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獅子が世界を喰らうまで  作者: 水無月ミナト
第一章 華宮学園
11/76

8話

 翌29日、彼は寝坊していた。

「あーもう、こんな時に限ってリンもレンも起こさねえからな」

 とぼやきながら急いで朝食を食べ、身だしなみを整える。

 朝起きると、両親も死霊使いも妹もみんないなかった。

(気遣ってんのかなあ。でも余計なお世話なんだけどなあ)

 そう思い、一応感謝はしておく、が。

「出かける前に起こしてくれりゃいいのに」

 現在時刻8時5分。走ればまだ間に合う時間。

「一回迷ったからな。もう迷うことはないな」

 そう独り言をし、カバンを持って学園へ向かう。

「間に合ったー!!」

 チャイムが鳴る学園で、彼はそう叫びながら教室の扉を開けた。途中、また迷いそうになってしまったため、少し時間がかかった。クラスの人に何事かと振り向かれ、謝りながら自分の席へ向かう。

「ほんと、ギリギリだったね。寝坊でもした?」

「はは。お察しの通りです」

 隣のアリスが話しかけてきてくれる。

 彼は着席しながら昨日のことを思い出す。

(そういや、ババアのとこ行くんだっけ。けどその前に大神探しか)

 そう考えながら、今日一日の計画を立てていく。

 そして、今日はいつも通りに過ぎていく。

 1・2・3・4時間と続く授業。昼休みを挟み、5・6・7時間と、一日の授業が終わった。

 あとは帰る前のSHRだけだ。7時間目が終わり、担任が来るのを待つだけである。

 彼は昼休みなどに校舎を回って大神を探してみたが、全く見つからなかった。

 SHRになり、これが終わればまた探しに行こうと思うが、学園全体は探し尽くしてしまっており、どこを探すか考える。

 そのまま数分が過ぎるが、何故だか担任が入ってくる気配がない。それは隣のクラスも同じようで、少し騒がしい。

 次第にそれが10組にも伝わり、クラス中が騒ぎ出す。

「今日、先生遅いね。会議が長引いてるのかな?」

「うーん、そうなんじゃない?他に理由がなさそうだし」

 そのままさらに数十分すぎる。

 ようやく先生の駆け足で来る音が聞こえてくる。

「皆さん、ちょっと静かにしてください!」

 担任の篠崎祥子が入ってくるなり、大きめの声で言われたので少しずつ話し声が消えていく。それは他クラスも同じで、騒がしかったのが静まっていくのが分かる。

「いいですか、落ち着いて聞いてください」

 担任のいつも以上に真剣な口調に完全にクラス中、学園中が静まる。

「今朝方、大神狼華さんが行方不明になりました」

 彼はその言葉を聞き、考え事をやめる。

「目撃情報から、近くに1組の榊原烏之助君がいたようですが、榊原君は今日登校していません」

 そう言ってもほんの少しの反応があるだけで、誰も騒ぎ出さない。

(なんだ?普通、自分の学校の人が事件に巻き込まれたら騒がねえか?)

 彼はそう思うが、事実誰も騒がない。怖いくらいに静かだ。

「今、警察に届け出ましたが……」

 担任が話を続けようとしたが。

「そんなことより連絡はー?」

 と、クラスの一人が言う。

 他の人も声には出さないがその意見に賛成であるかのように何の反応も示さない。

「連絡って……そんなことより大事なことでしょう!?」

 担任はそういうが、他の人たちは「大神さんのことなんか大事じゃないよ」というような声がいくつも上がる。

「……!!」

 これには流石に驚く彼。思わず立ち上がってしまう。

「な、何かしら、栢野君?」

 クラス中の注目を受けながら、彼は隣のクラスでも無反応なことに気付く。

「これって、いま全学年の全クラスで言われてることですよね?」

「ええ、そうよ」

「なんでみんな平然としてんの? なんでここまで学校全体が静かなの? 大神って同じクラスじゃねえのかよ?」

 頭にいろいろな考えを残したまま彼はそう言い、クラスを見回す。が、

「何?栢野君、大神さんの味方するの?あんな嘘つきを?」「心配するだけ無駄だって」「これだって嘘かもしれないじゃん」「あんな嘘つきより授業の方が大切じゃない?」


「まだ気づかないの?大神さんは同じクラスだけど、彼女の居場所はここにはないことを」


「――」

 彼はその言葉に戦慄する。

(なんで、そこまで言える……?)

