後も奉仕活動は夕方まで続いた。


「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」

園児との挨拶を終え学校へと帰っていく俺たち。

そこに、

「おにいさん!」

「ん?お、君か」

「あの・・・ありがとうございました!」

「はは、気にするな!じゃあな!」

「はい・・・(ぺこ)・・・あと」

「ん?」

「みなみのおねえさんとおしあわせに」

「はぁ!?どこでそんなの覚えたんだよ!てかお幸せにって何!?」

「ふふ、では」

「おおおい!!」

男の子は去っていった。


五月、もうすぐ夏です。


続く


どうもりょうさんです!社会奉仕活動~笑顔の連鎖~をお送りしました!

社会奉仕活動はとても暑かった思い出しかありません。

きつかったなぁ・・・

さて、今回は社会奉仕活動でしたが、次は夏季スポーツ大会・・・と行きたかったんですが、大事なものをその前に忘れてました・・・それは、

定期試験です!

ということで、次回は定期試験の勉強会、そして定期試験回です!

どこの家でするんでしょうかね・・・

または図書館かな・・・?

まあ、それは次回をお楽しみに!

それでは!また次回お会い致しましょう!


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