彼の心の中でいろいろなことが巡る。

かつて、彼は学校中から邪魔者扱いを受けたが、席が無くなる、居場所が無くなることはなかった。しかし、このクラスではそんなことが平然とやられ、クラス全体がそのことを受け入れている。

「……それは言い過ぎじゃねえか?」

 彼は弱々しく言ってみる。しかし、返ってくるのは思い通りの反応で。

 誰もが、あんな嘘つきはこのクラスにはいないのよ、といったことを言ってくる。

 彼はその言葉を聞いているうちに、体の奥がざわめき立つのを感じ、心は荒れ狂っているのに、頭はだんだんと静まり返っていく。

 そして、誰かの一言に耐えきれなかった。

「テメエら、それでも人間か!?」

 大声で、怒鳴るように、叫ぶように、感情のままに、言葉が溢れた。

「ふざけんな! どれだけ嫌いな奴だろうが、どれだけ最悪な奴だろうが、それでもこのクラスの一員じゃねえのか!? テメエらは嫌いな奴を、最悪な奴を追い出し、排除し、それでなんで平然としていられる!? テメエらが何をしたか、どれだけ酷いことをしたか、どんなことをしたか、わかっているのか!? 自分達だけがよけりゃ、あとはどうなってもいいのか!? 大神がいなくなって、得たものはなんだ!? クラスの安らぎか?? 平和か?? 悪者を倒した優越感か?? 一体何を手に入れた!?」

 クラスが静まり返る。

「昨日転校してきた新参者に何が分かる」

 そこに言ってくるのは、クラスでのボス的存在の女子だろう。名前は確か、天津猫深(アマヅネコミ)

「あたし達はあいつがいるだけで他のクラスから疎まれたんだよ。上級生から嫌味を言われたよ。部活ではあたし達10組だけ仲間外れだった。全部あいつのせいだ。あたし達は、あいつがいるというだけで嫌われ者にされた!」

 その女子も立ち上がり、彼に対抗するように詰め寄ってくる。

「まだ学園生活始まって2週間ちょっとだけどね、あいつのせいであたし達は狂った生活から始まったのよ。あいつがいる、そんな理由だけでよ。ならどうすれば普通になれる?簡単な答えでしょ」

 そうして彼の目の前まで来て言う。


「邪魔者は、いなくなればいい。」


「――」

 クラス中が、また静まり返る。担任も何をすればいいのかわからずオロオロしている。

「あいつに水をぶっかけるのを、あの図書委員も協力してくれたわ」

 そう言いながら、おとなしそうな女子を指さす。

「あいつのカバンに石を詰めるのに、そっちの体育委員も手を貸してくれたわ」

 そう言いながら、活発そうな女子を指さす。

「あいつの机をなくすのに、そこの学級委員も尽力してくれたわ」

 そう言いながら、アリスを指さす。

「そいつも、あいつも、こいつも」

 次々と指さしていく。指された人は皆、びくっ、と身を震わす。

「クラスの満場一致で大神の排除が決定したのよ。先生も、いつの間にか何も言わなくなったわ」

 そしてまた一歩、彼に近づく。

「わかる? このクラスで、大神の味方をするのはお前だけなのよ」

「……」

 彼は、何も言えない。

「オオカミはいつでも悪者。何をされても結局最後はおんなじなの」

 そう言い、彼が一歩後ろに下がると一歩詰め寄る。

「オオカミの最後は、いつだって孤独に死んでいくの。仲間も、味方もいないまま」

 そう断言する。

 彼はその言葉を噛みしめるように、理解していく。

「……仮にそうだったとして」

 彼はようやく、絞り出すように言う。

「テメエの話すことが、童話とかのオオカミの話で、大神と重ね合わせて言ってんのなら」

 そこで、大きく息を吸い、吐く。

「俺はオオカミの味方でいい。テメエらのような、絵にかいたような偽善者の集まりより、本能のままに、生きるために、人を、豚を、子ヤギを襲い、喰っていくオオカミの味方の方がよっぽどましだ」

 彼は言いながら、窓に背中をつける。

「テメーらはオオカミよりも意地汚い悪魔の集団だな。俺はそんな奴らと仲良くしたくない。俺はライオンだ。オオカミと同じ、肉食獣の、人を、豚を、ヤギを喰らう百獣の王だ。王様は、民のために尽力するものだよな」

 窓を開け放つ。

「俺には悪魔をまとめられるようなことはできねえし、したくもない。そんなことは同類のお前の方がお似合いだろ」

 そう言い、猫深を蹴り飛ばす。

「胸くそ悪い正義の味方ごっこの遊びはとっくに卒業してる。俺が今はまってる遊びは」

 窓に足をかけ、飛び降りならがら言う。

「善なんか存在しねえ、悪者ごっこだ」

 飛び降り際、アリスと目が合い、逸らされるが、彼は呟くように言う。

「全員見てな。悪者が、悪者に改心された様を」



 一方、学園長室では生徒会長と守護隊(ガーディアン)K(キング)・総隊長が呼び出されていた。

「突然悪いね、呼び出したりして」

 ネロと海鯱は、ソファに座っていた。

「いえいえ、私はこの学園の生徒のためなら何でもしますよ」

 ネロが、やはり昨日と変わらずの笑顔で言ってくる。

「私はシーちゃんのためならなんだってするさ」

 海鯱も、真剣な表情で言ってくる。

「ああ、知ってる。でも、今回はあの大神狼華だ。それでもいいのかい?」

 学園長は確認するように言ってくる。

「大神ちゃんだって、誰が何と言おうとウチの生徒ですよ。今すぐにでも探しに行きたいくらいです」

「シーちゃんが絡んでたら、どんな条件だろうと飲みますよ」

 ネロも海鯱も、そう答える。

「そうかい、そりゃ安心した。しかし、内容は似てるのに、言ってることがこうも違うとはねえ」

 そう言いながらため息を吐く学園長。

「たぶん、今頃あのクソガキはクラスの奴らと言い争っているだろうね。終われば一人で大神を探しに行くだろう。そうしたら、直ちに合流して大神の捜索を頼む。これは任務として受け取ってくれて構わん。報酬は後だ。いいな」

 学園長が言い終わると、ネロと海鯱が立ち上がる。

「ああ、ネロ。お前の超能力の使用許可がまだ下りてない。決して使うなよ」

 そう忠告してくる。ネロはそれに、はい、と笑顔のまま頷く。

 そして出て行こうとするその去り際に、二人は言う。

「生徒を助けるのは、生徒会長として当然ですよ。報酬なんていりません。その辺で寄付してやってください」

「私はシーちゃんの手助けをするだけだし。任務遂行はすべてシーちゃんに任せるから、払うならシーちゃんにお願い」

 そうして去って行ったドアを見つめ、学園長は言う。

「内容は似てるんだけどねえ。それにしても、ホント言うことを聞かないクソガキばかりだよ。教育者は向いてないかねえ」

 かつて夢見た職業にこの歳でようやく就けた、虚月霞。しかし、その仕事からは自分よりずっと若い、将来有望な者たちから逆に多くを学んでいる。教育者として失格かね、と思いながら、しかし大役を任せられる者たちが大勢いて、うれしくも思っているようだ。

「さて、私もいろいろと準備しなきゃね。かわいい愛弟子の頼みだ」

 その顔は、いつもの仏頂面よりほころんでいた。



 学園の近くの道路を彼は走り回りながら大神を探す。

「……闇雲に探しても無理、か」

 そう呟きながら、どうしようか考える。

「つっても、人に聞くようなことはできないし」

 これはただ単に彼の度胸の問題だ。

 そこで彼は気付く。大神と会った道路の場所にいつの間にか着いていたことに。

「この角だったか」

 彼は、昨日大神が現れた角を曲がる。

 その道は一本道になっており、住宅が並んでいるが一か所だけマンションが建っていた。

「確か、あいつ家と縁を切られたって言ったよな」

 入ってみる価値はあるか、と呟き、マンションに入っていく。

 案の定、そのマンションには確かに大神と書かれたポストがあった。が、もう一度考えてみる。

(マンションで連れて行ったら、絶対に誰かに見られてるよな)

 それに、烏之助も関係があるだろう、と思い、管理人に話を聞こうと勇気を出す。

「あの、すみません。このマンションの大神さんって、今朝出て行きましたか?」

 管理人室にいた人に聞いてみる。

「ん? 大神さん? ああ、なんか今朝同じ学校の制服着た男子が迎えに来て、一緒に出て行ったよ」

「そうですか、ありがとうございます」

 お礼を言って、マンションを出る。

(十中八九、烏之助と出て行ったんだろう。でも、なんで烏之助なんだ?)

 疑問が生じる。昨日の烏之助は狼華をみんなと同じような反応だったのに、なぜいきなり迎えに来る?

 辺りを見回してみるが、やはり情報不足でなにもわからない。

(車か? でもそれだったら抵抗されりゃ、誰かが気付く。気付いたら騒ぎが起こる)

 それとも、町でも学校のような状態なのか? と思うがそれはない、と思い直す。実際、管理人も普通に話してくれた。違和感もなかった。

 色々考えてみるが、しっくりくる答えが出ない。

 そこで一人考えていると、誰かがこちらに向かってくる足音が聞こえる。

「やーっと見つけた。随分と探したよ、栢野ちゃん」

「よく大神の家が分かったな」

 やって来たのは、生徒会長のネロと守護隊(ガーディアン)K(キング)・総隊長の海鯱。

「会長にミコ姉? どうしたんだよ、学校は?」

「それを言うならシーちゃんもでしょう。まったく、クラスと対立なんていい度胸だな」

「ああ、私たちも大神ちゃん捜索に出たんだよ。もっとも、私たちだけだけど」

 そう言われ、彼は「対立じゃねえし」と意地を張る。ネロの言葉も予想通りなので、「そうですか」とだけ返しておく。

「家がわかっても、手がかりはありませんでしたよ」

 彼は聞いてきたことを二人に話す。

「榊原ちゃんが迎えに、ねえ」

 ネロはそう言い、少し考えるようにする。この時ばかりは真剣な表情に見えるのだが、やはりどこか笑っている印象を受ける。

「ま、状況的に考えて榊原ちゃんが連れ去ったんだろうね」

 そう言い、また笑顔に戻るネロ。

 その言葉に何も返せずにいると、ネロが歩き出す。

「だとしたら、場所なんか決まってくる。彼は大神ちゃんと接点なんかほとんどないんだから遠くまで連れて行くことは到底できない」

「この近くの人気のない場所、そこにいるのか?」

 彼は答えを聞いてみる。

「だろうね。でも、気絶させて連れて行かれたならどこへでも行ける。だから、ただの候補だ」

 彼と海鯱はネロについていきながらこの町で、人気のない場所を考えてみる。

「そんな場所、結構あるぞ」

「そうだな。3人じゃ、到底探しつくせないな」

 そう言うとネロは振り返り、後ろ向きで歩きながら質問に答える。

「まあ確かに人不足は否めないし、時間も足りない。探し出すなんて無理だろうね。だから今回は助っ人を呼んでおきました」

 指を立て、笑みを少し強くしながらネロがそう言うと、もう一人が現れた。

 その人物はどこかの王様のような服装で、というより起きた時家にはもういなかった死霊使いネクロマンサーだった。肩にはやはり黒猫が乗っている。

「まったく、皆さん人使いが荒すぎるんですよ。あー、これ終わったら月宮さん家に直行だー…」

 現れるなりいきなり愚痴りだした。

「いやー、すみません。他に頼める人がいなくて」

「わかっていますよ。とりあえず、探索用の人を出せばいいんでしょう? シー君さえ関わってなければ、投げ出すような仕事内容を……」

 そう言いながら、地面に何かを掻き始める死霊使い。

「なんか、俺のせいで迷惑かけてない? ミコ姉にも」

「そんなことはないわよ。私はただシーちゃんの手助けをいつだってするだけだから」

 海鯱はそういう。

「そうですよ。シー君には栢野家に行く度にお世話になってますから」

死霊使いもそう言ってくれる。

「そう言ってるんだから、栢野ちゃんは気にしなくていいんだよ」

 ネロもそう言う。

 やがて、死霊使いが何かの模様を描き終えると呪文を唱える。そして黒猫が模様の中心へと歩いていく。

 すると地面に描かれた模様が光だし、中から人が一人出来上がってくる。

「これでいいですよね。この子の超能力【探索終了(サーチアイテム)】は探索能力の中でもトップクラスですので、手がかりを与えれば簡単に見つけられますよ」

 出来上がったのは、小学校高学年ぐらいの男の子。

「うわ、死霊使いの能力使うとこ初めて見た」

 死霊使いの超能力名は呼び名と同じく【死霊使い】。死人を一時的に蘇らせ、使役する。普通この能力によって蘇らせた人々は〈終焉の館(ゴーストハウス)〉で看守役をやらされている。能力を生前と同じように使えるため、このことも脱獄不可能に一役買っている。

「もっとも、耐久力はほぼ0。轟鬼さんなんかの一撃だと粉砕しますよ」

 そう言い、大きく息を吐く。そして説明を始める。

「その子、目的地に着いたら勝手に消滅しますから。時間制限もついてますので、急いでくださいね」

 他にも細かいことを言ってくる。

 死霊使いは説明を終える。

「それでは私は呼ばれてますので、これで」

そう言い残し、消えるようにどこかへ行ってっしまった。

「烏之助の手がかりって、何かあります?」

「こんなこともあろうかと、榊原ちゃんの顔写真と髪の毛を持ってきていたのだ」

 彼に問われ、ネロが有名アニメの道具を出すときの効果音を発しながら答える。

「準備よ過ぎ…てか髪の毛多い!」

 と髪の毛をごっそり持っているネロに海鯱が驚く。

「じゃ、【探索終了】ちゃん、お願い」

 そう言い烏之助の手がかりを差し出すと、【探索終了】はコクリと頷くと、差し出されたものを食べ始めた。

「「うわ、ちょ、えぇ!?」」

 彼と海鯱が一緒に驚愕する。

 それでも平然と、やはり笑顔でいるネロにも二人は驚く。

 ごくん、と【探索終了】が飲み込むと動き出した。

 その足はおぼつかない。フラフラと移動しながら、塀や電柱にぶつかりながら進んでいく。

「「「……大丈夫かなあ」」」

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